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第42話:ファン平原の戦い(2)

 見渡す限り青々と続く草原である。近くには木一本すら無く、人の隠れる場所など無い。日はまだ昇り切ってもおらず、空は青々としている。その一見平和な風景の中に、殺伐とした殺気をみなぎらせた軍勢が展開し、青い草々を、夕陽を待たずに血で赤く染めんとしていた。


 王国軍、渡者達、両軍が対峙する。まだ大出力魔法の射程距離より遥か前である。弓の射程は300メートルほどだが、大出力魔法の射程は約500メートル。だがまだ両軍を隔てる距離は1キロほどあった。


 戦いの決め手は、大出力魔法を放つ魔法使いだ。敵軍の魔法使いをいかに倒すか。それが勝負を分ける。大出力魔法を放つには、全神経を魔力の集中に傾けなければならない。歩きながら、ましてや走りながらなど不可能であり、どうしても足が止まる。


 その魔法使いを倒す為、小集団の戦士や射手が大出力魔法を掻い潜りながら突進する。当然それを防ごうと、敵の戦士と射手が立ちはだかる。両軍お互いの大出力魔法の射程内で、戦士と射手が入り乱れ戦い、魔法使いは味方に当たらない様に、細心の注意を払いながら援護射撃をするのだ。そして魔法使いも隙をつき、大出力魔法を撃てる態勢を取りつつジリジリと前進する。


 戦いとは通常その様に行われる。だが、整然と陣形を組む国王軍に対し、渡者達はいまだ陣形を組んでいない。いやこれが奴らの陣形なのか? 王国軍を率いるシュリーマン将軍の胸中にその疑問が湧きあがっていたが、敵は目前にある。敵に背を向けての退却など自殺行為。もはや引く事は出来ないのだ。疑問を抱きつつも戦うしかない。


「前進せよ!」

 シュリーマンが命令を発し、それが全軍に伝わると、戦士は盾を構え、射手はその後ろで矢を番えながら、人の壁がゆっくりと前に進む。魔法使いも歩く事は可能な態度の魔力を溜めながら前進する。


 だがどこまで近づけば良いのか? 通常、敵の大出力魔法の射程ギリギリまで自軍の魔法使い部隊を進ませ、戦士と射手はその間で敵と戦うのだが、敵はその魔法使いと戦士、射手が混在しているのだ。


 戦士と射手が敵の大出力魔法の射程距離内に入った。

「敵! 魔法使い、杖が輝きだしました! 大出力魔法です!」


 その報告に、シュリーマンは決断を迫られた。戦士、射手を前進させず魔法使いと並列に置く事で、両軍の中央で乱戦とせず一方的に魔法攻撃を行う。敵の狙いは、これなのか?


 だとすれば笑止の限りだ。

「突撃せよ!」

 すぐさまシュリーマンは命令を発した。敵の手は、一見有効に見えるが、大出力魔法を撃つには時間がかかる。魔法の射程は500メートルだが、今から突撃を開始すれば、発射までにかなりの距離を詰められるのだ。そして敵が乱戦を回避し一方的な射撃を狙っているなら、射手による援護はともかく、戦士の壁は無い。


 初めの一発は仕方がない。敵にくれてやろう。だがその時には、我らの射手が敵の魔法使いを矢の射程内に捉えているはずだ。シュリーマンはここが勝負と、全戦士、射手を前進させた。魔法使いも小規模魔法を撃てる程度を守りながら、ゆっくりと前に進む。


 敵陣は、大出力魔法の光に隠れ、もはや細部は分からない。その光に向かって駆ける。しかし懸命に掛ける兵士達がある事に気付いた。光に近づいてはいる。その感覚はある。だが思ったよりは近づけてないのではないのか? このままでは、魔法を撃たれる前に、弓の射程に到達できない。


 兵士隊はさらに駆けた。だがやはり射程まで到達できない。急がな――。

「魔法です!!」

 士官が叫び、シュリーマンは愕然としていた。大出力魔法を構える魔法使いは足が止まるはず。にも関わらず、間違いなく、押し寄せる王国軍から光は遠ざかっていた。それが放たれた。


 数百の光が、青い草原を白く塗り替えた。次々と地面で炸裂し、断末魔の叫びをかき消し兵士を肉塊に変える。光が去った後には、あちこち地面をえぐられ無残な姿となった草原と、持ち主を失った盾、そして兵士達の身体の一部が散乱していた。この一撃だけで、王国軍の前衛はその1割を失ったのだ。乱戦とならず一方的に撃たれてはどうにもならない。


 だが、その代償として敵の魔法使い部隊に肉薄し、これを叩き、その後は逆にこちらの魔法使い部隊の独壇場。そのはずだった。しかし魔法を放った後、姿を現した渡者の魔法使い部隊の姿にシュリーマンは愕然した。


