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幻滅には程遠い


 とても深い眠りから目覚めたのか。


 ここがどこなのか、自分が誰なのか一瞬分からなくて呆然とする。


 木目が綺麗に浮かび上がった天井と吊り下げるタイプの趣のある電気がぶら下がっているのがぼやけた視界の向こうに写るのを眺めながら「私の部屋じゃない」とぼんやり思う。


 布団の中で手を伸ばすとパリッと糊のきいたシーツ、そして横を向くと頬に触れる枕の感触とカバーも馴染みのないもので、やはりここは違うと確信する。


 横たわったままで部屋を窺うと四方の内二つが壁で残り二つが障子と襖が向き合っているのが分かった。


 障子の向こうは縁側かそれともそのすぐ向こうに窓があるのか。

 白い障子紙が太陽に照らされて青白く光っていた。


 寝かされていた部屋はそう広くはないけどきっと敷地は広いのだろう。

 随分と静かで人の気配が無い。


 もそりと一旦横向きになってから上半身を起こすとどこからともなく仄かにお線香の匂いがした。


「あ……そっか」


 昨日――というよりもあれは日付が変わっていたから今日なんだろうけど――のことを思い出してここが千秋寺だと理解する。


 お日さまは昇ってしまっているから毎朝の仕事をさぼってしまったことになるんだけど。


 枕元に置かれていた眼鏡をかけて起こされなかったということは、今日は免除してくれるということなんだと勝手に結論付ける。


 布団を畳んでいると障子に人影が写って止まり「目が覚めましたか?」と声をかけられた。


 すらりとしたシルエットと髪に覆われていない綺麗な頭の形でその人影が宗明さんなのだと分かっていたけど、幾分優しげに聞こえた声に少々戸惑ってしまい固まっていると若干焦ったように「体の具合でも悪いんですか?」と障子に手をかけられたので慌てて起きていることと体調も問題ないことを告げる。


 寝起きな上に真希子さんに抱きついたまま泣き疲れて寝てしまった酷い顔を見られるなんていくら女子力が無いとはいえ遠慮したい。


 うう……きっと目が腫れてて、いつも以上に眠たそうな顔になっているんだろうなぁ。


「母が食事の用意をしているので、小宮山さんの準備が整ったらいつも食事をしている部屋に行ってください」

「はい、ありがとうございます」


 障子の向こうで「では」と会釈をした後で戻って行く宗明さんが微かに奏でる衣擦れの音を聞きながら布団を畳み終え、片付ける場所が分からないのでとりあえず端の方へと置いておく。


「あ!しまった……お礼とお詫びを言うの忘れてた」


 こういうことは改めて言うよりも、事後最初に顔を合わせた時に伝えた方がこっちも気負いが無く言えるんだけど。


 仕方ない。

 さすがに障子越しに伝えるのはあまりにも常識が無さすぎる。


 後で言おう。


 気を取り直して身支度を整えるべくトートバッグと着替えの入った袋を掴んで開けながらふと今何時だろうか?という疑問が浮かんだ。


 この部屋には本当になにもなくて――なにせここがどこだか分からないくらいに特徴が無い――障子から差し込む光だけでは全く予想がつかない。


「そうだ、携帯――って!うそぉ!?」


 バッグから取り出した携帯の外側にある小さな液晶部分に浮かんでいる時刻を見て私は悲鳴を上げた。


 そこには時間だけじゃなくて日付や曜日もちゃんと表示してある。

 だから間違いじゃない。


「出勤時間、過ぎてるっ!」


 今日は木曜日で仕事は休みではない。

 そして九時三十八分は出社時間を一時間三十八分過ぎている。


「うそ、うそでしょ!?」


 私は昨日事務所に心配してくれている真琴さんにゴリ押しして出勤しますと連絡したし、高橋先輩にも大丈夫ですというメールを送っていた。


 なのでこれは遅刻――!?


