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前世の記憶 1


ざぁああああああああ。


今日は朝から雨が降っていた。

とてもじめじめしていて、勉強なんてなんのやる気も起きなくて・・・。


机に伏せるとなんだか変なにおいがする。


学校の机って独特なにおいがする。

特に雨の日になると一段と臭くなるのだ。


どんなに真面目な人だってきっとわかるだろう。


このことは日本中の人のほとんどが理解してくれると思う。


だって、学校に通っていた人は多いだろうし

その中で一度も机に伏せたことがない人なんてそうそういないだろう。


「天野、寝るんじゃない。この問いの答えはわかるか?」

「わかりません。」


私、天野(あまの) 凛蝶(りんか)は現在、高校生2年生である。


勉強は大嫌いだがテストはそこそこに点数がとれる。

決して馬鹿ではない。


運動神経は正直言って良いほうだと思う。


運動会のリレーだって選手になれるし

クラスに早い人が集まっても補欠には確実になれるのだ。


体育の成績だって全然悪くない。

だからといって、別に抜群というわけではない。


正直、そんな万能な奴そうそういないだろう。


むしろそんなのは小説やマンガの中だけ。

それを現実にいるなんて思う人は相当頭がいってしまっているのか


よっぽど現実逃避がしたいのだろう。


「お前は、考えるというものを知らないのか。」


担任であり数学の教師である先生があきれたように言う。


やりたくないもんは、やりたくないんだ。


先生はまだ若く、高校生の気持ちをくみ取ってくれる良い人だが

やはり勉強をしないのには注意すべきだと考えているのだろう。


まぁ、それが当たり前なのだが反抗期という言葉を知っているだろうか?


どんだけ言ったって私の心には響きませんよーだ。


「あぁ、もういい。坂上、お前はわかるよな?」


その先生の言葉に私の隣の席の坂上がコクリ、とうなずき

その答えを簡単に口にする。


坂上(さかがみ) 章介(しょうすけ)


それがこいつの名前だ。

結構なイケメンで女子にはとても人気だ。


顔だけではなく性格も良いのだ。

話やすい上に優しい、と。


私は、あんまりそうは思わないのだが。


運動神経も頭もそこそこにいい。

でも、マンガみたいなチート人間みたいなのじゃない。


そこらへんにいる万能な人のうちの一人なだけだ。

たったそれだけ。


それだけなのに顔がついてきたからとてもモテているのだ。

顔とはとても凄い効力があるのだ、と実感する。


坂上はちらりとこちらを見た。

そして『アホ』と口パクをした。


とてつもなくイラっとする。

私はガッと坂上の綺麗な制服に足跡をつけてやった。


『ざまぁみろ』


パンパンと一生懸命にはたく坂上に笑いながらそう呟いてやる。


その直後に背後からゴンっと頭をたたかれた。


「痛っ!」


うぅっとうめきながら後ろを見るとそこには怖い顔を浮かべる先生がいた。


「いい加減にしなさい」






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「だって、先に坂上がアホって言ったんだよ?

 なのに何であたしだけが怒られなきゃなんないのよ。」


現在、下校途中。


私は、友人の『雨照(あまでら) 有紀(ゆうき)』と『扇宜(おうぎ) 瀬奈(せな)』に言う。


「あんたが悪い。」

「えぇっ!?」


瀬奈はあたしの味方をしてくれなかった。


「だって、あんたが問題に答えないからでしょ。」

「だって雨がじめじめしてて・・・。」

「そんなん、みんな一緒です。」


瀬奈はなんだか大人だ。

同じ歳だとは全く思えない。


「まぁ、どうせ夫婦喧嘩でしょ?

 いちいちあたし達反応してらんないしぃー。」


有紀よ、なんだ夫婦喧嘩とは。


付き合ってすらいないのだが。


「夫婦喧嘩じゃねぇよ。

 こいつと夫婦とかとてつもなく吐くわ。」


後ろから声が聞こえてくる。

その声の主は振り向かずともわかる。


「そりゃ、こっちの台詞だよ坂上!」


ニヤッと気持ちの悪い笑みを浮かべて彼は私のことを見る。


「お猿さんが何か喚いてる。」

「誰が猿じゃ!!!」


こんなのは毎度のことである。

でも、私はこの時間がとてつもなく好きだった。


こうやって馬鹿みたいに話している、この時間が好きだった。



ずっと、こうやって馬鹿やってるんだって思ってた。



本気で思ってたんだ。



とりあえず、登場人物が出切るまでを第一章とさせていただきます。


お気に入り登録が急激に伸びててびっくりしました!

すっごい嬉しいです!


ありがとうございます!!!

これからも読んでいただけると嬉しいです♪

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