 いや、これは魔法使い部隊とは言えぬ。児戯。子供の遊び。その様に見えた。やはり渡者達は隊列を組んではいなかった。体勢を組んでいた。1人の戦士が盾を構え、その後ろに射手。だがその後ろにまだいる。よく見ると戦士が持つ盾は、攻城戦時に持つものよりは小さいものの、通常の野戦用よりはかなり大きい。その陰に隠れさらにもう1人戦士がおり、なんと魔法使いを背負っていたのだ。


 これがフィクスが今回の野戦用に考案した作戦だった。渡者達は普段「衆」で動く。それを祭りの時には職業軍人の真似をし、戦士、射手、魔法使いと分かれそれぞれ隊列を組むのだが、フィクスは衆をそのまま行動単位としたのだ。


 通常衆は、戦士1、射手1、魔法使い1、時に戦士が2名の時もあり、僧侶が加わる事もある。戦士が魔法使いを背負い、射手は弓を背負って盾を持つ。戦士が2名なら、射手は矢を構えもう1人の戦士に盾を持たせるのだ。僧侶は、戦闘後の治療の為に下げている。


 一方的に撃たれるという代償を払ったにも関わらず、王国軍は敵に接近出来ずにいた。だが第2射までにはと、勇気を振り絞り職業軍人達は再度駆ける。


 渡者達はさらに後退しつつ、戦士に背負われた魔法使いが魔力を溜め始めた。光り輝く逃げる目標に向かって王国軍が追いすがる。だが、やっと後300メートル。そこまで近づいた時、敵から矢が降り注がれた。兵士達は盾をかざし防ぐが、突撃の速度は鈍くなる。王国軍の射手も走りながらでは、反撃もままならない。


 だがそれでも放った矢が渡者達を襲う。しかしそれはほとんどが戦士が持つ盾に防がれた。敵の攻撃を防ぐ盾、近寄る敵を狙う射手、大出力魔法を放つ魔法使いに、それを背負う戦士。フィクスは意図しなかったが、勇雄の意識を持つアルシオがこれを目にすれば、こう言ったかも知れない。戦車の様だ、と。


 そして渡者達に接近出来ぬまま、渡者達から大出力魔法が再度放たれた。またもや草原を白く塗りつぶし、兵士達の盾と命をまき散らす。懸命に駆けていた為隊列は乱れ、逆に狙いは定まらず一撃目よりは被害は少ないが、なんの慰めにもならない。


 兵士達に動揺が走った。いくら追いかけても無駄ではないのか。死にに行くだけではないのか。シュリーマンも決断に迫れた。引くべきか。追撃を続行すべきか。だが渡者達の魔法使いの杖は、今この時も再度光を増していく。長々と考える時間は無い。


 現在、シュリーマンの軍勢は、前衛が懸命に駆けた為、小規模魔法を撃つ態勢のままゆっくりと進む魔法使い部隊とは、距離を隔てている。前衛を進ませてもじり貧なら、一刻も早く合流させて体勢を立て直すしかない。


 前衛の後退に敵は追撃するだろうが、その時こそ今度はこちらが待ち構え、大出力魔法の一斉射撃を行うのだ。そして敵が怯んだところを退却し、計画を練り直さなければならない。それは数に劣る渡者に野戦で負けるという事であり、名将と名高いシュリーマンにとって屈辱であったが、我が身の名誉の為、兵士達の命を失う事は出来ないのだ。


「全力で後退せよ!」

「全力で前進せよ!」

 前衛と後衛たる魔法使い部隊。それぞれに相反する指令が伝えられた。魔法使い達は小規模魔法の魔力すら溜めず、全力で駆ける。ある程度まで前進したら、そこで再度足を止め改めて大出力魔法の準備を行うのだ。


 王国軍のその様を、小高い丘からフィクスが見下ろしていた。

「愚かな……」

 そう呟いた。彼は策は授けたが指揮を執ってはいなかった。必勝の策は与えてやったのだ。これで負けるなら、指揮する者がよっぽど間抜けなのだろう。そう思い高みの見物をしていた。いや、彼には1つだけ、役目があった。手を上げる事である。


 戦いつつ、フィクスがいる丘に注意を払っていた数組の衆の戦車が、右手を高々と上げるフィクスの姿を認めた。そして何を思ったのか、魔法使いが遠くの敵を狙わず、数十メートル先の地面に大出力魔法を放った。その振動に地面が揺れる。


 王国軍の魔法使い達は、杖を片手に懸命に駆けていた。彼らなりに身体を鍛えてはいるが、やはり戦士、射手には敵わない。息が乱れ魔法の集中にも支障が出る。予定地点に到着しても、一息付かなければ大出力魔法を放つ魔力を溜めるのは難しい。だが、そうは言ってはいられない。前衛の兵士達は今、全滅の危機に瀕しているのだ。