「やだ、ちょっ待って!」


 事務所に電話をするのが先か、それとも着替えて飛び出してから出勤している途中ですと連絡するのが先か。


 テンパった私は制服の入った袋を抱えたまま障子を開けて縁側へと飛び出した。


「ま、まずは顔を!それからトイレ行って着替えて――あ!私パンプス持ってくるの忘れたっ!」


 ドタバタして家を出て来たから制服は持ってきたものの玄関でパンプスを回収するのをすっかり忘れていた。


「も、いいや。スニーカーでもなんでも履ければ一緒だしっ」


 とにかく出勤さえできれば足元と服がちぐはぐだろうと構わない。


「って!洗面所は!?トイレはどこっ!?」


 縁側から見える景色は玉砂利が敷かれた庭と苔生した岩に囲まれた池の向こうに広がる竹林は今まで見たこともない。


「ここっ、ここは――どこぉおお!?」


 自分が千秋寺のどこにいるのか全く分からなくて心細さに大きな声で騒いでしまう。


「落ち着いて、紬ちゃん」

「びゃっ!?」


 後ろからポンッと肩を叩かれて飛び上がって勢いよく振り返った私をクスクスと笑いながら真希子さんが眺めている。


「大丈夫だから安心して」

「でも、私、仕事、遅刻」

「だから大丈夫。出勤させるつもりだったらその時間に間に合うようにちゃんと起こすわよ。行かなくてもいいから寝かせてたんだから」


 小首を傾げた頬にふんわりウェーブの髪が揺れる。

 薄い茶色の瞳に有無も言わせない様子で見つめられながら「まずは顔を洗ってご飯が先よ」と腕を掴まれて洗面所まで案内された。


 しかし出勤する必要がないということはどういうことなんだろう?


 真希子さんたちが職場に電話を入れてくれた?


 いやそれはさすがに家族でもない人から休みますって連絡を入れられても会社的には了承しないだろうし。


 ということは。


「もしかして真希子さん。家に、連絡しました……?」


 私用に新しいタオルを出してくれていた真希子さんに恐る恐る尋ねるときょとんとした顔で「当たり前でしょ」と返された。


 当たり前ときましたか。


 確かに帰らない方が良いと引き留めてくれた時に真希子さんから親には説明するとは言われていたけど一体どんな風に話したんだろう。


 ちょっと怖い。


「あの、私……両親には千秋寺こちらに毎朝通っていること伝えてないんですけど」

「そりゃそうでしょうね。言いにくいことだし、説明しづらいし。でも逆になんにも教えてもいないのに毎日朝早くに出て行く紬ちゃんを信じて送り出してくれていたことをご両親に感謝しないといけないわ」

「う、はい」


 痛い所を突かれて私は黙るしかない。


「そもそも窓ガラスに罅が入っている上に血やら毛やらがついている異常な部屋から娘が突然いなくなったら心配するでしょ?部屋と窓にはお札まで貼ってあるし、これは常識では考えられないようなことが起こったと薄々は気づくわ。

 だから紬ちゃんが寝ている間にお宅に伺ってお嬢さんをお預かりする旨と暫くお仕事をお休みさせてもらえるように頼んできたの」

「え!?伺ったって……わざわざ家に、行ったんですか!?」


 びっくりした。


 電話でも掛けたのだと軽く思っていたから。


 しかも私の目が覚めたのが九時三十分過ぎだったから、その前に全てを終わらせて戻ってきた上に朝食の準備もしているということは――お父さんもお母さんも早朝叩き起こされた可能性が高い。


「宗明と二人で行ってきたわよ」

「しゅ、宗明さんと!?」

「どうして驚くの?だって隆宗たかむねさんがいない間は宗明がこの寺の責任者だし、紬ちゃんの部屋の窓に着いた穢れを清めるためにも宗明が行く必要があったし」

「あ――」


 そうでした。


 一番初めに千秋寺に来た時に怒りと共に覚えたこと。


 妖の血や肉は穢れていて病や災厄を呼び込む。

 それを祓うために宗明さんはわざわざ足を運んでくれたわけで。


 仕方が無かったこと。


 そう。

 私の部屋を宗明さんに見られたことはこの際考えないようにする。


 見られて困るようなものはないしね……うん。


「お父さんやお母さんは、あの」


 どんな顔をしていただろうか。

 どんなふうに思っただろうか。


 その場にいなかったから不安で。


 弱気が声や顔に出ていたんだろう。


 真希子さんがにこりと微笑んで


「とても心配していらしたわよ。娘をよろしくお願いしますって頭を下げてくださって」


 立派なご両親だわ――そう言って誉めてくれた。


「そう、ですか……ありがとうございます」


 安心しながらもどこかくすぐったくて私は眼鏡を外して蛇口をひねると冷たい水を両手で受けて顔を思いっきり洗った。



  ★  ★  ★



 具合が悪いとかどうしても休まなければならない用事が入っているというわけでもないのに仕事に行っていないということはすごく後ろめたい気持ちがする。


 子どもの頃に朝からお腹が痛くて学校を休んだのに、出すもの出してお薬が効いたら嘘みたいにけろっとしてしまって普段は見れない時間帯のテレビを見て笑っている時のあのなんともいえない罪悪感にとても似ていた。


「うう……ズル休みしてる気分」


 はあっとため息を吐きながら通い慣れた山道をひたすらに登って天音さまのいる奥の院まで向かっている。


 真希子さんが用意してくれていた朝食を頂いた後、龍の化身がお呼びなので急ぎ訪ねるようにと叩き出された。


 たったひとりで。


 今まで千秋寺一番の聖域ともいえる山への立ち入りは宗春さんと一緒であることが第一条件で、ほぼ一本道とはいえ独特の空気が流れる神秘的な空間ではなにが起きてもおかしくはない雰囲気がある。


