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不良と私  作者: 秋元愛羅
本編
39/72

不良と夏祭り(1)





あいつが来て約2ヶ月。


何も無かった。そう、あの植えつけられた芽が本当は無いじゃないかって言うぐらい。


本当に何も無かったかのように時は進んでいた。


外では雁字搦めになるように仕掛けられているとも知らず。






「庄吾、早くして」


「澪、そんなに急いだっていいことねぇぞ」


「いいの」


俺たちは今この地域で一番早く開催される夏祭りに来ている。


門限上許されるのは高校生から。


小学生の楽しみは夏祭りの話を聞くだけという悲しいもの。


俺は結構行ったけどな。


だから澪にとっては初めての夏祭りだ。






朝からハイテンションだった澪。


数着あった浴衣を楽しそうに選んでいたのは微笑ましかった。


『あ、庄吾はこれね』


ポンッと布団の上にほかられた落ち着いた浴衣を見せられたときは驚いたが。


それから夕方になるとまず俺の着付けをしてくれて、それから意気揚々と1時間ほど部屋に籠もり支度をしていた。


その間に悠理たちに『デートですね』と口をそろえてからかわれていた。


それから部屋からようやく出てきた澪に少々見惚れて


『え、もしかして似合わない?』


なんか思い違いの言葉を発してくれて今に至る。





「おいしい」


出来立てのたこ焼きを口に入れ嬉しそうに言葉を発す。


こういうところは俺たちの生活と変わらないような気がする。


あの学校の生活は普通の寮制学校と変わらない。


初等部、中等部は給食のおばちゃんがいるが高等部はほとんど弁当だ。


もちろん自分で作っている。


話によると就職や一人暮らしする子には生活の基盤を作るためと将来自立しなければならない生活が来たときに対応するためだそうだ。


この学校って金持ち学校とか言われながら豪華な生活はさせてないんだよな。


代わりに孤児院や貧乏でお金が無いけれど大学へ進学したいと言う受験生たちにお金を使ってる。


澪曰く『徒然草の相模さがみかみ時頼の母はだよ!!』


為政者は倹約が大事であると言うことが書いてある段らしい。BY麻由子解説


お願いだから物語を使うのはやめてくれ。話が通じん。





「庄吾、庄吾」


「へ、あ、悪ぃ。ボーっとしてた」


「人酔いでもした?」


「いや、ほんとにボーっとしてだけ。澪こそどうかしたか?」


「たこ焼き食べるかなぁって。奢ってもらったし」


「ああ。じゃあひとつ」


俺がそういうと澪はたこ焼きに刺さっていた爪楊枝をたこ焼きを刺したまま俺に差し出した。


うん、もしかしてこれは『あーん』ですか?


「・・・・え、猫舌?」


いえいえ確かに俺は猫舌だけれどそういう意味ではなくてね。


別にそんなに必死にふーふーしなくても大丈夫ですよ澪さん。


だから別に爪楊枝を渡すだけで・・・・・・・・・


「庄吾、あーん?」


完全に澪の可愛さに負けてしまった俺は従うのだった。





30秒後実は間接キスしていたことに気づいた俺はそのとき飲んでいたジュースでむせた事はあいつらに秘密だ。





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