 突如、地面が盛り上がった。四角く、まるで地面に扉があったかのように、魔法使い部隊を取り囲み無数に開かれた。その地面の扉からまず放たれたのは異臭。次に怒声。


「かかれ!!」

「うおぉぉぉ!!」

 地面から躍り出た、渡者の戦士、射手。それが魔法を撃つ事も出来ぬ無力な魔法使いを襲った。地面に掘った狭い穴。それに盾をかぶせ草を盛り隠した。その横になる事すらままならぬ小さい穴に、丸一日近く、眠らず、糞尿すら垂れ流し、埋まっていた。


 一方的な虐殺となった。全力で駆け息を乱し、奇襲に精神を乱している魔法使い達は、反撃の魔法すら撃てない。時折それでも懸命に魔法を放つ者もいたが、その威力は弱く、戦士の鎧を僅かに焦がし、嘲笑を浴びつつ頭をかち割られた。



「魔法使い部隊を救援せよ!」

 シュリーマンの怒声が飛んだ。本陣は前衛と魔法使い部隊の中間地点に位置している。士官達は、この状況に、もはや名将シュリーマンすら精神の均衡を崩したのかと、絶望を感じた。前衛は元より本陣も既に後方に駆けている。言われるまでもなく、魔法使い部隊へと向かっているのだ。


 だが、シュリーマンには別の計算がある。自軍の魔法使いを襲う敵との乱戦に持ち込めば、敵魔法使いからの一方的な射撃を封じられるのだ。


 王国軍の前衛は、大出力魔法の攻撃を受け、数を減らしながらも懸命に走っている。後少し、やっと味方と合流できる。


 そして、再度、フィクスの右手が上がったのだ。


 突如、壁が立ち塞がった。石の壁ではない。光の壁だ。それが前衛の行く手を阻んだ。地面から天高くまっすぐに伸びていた。それが徐々に裾が広がる。地面から光る何かがせり上がってくる。渡者の戦士、射手が持つ盾に、神輿の様に担がれた魔法使いが大出力魔法を構えていた。


 大出力魔法の一斉射撃。球体ではなく、光が、帯の様に横一線に前衛を襲う。だが射角が高い。伏せればやり過ごせる。王国軍の戦士、射手は身を投げ出し地面に伏せた。敵は愚かにも一斉射撃を無駄にした。魔法が通り過ぎた後、すぐさま起き上がり突撃を行えば、敵に肉薄できるはずだ。


「後ろからも来ます!」

 1人の兵士が叫んだ。だがこれも高い、伏せる前衛には当たらな――。


 その当たる者がないはずの虚空で魔法が弾けた。四散した高出力の魔力が、伏せる兵士の身体を切り刻む。分散した為即死させるだけの威力は無いが、それだけに死に切れぬ兵士が地面をのた打ち回り、悲鳴を響かせる。


 前後、王国軍前衛を囲む渡者の魔法使いが放った大出力魔法が、前衛の隊列のただ中で衝突したのだ。大出力魔法といえど、その光球から外れれば被害は無い。だが、衝突し弾ける魔力は、広範囲に渡って兵士達を飲み込んだ。被害を少なくする為の、10人一組の隊列も意味を成さない。


 王国軍の魔法使い達は、すでに全滅している。魔法を撃てなければまったく戦力にならぬ者達なのだ、皆殺しにするには数分あれば事足りた。


 それでも、生き延びた王国軍前衛が突撃を再開する。


 だが、埋まっていた魔法使いは一斉射撃の後、戦士に背負われ逃げて行く。背負った戦士が、穴に埋まっている間に魔法使いが漏らした糞尿の匂いに顔をしかめながら、死に絶えた王国軍魔法使いを踏みつぶし逃げる。



「将軍。御指示を!!」

 士官が叫んだ。魔法使い部隊は消滅し、前後を、移動する大出力魔法の砲台に挟まれた前衛も、死に絶えるのは時間の問題。本陣は辛うじて残っていた。敵の攻撃が前衛に集中していた為、それと若干離れた位置にあった本陣への射撃は薄かったのだ。


 こんな渡者等に、糞尿を身体中にこびり付かせけがれた奴らに、討たれるなど、騎士としての誇りが許さない。王国の名だたる勇者、剣士を揃えた本陣の騎士達は、彼らが戴く名将シュリーマンの指揮を待つ。だがその名将は茫然自失となっていた。有能であるだけに、もはや勝ち目がない事を悟ったのだ。


 待てど、何の指示もなく討ち減らされていく。もはや待つだけ無駄と、騎士達は個々に敵勢に突撃を開始した。馬の脚ならば、と、逃げる敵魔法使いに追いすがる。


「我こそは! オリヴェルト王国騎士隊エフセイ!」

 叫び、敵に一矢報い名を残そうと、馬上剣を抜き放ち、渡者達の隊列に斬り込んだ。


「阿呆が!」

 斬りかかられた渡者が、巨大な盾の陰に隠れた。馬上振う剣で頑強な盾は両断出来ない。さらに盾に隠れた複数の渡者達に取り囲まれ動きを封じられた。渡者の腕が伸び、馬の轡を握られる。