 もちろん天音さまが山にいらっしゃるのだから危険はないし、安全ではあると分かっているんだけど。


 しっとりと濡れた土と落ち葉が匂い立つ道を独りで歩いているとこれが現実なのか、もしかしたら異次元の世界へと迷い込んでいるかのような不思議な気持ちになる。


「まあ、ある意味異次元なのかもしれないけど」


 仏さまが住んでいる場所なんだから。


 ひとりだと自然と早足になるようで、ぜーぜーと喉の奥からひどく聞き苦しい音をさせながら汗だくで登りつめた。


 十段ほどの石段の上に山門があり、その奥に天音さまが祀られているお堂と湧水が出ている洞窟がある。


 その山門に艶やかな黒い打掛を着た美しい女性が立っていた。


「天音さま!すみません、お待たせして」

「よいよい。構わぬ。お主は疲れておったからの。しっかりと寝て体力を回復させるのが先じゃ」


 眩いほどの銀色の着物は牡丹の模様がさり気なく織り込まれていて思わず目を奪われる。

 青白いほどの天音さまの肌には銀色だけだと飛んでしまいそうだけど、朱色の帯と黒い打掛がキリッと締めてくれるから上品さと鮮烈さが際立っていて美しい。


「どうした?」

「あまりの神々しさに見惚れていました」

「ほほ。せめて見た目だけでも美しくなければ人にとって崇める対象として目減りするであろう?」

「そんなことは」

「よいのじゃ。恐ろしいばかりでは親しみを持てはせぬ。荒ぶる力を持つ者とはいえ信仰を得られねば神や仏としての顔を保てぬからの」


 よく理解しないまま否定の言葉を口にしたのを天音さまは咎めもせずにほんのりと微笑んで階段を悠然と下りてきた。


「話は変わるが」


 黒く波打つ髪を揺らしてそっと身を屈めて私の顔を覗き込んでくる。

 その仕草で初めて天音さまが随分と背が高いことに気づいた。


「怖かったであろう?」


 なにがとは口にされなかったが、家で猿の妖に襲われたことを言われているのだと理解して「はい」と正直に答える。


 窓越しとはいえ相対した妖はとても赤茶色の毛に覆われた身体は大きく、低く笑う声や爪や牙が生々しくて。


「あれが妖の本質じゃ」


 血に酔い、肉を欲して。

 快楽的に人を殺し、人が恐怖に怯えるさまを好む。

 禍々しいまでの闇を操り、獲物を前にしたら多少の怪我など頓着しない貪欲さ。


「理性などない。本能のままに生きる妖の姿――それを見て、お主は幻滅してはおらぬか?」


 幻滅、したのだろうか?


 どこか憂いを帯びた天音さまの緑がかった黒い瞳を見つめ返しながら自分の心に問いかける。


 確かにとても怖くて得体の知れない相手や力に怯えて、もしかしたら死ぬかもしれないと思いはしたけど。


 目の前にいる天音さまや助けに駆けつけてくれた大八さん、それから商店街で日々いなりずしを作り続けるコン汰さんや銀次さん、生意気だけど憎めない子鬼たち――私の知っている妖さんたちのほとんどが優しくて獰猛さの欠片も見せない妖だから。


「幻滅はしてません。ただ、天音さまが言っていたように神性も魔性も併せ持っているということを改めて学ばせてもらいました。

 だからこそ私は天音さまや大八さんたちのような、人と生きることを選んでくれた妖たちを大切にしたいと思ってます」

「そうか」


 ほっとしたように目を細めて天音さまは腰を伸ばして顔を上げ、自らの住まいを振り返った。


 その横顔になにかを畏れるような色を見つけて私は心がざわめく。


「……天音さま?」

「人は儚く弱いものであるのに、人の思いとはかくも強いものであるのか」


 山門越しにじっと眺めたまま微動だにせず作り物めいた美しい唇だけを動かして呟かれた言葉の真意を汲み取れずにただ立ち竦む。

 太陽の熱にも染まらない澄んだ風が吹いてここまで全力で上ってきた私の汗ばんだ肌を一気に冷えさせた。


「人が恐れ忌むほどの力を持つ妖でも敵わぬものがある……それがなにか分かるか?」


 答えを求めながらも天音さまの関心はどうも私には無いようで、ただ正直に「いいえ」とだけ返すことにする。


「信じる力だ」

「信じる、力」


 教えられた答えを繰り返してみるが、それがなぜ人が妖よりも優れている部分であるという結論に至るのか。

 受け入れられずに困惑していると天音さまは笑いながら「信仰心ともいえるのぉ」とのんびりと続けた。


「信仰心……宗明さんや宗春さんの力の元になっている部分」


 それならと納得して頷くと天音さまの背中を優しく覆っていた髪が流れたのが見えて麗しの顔がこちらへと向けられたことに気づく。


「多くの妖は存在自体があやふやで、きちんとした枠組みが無ければ簡単に我を失う。人々の恐れが時に妖を確たるものとし、人の飽くなき想像力が新たな妖を生み出すと同時に忘れられ消えゆく妖もいる。全ては人の信じる心によって決まるのじゃ」

