見合い(5)
やっと見つけた。
私を私として見てくれる人。
私を野澤の人間ではなく一人の女として見てくれる人。
数分後・・・・・・・・・
「あ~~~~~笑えた。完全に爆笑モンなんだけど」
「爆笑する場面があるなら言ってくれ。お前完全に壊れてるぞ」
「酷いな。嬉しかったのに」
「どこの部分が」
「愛想笑いを見抜いたところ。
『どんなときも本心を見せるな』って私の家の家訓?みたいなもので、いつも愛想笑いしてたからこれでも私自信があったんだよ。
だから嬉しかった。
私を見てくれてるみたいで」
「あっそ」
「でも二人目なんだけどね」
「二人目かい」
「うん」
見た目は完璧“THE 不良”なのに意外に絡みやすい。
うん、第二の悠理だ。
「で、お前は何のために俺と婚約するんだ?」
突然の真面目な話。
でも、彼自身は嫌そうだ。
「さぁ、知らない。こっちもメリットないのに」
「・・・・・・知らない?
そんなはずないだろ。いらない俺とまで結婚するんだから何かあるはずだろ」
「ないよ。野澤財閥はそう簡単につぶれるような会社じゃないし、今のところ不況の景況もないし」
まぁ、本当に不況がでたらつぶれる可能性大だけど。
「ならなんで」
「多分、ごみ処理」
「は??」
意味分かんない顔をしてるけど、多分そうだと思う。
でも、彼に言う必要はない。
彼は関係ない存在だから。
それから沈黙が続いてあることに気づいた。
もうすぐ帰らないと。門限に引っかかる。
「私、帰らないと。
えっと、よろしく、ショウゴ君」
「あ、ああ」
私はなにか言いたそうな彼を残して学園へ戻った。