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突き落とされて持ち上げられる



「ここ・・・は・・・」


そうだ、私の部屋だ。

さっきの夢、いや前世から目を覚ます。


怖いくらいに、鮮明だった。


坂上・・・そうだ、彼が私の彼氏だった・・・。


まだ、高校生までの記憶しか戻っていない。

ライアとセルシュの言うアレとは何なのか・・・私にはまだわからない。


「姉さん、やっと起きたね。」


ルーザがニコリと笑って私を見る。


・・・ん?


「何で、あんたここにいるの?」


ここは、リビングではない。

私は間違ってもリビングで寝てしまうような人ではない。


そして、ここは私の部屋だ。


「姉さんがすっごく起きるの遅いから起こしにきたんだ。

 エルミナ姉さんがお昼ご飯作ったから。」


あぁ、そういうことね。

ルーザは良い子だから、悪さなんてしないと思うケド。


私とルーザはエルミナのいる食事部屋へと歩いている。


「ねぇ、姉さん?」

「んー?どうした可愛い我が弟よ。」


私は少し冗談をまじえながらルーザに言う。

ニヤッと笑うとルーザはニコリと愛らしく笑う。


「僕と姉さんって全然似てないよね。」

「は?」


ルーザはじりじりと迫ってきて私は壁とルーザにはさまれる。

私は両脇をルーザの両腕で囲まれ身動きがとれなくなる。


「兄弟愛って許されると思う?」


・・・何を言っているんだ?


私は、ひきつった笑いを浮かべる。


「ル、ルーザ?」


ルーザは真面目な顔から

いつもの愛らしい笑顔に戻る。


「嘘だよ。あはは、姉さんはからかいがいがあるね。」


そういって、私から離れる。


じょ、冗談も程ほどにしろよ、コノヤローっ!!!

可愛いルーザだからまだ許してあげるけど、けど


姉さんの心はボロボロ寸前だよ!!!


「姉さんのことは大好きだけど、そういう方面じゃないから安心して。」


(まぁ、アルフ姉もエル姉も誰にも渡す気なんてないんだけど)


ルーザがシスコンに育ってしまったことをアルフは知らない。

エルミナが気づいているのかどうかはわからないが。


持ち上げて突き落とすじゃなくて

突き落とされて持ち上げられた。


なんだ、こいつ。


「おはよう、姉様。

 今日のお昼はフレンチトーストにしてみました。」


エルミナが二パッと笑って私に言う。


フレンチトーストか。

お昼ご飯にはもってこいと言っていいメニューだな。


「アルフ姉さん、今日もラスターナ王国にいくの?」

「うーん、行くかもしれない。」


エルミナが、じっと私のことを見る。


「エ、エルミナ?どうしたの?」

「姉様、私も行きたいです!」


えぇ?どうしたの急に。


「ダメだよ、エルミナ姉さん。

 アルフ姉さんなんかと一緒に行ったらきっと大変だよ。」


なんかとはなんだ。

お前になんかと言われるほど落ちぶれちゃいないわ。


「でも、でも・・・私も・・・。」

「何しにいくの?」


ニコリと笑って聴くと、目が泳いだ。


「だって、だって。」

「まさか、エルミナに春が?」

「ち、違う、違う違う!!!」


そ、そんなに必死に否定しなくても・・・。

数週間前に一緒に城に行ってから何だか様子がおかしい。


今度、こっそり尾行でもしてやろうかと思っている((やめろ


「行きたいなら行きなさい。私は、行かん。」

「だって、私、転移魔法使えないし。」

「覚えなさい。」


うぇっとエルミナは泣き目になる。

すまん、可愛い妹の為なんだ。


変な男に引っかかっては困るんだ。



「アルフ姉さんだって、可愛いんだから王都はあぶないよ。」


なぜ、急に持ち上げたんだ?



不思議な弟だ。

そして、最近急におかしくなった妹。


これが、私の可愛い可愛い妹と弟だ。


もう少しルーザが大きくなったら

3人で出かけられたらいいな、なんて思う。



とりあえず、私は、用が無い限りラスターナ王国には

絶対に行かない。



だって、良いことないもん。



この連載が終わったら

次は妹のエルミナの話でも書きたいな。


今回は、兄弟のお話でした。


短めで申し訳ない。

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