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不良と私  作者: 秋元愛羅
本編
71/72

不良と私とハッピーエンド(1)




「さて、そこの話し合いもすんだことみたいだからさっさと話しちゃうわね」


サンドバックと言う名の罰を受け終わった後、部屋にやってきたのは俺の被害を2倍に増大させた張本人だった。


「さっさと話すって何を?」


「澪あんた根本的なことを忘れてるわね。


こいつの立場が危ういということ」


「忘れてはない。交渉して長引かせている間に遠縁の人に頼もうかと思ってたの」


「それじゃあまた袋小路になるだけよ。


一番良い方法を知っているから教えに来たの。


もちろんあんたたちが話し合っている中それを源次郎さんたちに話に行って許可を取ってきたわ」


「そんなのあったかしら?」


考え込む澪を見て驚いた。てっきり分かっているもんだと思ったから。





「もともと7親等なんて作った理由は権力を独り占めさせないため。


ならそんなもの放棄してしまえばいい」


「「は?」」


「だから庄吾がこの家の会議参加権および野澤財閥に関わらないことを約束させればいいのよ」


「そんなこと・・・あ」


「そう、裕子さんがそうだったの。


あの人はちょうど7等親。


でも関わらないことを約束させてごり押しに近い形で無理に関係を作った。


ま、実際は野澤の方が欲しかったのだけどね」


「ごめん、話が見えない・・・」


そうか・・・って一人で納得されても困ります。


裕子さん誰?


家族会議権って何?






「意気地なしは最初っから説明するわね。


まず私がここにいるのは私のほうの前例を成立させるため。


私の父は3回結婚しているの。


その最初の妻となる人とは政略結婚だったのだけれど血縁がちょうど7等親だった。


でもその人は体が弱くほとんど家にいることが多い人だったの。


だから彼女が家族会議、いわゆる親戚一同が集まってどう会社を動かしていくかという会議やヤマトウ株式会社に関わることをしないということを約束する代わりに婚姻を結ぶという提案を出してきたの」


ちゃっかりヘビーなことを俺のほうにむいて話す遥さん。


澪となんとなく似ているって思ったのはもしかしたらときどき澪から感じる寂寥感かもしれない。


「つまり会社全般に関することは関われないと言うこと?」


「もちろん意見も言えないし会社がどんな状況でいるかも聞けないの。


言い換えればもしこれが成立したら最初に会社の状況が聞けるのは倒産して今後どうするかということになるわね」


関わらなければいいのなら楽じゃないか?


正直会社の運営のことなんて分からないしどういう形であれ血はつながってないのだから。


「言っとくけれど野澤財閥の傘下で働いたら違反となるから」


「・・・入れる会社ってあるかなぁ」


「正直澪と結婚する時点で返されるわよ。


ついでに話すの忘れてたけれどあんたにはもう一点追加されたから」


「な、なんですか」


「能力かつ自立できる職業であること。


まぁ、澪がいなくてもお金に関して心配が無い職につけって言うことね。


分かりやすく言えば公務員とか医者、弁護士とか・・・


資格を取って働く職業って事なのかしら?」


資格のいる職業っていっぱいありますけれど・・・


よくよく考えたら多分自立できる職業って何かあったときすぐ俺に被害が及ばないようにだよね?


やっぱり優しい人たちだ。





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