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王国兵士第4部隊隊長


「さっき去った場所になぜ戻らなくてはいけないんだ。」


ライアにジェイドへの手紙を頼まれ

私はまたラスターナ城へと入っていく。


ここでディズに会ったらどうしてくれる?


回れ右じゃすまないぞ?

転移魔法使って逃げますよ?


「自分で渡せばいいのに・・・。」


車椅子だから不便というのもあるだろう。

っていうか、わざわざ手紙で書かなくても夜に会えばいいのに。


セレシュなんてただめんどくさいという理由で!

じゃんけんに負けてしまった私も悪いのだがな・・・。


ホント今日はついていない!!!


「あれ?アルフさん?」


王国兵士が訓練している場所にくるとジェイドが気づき

私のもとへ駆け寄ってきた。


「はい、これ。ライアからの手紙。」

「え?手紙?何でだろう。

 わざわざありがとね。ライアも手紙なんて書かなくても直接言えば・・・。」


ジェイドはぶつぶつと文句を良いながら手紙をしまう。


ジェイドも流石攻略対象という感じの好青年だ。

攻略対象の中ではイケメン度が低いほうだが世間一般的にはとても良いほうだろう。


他の奴が桁はずれなのだ。

こういうのを人外とか言うんだろうか?


しかし人外はもう人ではないので

人に見えないほどのイケメンなどこの世にはいないと私は言い張りたい。


むしろ、それはただの化け物じゃないか?


そんなもんいるんだったらとっくに世間に知れ渡っているだろうし。


おっと、話が逸れてしまった。


ジェイドの髪は茶色で瞳も茶色。

筋肉が丁度良いぐらいにあって別にマッチョという感じではない。


でも見た目以上にはついているんだろうな、と思う。


「そういえば、ディズが探していたぞ?」


この人はディズのことを呼び捨てにできる数少ない人だ。


もちろんディズは愛想笑いではいるが心は許していると思う。

それに無表情になるときだってあるのだ。


それは紛れもなく仲の良い人にしか見せない表情である。


「会いたくないです、殺されます。」


そう答えるとハハッと彼は笑った。


「そうだな。あいつは何をするかわからん。

 でも、会ってやらないと更にひどいことになると思うぞ?」

「今はその時じゃないんです。

 もうちょっと時間を空けないと・・・。」


ジェイドも私と同じ目にあったことがあるんだろう。


人一倍、執着心の強い彼なら友達であるジェイドに何もしないわけが無い。

この苦労を知っている人間など3,4人くらいしかいないので

その人たちの気持ちは同じ目にあっているその人たちにしかわからないのだ。


だから話だけは聞いているライアもセルシュも慰めの言葉はかけてはくれるが

あまり効果はなかったりする。


そういうときはジェイドや同じ目にあったことのある人に話を聞いてもらい

共感を得ることが一番の慰めになる。


ジェイドと話していてもライアは何も言わない。


私やセルシュ以外ならば何か感情を出すかもしれないが

私達は他人の彼氏を取るなんて真似はしない。


むしろ、乙女ゲームの時に

『このジェイドってやつはダメかもしれない』

なんていう話を私とセルシュはしていたのだ。


ちなみに、ライアの一番のお気に入りだったのはジェイドである。


「ディズとはどうなんだ?」

「どうって?」

「お妃様も近いんじゃないか?って話だよ。」


私は、ジェイドを『うわっ』っという目で見る。


そうするとジェイドは『そんな目で見なくても』という顔をする。


「私、次期魔王ですよ?そんなんなる訳ないでしょうが。

 それにお妃候補ってもんがあるんですからお妃はそこから選べばいいんです。」


確かに、とジェイドは何か考え込む。

そしてジーッと私を見る。


「な、何ですか?」

「なんか、君って変な人だよね?」


ん?何でその結論にいたったの?

君の頭にはどういう回路がめぐってるの?


「だってさ、下心も何も無しでディズに付き合ってられるんだよ?

 俺が女だったら無理だね、無理。」


お前、仮にも友達だろ?

そこまで断言しちゃっていいんですか?


確かに私だって別に一緒にいたくているわけじゃない。

むしろ、嫌だと思う。


それでも何かね、離れられないんだ。


しょうがないと言ってしまえばしょうがなかったりもする。

だって、幼馴染ってそういうものじゃない?


あれ?違う?そうですか。


「だから、変な人だねって言ったの。」

「変な人かもしれないわね。でもまぁ、変な人でも良いのよ。

 私が今まで生きるうえでディズはきっとかけちゃいけない人だったわけだし。」


ジェイドは、コクンッと首をかしげる。


「どういうこと?」

「きっと、ジェイドには一生わからないと思うわ。」


だって私が一生かけて学んだことなんだから。

前世で学んだことを今ここで話したってわかるわけない・・・。


「良く分からないケド、まぁ変な人ってことで。」


ジェイドは、ハハッと笑って言った。

思った以上にお馬鹿なのかしら、この人。


「それじゃあ、私は行くわ。

 ディズに会う前にここから退散しなくては。」


そういって、私は退散しようとするとジェイドがヒッと顔をひきつらせる。


「誰から会う前に、退散するって?」


聞き覚えのある声が後ろから聞こえてくる。

そして、それと同時にかちゃりという音がして私の右腕に何かをされる。


後ろを振り向くとそこには嫌な笑みを浮かべたディズがいた。


「ひぃいいいいいいっ!」


私は自然とそう叫んでいた。

私はとっさに転移魔法をかけるが、発動しない。


「転移魔法なんて無駄だよ?

 この手錠は魔法を封じるんだ。」


じっと私の腕をみるとそこには手錠があった。


なんですと!?

なんという対魔王武器!((違う


「うぅうぅうぅっ!はずしてよっ!」


私は腕を振ってディズに訴える。


「可愛いペットには首輪が必要かなって思って。

 まぁ、残念ながら腕輪になっちゃったケド。」


ニヤッとディズは笑う。

なんか、その笑みは初めて見たぞ?


っていうか・・・




これ何の罰ゲームぅううううううううっ!?




ジェイドの言葉使いが安定しない・・・。


あと少しで登場人物出切るハズ、です。

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