「あんなに、リアルなのに……?」


 襲ってきた猿の妖がふるう腕の剛力さ、怒りで体を膨らませガラスに体当たりを繰り返した執念深い感情も――人の心ひとつなのだと聞かされても信じられるわけがない。


 彼らに対抗できるのが宗明さんや宗春さんのように信念のもと修行し、信仰心から扱える法力であるというのは理解できるけど。


「己が心許ないからこそ荒ぶるのかもしれんし、弱い者である人が己を脅かす者であるという本能がその力の矛先を人へと向かわせるのかもの」


 不安だから。

 怖いから。


 人を襲う。


 その行為を許せないけど、その心理の動きは消えたくない――死にたくない――と思う気持ちが根底にあるのなら理解はできた。


「まあ、お主が妖と対峙した際に「お前など知らぬ。消えてしまえ」と念じた所で効果はないから実行はしてくれるなよ?ただひとりの思いでどうこうできるわけではなく、この世界中の全ての人の中から妖の名や存在を忘れさせねば意味が無いのだから」


 世界中とはなんと壮大なこと。


「それって不可能ですが」

「だな。だがそうして消えていった名の通っておらぬ妖も数多いる」


 確かに日本で生まれた少数派の妖の存在を外国の人たちが知る機会なんてほとんどないし、現代を生きる私たちだって全ての妖の名前を知っているわけじゃない。


 そうやってひっそりと消えていった妖の中に無害なものも危険なものもいただろう。


 ちょっと切ない。


「信じるということは口で言うには容易いが簡単なことではない。真の心で紡がれた言葉には力が宿り、実行されるべく働きかける力はそれはもう恐るべきものじゃ」


 妙に力を入れて「それはもう」と言う天音さまの顔には少しだけ辟易しているという様子が見えた。


 千秋寺の奥ノ院に祀られている仏さまとして色んな人に「信じているからどうかお願いします」と熱心に頼まれてきたのだろう。


 その苦労を声音にほんの少しだけ滲ませて、でもその瞳には慈愛に満ちた穏やかな色を乗せて。


「ただこの寺は特殊だからの。普通の寺の様に万人が訪れるわけでもない。頼まれごとも余所に比べれば少ない上に、拝んでくれる者も千秋寺(ゆかり)の者だけだから苦も無いが……」


 白い喉を晒して天音さまが天を仰ぐ。

 つられて視線を上げると色を付けた木々の隙間から青い空が見えた。


「昔は人々に慕われて賑わっていた神の社が、時の流れの中で見向きもされなくなり荒れ果て信仰を失った神は憐れなもの」


 天音さまが無意識になのだろう。

 右手を上げて胸元をぎゅっと握りしめる。


 寄せられた眉の間には皺が寄り、美しい顔には悲しみと――やはり恐れがない交ぜになっていた。


「その土地を愛し、守り、実りを与えることで神としての己に誇りや意義を見出していた彼らは人からの信仰心を得られなくなると身の内で魔性が神性を喰い尽くして道を誤るか、弱り切って消えてしまうものが大半じゃ」


 神さまもまた神性と魔性を持ち合わせているからこその危うさなのかもしれない。


 農耕民族として生きてきた昔は生活に密着した氏神さまを大切に信仰してきた頃はきっとお互いに幸せで持ちつ持たれつの良い関係だったのだろう。

 でも少しずつ近代的な生活が入ってきてそういう習慣は簡素化され、都会へと人が流出していく中でたくさんあった神社は少しずつ寂れて。


 日本各地で知らない間にその数を減らしているのだとしたら。


「人は神をも殺すことができる」


 容易くな。


「紬。信じる心を失うな。お主の願いは我々妖の希望でもある」


 そう言われるとちょっと責任重大すぎてひえっとなるけど。

 でも。


「はい」

「だが遠慮はいらんぞ。危害を加えるような愚かな妖に対しては迷うてはならん。全ての人と分かりあえることができぬよう、妖もまた相容れぬ者は五万とおるでな」

「はい」

「紬にしかできぬこともある。だから恐れるでない。必ずや力を尽くして」


 お主を導こう。


 そう約束してくれた天音さまに対して心から「ありがとうございます」と返しながら、これを伝える為に呼んでくれたのだなと目の奥がじんわりと痺れた。


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