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誠一郎のお話 焦
お話は新たな舞台へ。
ツキハはあの事件から口をきいてくれない。ふさぎ込んで誰とも話さない。
みんなでどうにか慰めようとするが、うまくいかない。上の空だ。
かなり傷ついているようだ。
そして、事件から二日たった後、ツキハは帰らなかった。
その次の日。
――オレは人を殺した。
オレは気が遠くなるようだった――。
親、弟を殺した時には感じなかったのに。
気持ちが重い――。
プルルルル……携帯電話が鳴る。
「もしもし」
「あのさぁ……」
立石からの電話だ。
「俺、今から死ぬ」
時間がすべてを解決してくれる。