 気を取られた隙に、剣を持つ手も握られ、その剣も奪われた。そのまま地面に引きずり降ろされる。

「良い馬じゃねえか」

 もみくちゃにされ、隙間からかすかに見えるその先で、早速1人の渡者が自分の愛馬に跨っていた。

「おい。早く変われよ」

 と、別の男が傍で声を掛けている。


 その間にも、騎士の身体から小手が外され兜を取られた。

「汚すなよ。値が下がっちまうからよ」

 男達の手が伸び、次々と鎧が剥がされた。だが剥がされるのは鎧だけではない。彼の誇りも剥がされていく。オリヴェルト王国騎士隊。彼らの名誉を掛けた最後の突撃も、この下賤の者達にとっては、御馳走が自ら飛び込んで来ただけの事なのだ。


 殺してしまっては、鎧に傷が付き血で汚れると、生かされたまま肌着すらも毟られた。

「騎士様ってな、こんな上等な布で、金玉くるんでんのかよ」

 全裸でうずくまり、屈辱に地面を掻きむしる騎士の耳に嘲笑が聞こえる。その肩を、渡者の戦士が叩いた。


「なんだ兄ちゃん。泣いてんのかい。まあ、生きてりゃ色々あらぁな」

 嗚咽し、顔半分を涙で濡らした騎士が顔を上げると、まるで彼を元気づけるかのように、人好きのする笑みを浮かべる男の顔があった。騎士はさらに嗚咽を深くし、地面を抱いた。


 そこかしこで、同じ様にすべて毟られた騎士達が居た。中にはそれでも抵抗し、殺された者も居るが、多くの者が戦意を喪失し、渡者達のされるがままとなっている。


 年若い見習い騎士の、金髪の少年が全裸で立たされていた。首には縄が掛けられ、その先を女渡者が握っている。少年は、少女の様に長い睫毛に涙を浮かべ、それを女渡者が宥めていた。

「大丈夫だよ。怖くないからさ。ちょっと楽しませてくれりゃ、悪いようにしないよ。ね?」

 本来なら、自分など歯牙にもかけられないだろう騎士の、しかも美貌の少年を籠絡しようと、女渡者は必死になっている。だが、やはり見習いとはいえ騎士の誇りが許さないのか、未知への恐怖の為なのか、少年はなかなか首を縦に振らない。生来気の短い女渡者も苛立ってくる。


「いい加減にしな! あんたみたいなのを好きな男だって居るんだよ! 私より、男の方が良いって言うのかい! それとも、ここでおっ死にたいの!!」

 その怒声に、少年は文字通り身を縮ませ、涙を流しながら遂に頷いた。とたん、怒声を上げた女渡者は顔に喜色を浮かべ、少年を抱きしめた。

「大事にしてあげるからね!」

 と少年の紅色の唇に、噛みつくように自分の唇を重ねた。周りから、今まさに熱い口付を交わした新郎新婦を茶化す歓声が上がる。


 その光景を、丘から下りてきたフィクスが眺めていた。低俗な奴らだと、獲物に群がる渡者達を内心嘲笑する。だが、渡者の大半はこの低俗な奴らなのだ。この者どもを上手く操らねばならない。


 既に敵将シュリーマンも大出力魔法の塵と消えている。勇名轟かせていたシュリーマンに圧勝した自分の名は、大陸全土に知れ渡るだろう。しかも率いた軍勢は、同数では職業軍人には勝てぬと言われる渡者達なのだ。だが、同じ渡者でも、自分の直属の部下には知性ある者が相応しい。


 自分の片腕にも相応しいと思える者が居た。フィクスの脳裏に1人の女の顔が浮かぶ。女としてみれば二目と視線を合わせたくないほどの、銀髪の醜女しこめ。だが、その女にいっぱい食わされた。このフィクスあろう者がだ。


 報告では、数本の松明を付け偽兵ぎへいを装うはずが、愚かにも用意した松明すべてに火を付け辺りを煌々と照らし、軍勢が居ないと知った敵がそこを突破して逃げた。そうなっている。だが、それ以前の彼女の言動と比べ、お粗末過ぎる失敗だ。城に残った女子供をワザと逃がした。そうフィクスは看破していた。


 勿論、尋常な勝負で後れを取るとは思えない。あれは、同じ渡者の中に裏切る者が居る訳がないという、その裏をかかれたのだ。


 一度だけと裏切りは許し、改めて仲間に誘うか、それとも、邪魔になると消すか。フィクスはしばらく思案していた。

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