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友人は同類です

私はラスターナ王国の郊外にある、とある家に寄る。


「二人とも、いる?」


その家の庭に入ってある二人を呼ぶ。

それは数少ない私の大事な友人である。


「凛蝶?」


天野(あまの) 凛蝶(りんか)


これが私の前世の名前である。

なぜ、それをこの少女達が知っているのか。


それは、彼女達が前世で私の友人だったからである。


ひょこりと庭の奥から出てきた少女は

ぎーぎーと車椅子を私の方へ動かしながら来る。


「凛蝶は、この世界での名前じゃないわよ。」


私の後ろから仁王立ちをしている少女が言う。


「あ、そうだった!ごめんごめん、アルフだったね。」

「別に良いのよ。でも、凛蝶って自分の名前って感じがしなくなっちゃったわ。」


呼ばれたときだって、一瞬自分のことだとわからなくなってしまった。


「っていうか、突然来られても何も用意してないんだケド。」


このクールな口調なのは、この家の主である

『セレシュ・ルナバーシ』である。


髪は藍色で一つに結んでおり瞳は黒である。

とても大人びた顔立ちをしていて可愛いという言葉は似合わず

美人というに相応しい顔をしている。


前世の名は『扇宜(おうぎ) 瀬奈(せな)

高校生からの付き合いで、私達3人の中では最長の75歳まで生きていた。


精神年齢は一番大きいが今は一番低い17歳である。


セレシュの両親は遠くへ仕事へ行っているので

17歳にしてこの家の主として過ごしているのである。


「アルフには私のお菓子を分けてあげるから大丈夫大丈夫ー。」


お気楽そうな感じの少女は、名門貴族令嬢である

『ライア・シェイバング』である。


髪はボブではちみつ色。瞳は赤色でちょっと怖いと思うことがある。

ほわほわっとした感じで可愛いという言葉がとても似合う顔立ちだ。


前世の名は『雨照(あまでら) 有紀(ゆうき)

彼女とは幼馴染だった。


彼女は小さい頃から体が弱く病死だった。

それは成人して少ししてからのことで、私はそれから1ヶ月立ち直れなかった。


この世界でも足が不自由で車椅子の生活である。

神様はとても不平等である。


この世界で私とセルシュをあわせてくれたのはライアである。


私と同い年の19歳だが精神年齢はもっと小さいような気がしてならない。


「あたしはあげないから。」

「はいはい、ほんとセルシュはケチンボさんだなぁ。」

「なっ!?」

「アルフー。今日は何かあった?」


このやりとりは毎回のことである。

セルシュがいつも言い返さないのは本当に大人だと思う。


「ヒロインに会った。」


そういうと二人は目を丸くした。


「会っちゃったの!?」

「あんなに警戒してたのに?」


二人もこの世界のことは知っている。

それは、前世でゲームをしていたからである。


しかし二人も私と同じく乙女ゲームが苦手なタイプの人間で

二周、三周なんてしなかった。


「だって、ディズが、怖いんだもん。」


あれに逆らったら死ぬもん。

こんな早くに死んでられっか!!!


「で、どうだったのぉ?その、ヒロインさんは。」


ライアは私に首をかしげながら聴く。


「うん、原作のこと、知ってた。」


セレシュがお茶を持ってきてコトリ、と庭のテーブルに置いた。


「転生した・・・ってこと?」

「私は、そう思う。」


はふはふとお茶を冷ましているライアが何かを考え込む。

そして、一口お茶を飲んだ後に口を開いた。


「ヒロインさんの標的って、誰なんだろうね?」

「ディズ、なんじゃないかな?」


だってお妃候補だし。


「うん、そうだと良いんだケド・・・。」


いや、私にとっては全く持ってよくないんだケドも。


「まぁ、あたしには全然関係ないし。あんたら大変ね。攻略者の彼氏持つなんて。」

「ディズは私の彼氏じゃないんだが・・・。」


あんなの彼氏なんていくら命あっても足りないって。

でも、ライアには本当に彼氏がいる。


それは、王国兵士第4部隊長の『ジェイド・リフティ』である。

ジェイドは 5歳上の24歳で若くして隊長を務めていて腕のたつ兵士である。


彼は数年前にライアのことを知って1年間、猛アタックの末に結ばれた。

この鈍感娘に自分の気持ちを知ってもらうのがどれだけ大変か。


長年見てきた私は痛いほど分かる。

そして私はそれまで一度も気づいてもらった人を見たことがなかった。


現在はバカップルというか、まぁラブラブで見ててむかつきますね。


「ジェイドが標的だったらどうするの?

 もし、それでヒロインさんに恋しちゃったら?」


セレシュがライアにそう問いかける。


「え、もちろん。

 ジェイドをぼこぼこにしてあげるんだぁー。」


そんな笑顔で言うことじゃありません!

しかも、そんな嬉しそうなトーンで言うことでもないから!


「私のこと一生大事にするとか誓っといて浮気なんてしたら

 どうなるかジェイドもわかってるから。まぁ、問題なんてないさー。」


車椅子、なめちゃいけません。

いざとなったらきっと、凶器になるんだよ、この車椅子。


「アルフはどうするの?ディズが惚れちゃったら。」


ディズが、コーネリアに、惚れたら?


「別に良いんじゃないの?私、結婚とかする気ないし?

 むしろ、恋愛すらする気ないから。」


その言葉を聞いて二人は悲しそうな顔をする。


「あのこと、まだ引きずってるの?」


ライアが私に問う。


「聞かなくてもわかるでしょ?

 引きずるなんて時限じゃないのよ、アレは。」


アレ。アレってなんだろう。

私には良く分からない。


きっと前世のことを指しているのだろう。


でも、全然思いだせなくて・・・。


ううん、違う。

思い出せないんじゃない。



思い出したくない、んだ。




アルフの妹の名前をリンカからエルミナに変えさせていただきました。


結構長めですかね?

もうちょっと少ないほうが読みやすいようなら

少なくするように頑張ります!

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