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最後の希望  作者: 加崎真奈里
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第1章 全ての始まり 第1話 『全てを変えた日』

「いつも以上に青空が綺麗だ。」

 っとつぶやきながら俺はいつものように窓の外を見ながら授業を受けていた。




 彼の名前は金堂輝鋩。高校三年、見た目は大人し過ぎてそれが逆に怖い。しかし心はとても優しく仲間思い。勉強も運動も出来て周りから慕われている。見た目は怖いが彼の良い所を説明するにはそれ相応の時間が必要だ。

 まぁ彼を説明するには時間が掛かり過ぎるからまたの機会にしょう。

 っということで時を戻そう。




 窓の外には掃除のおじさんが居た。俺はいつも掃除をしているおじさんをいつものように見ている。いや…、見ているはずだった。

 いつもの掃除のおじさんかと思って見ていたら、全くの別人だった。その人の動きは鈍く、明らかに普通の人間の歩き方ではなかった。俺はこの2つの特徴を何処かで見たことがある。俺は気になったので、先生に気付かれないように携帯で調べた。そしたら一発で出てきた。それは現実には絶対に存在しない…漫画の中でしか存在しないゾンビだった。

 ゾンビとわかった俺は、どうしたらいいか考えた。取り合えず、そのゾンビの様子を見る事にした。そしたら…、さっき1人…いや、1体しか居なかったのに2体に増えていた。俺はもしかしたらその他にもいるんじゃないかと思って周囲を見渡した。右に1体、左には3体いた。もしかしたらと思い俺は教室を飛び出し、廊下に行き、グラウンドを見た。グラウンドには10体もいた。俺はその時初めて気付いた。

 ここは…完全にゾンビに囲まれているということ…。

 その時最初にとれた行動は周りの友達に大声で叫ぶ事だった。

「皆、外を見ろ!」

 それしか出来なかったのだ。それに対して皆は…、

「何もないじゃん」

「輝鋩の嘘つき〜」

「嘘つき嘘つき〜」

 と言ってきた。

「嘘だ!」

 とクズどもめ…っと小声で言いつつ、慌てて外を見たらさっきまで居たはずのゾンビが居なかったのだ。

「マジかよ…」

 と俺は驚いた口調で言った。俺は夢でも見ていたのかと思った。

 そう思った数秒後、何処からか悲鳴が聞こえたきた。

「キャーーーーーー」

 皆慌てて廊下に出て声がした方向へ向かった。その時なぜか俺だけは行かなかった。

「キャーーーーーー」

 皆が向かっている途中、また悲鳴が聞こえた。

 悲鳴が聞こえたのは向かい側のA棟にある3年2組だった。俺が居る3年6組からは2組の教室は良く見える。すると誰かが襲っているのが見えた。

良く見たらさっき見たゾンビだった。その光景はクラス全員がその場に立ち止まってはっきりと見ていた。

「助けて…。」

 そう誰かが俺ら6組の方に向かって言っているように聞こえた。

 その数分後、止まっていた時間が動き出したかのように全員がパニックに陥った。俺はどうしたら良いのか分からなかった。

 でも、二つだけ思い付いたことがある。それは武器を手に取って助けに行くか…、それか助けずに自分だけ助かるか…。

 俺は今、目の前に起きている現実に恐ろしくなり自分だけ助かるという選択肢を選んだ。

 外に出た瞬間、俺は急に涙を流した。

 それはゾンビが怖かったのではない。あの場から逃げた自分の愚かしさが悔しかったのだ…。


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