表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不良と私  作者: 秋元愛羅
本編
38/72

私と不良の気持ち



おかしい、何かがおかしい。


最近そう思うのだ。


彼の行動が。




「何だろうな」


「どうかしたんですか?」


「あのね悠理」


今現在空き教室にいる。


通称five部屋。


歴代、そして現在のfiveしか入ることが許されない部屋。


実際は何も無いんだけど。


この部屋はいつもは一人になりたいときや話し合いのときにしか使われない。


ただ今日は私もそして悠理も一人になりたかったみたいだ。


私の場合はこのもやもやした悩みが気になるだけで。


そして考えていてもしょうがないのでもやもやの原因の話をした。




「要するに庄ちゃんの弟さんが来てから庄ちゃんの行動がおかしいと」


「うん。なんかよそよそしいというかなんと言うか」


私を見る目が変わったんだ。


なんというか普通に接してたのにあの後から悲しむような目。


例えば・・・・・・・永遠に別れるわけではないけれど遠くに行ってしまうようなときに見る目。


「それしあの弟が帰ってから戻ってきたとき何か言おうとしてたんだよね。


最終的に言わなかったけれど」


絶対このことに関係する何かを言おうとしてたと思う。


これなら口に出させるようにしとけばよかった。


今からじゃ多分言わない気がする。





「先輩ってこんなに他人のことで悩むんですね」


悠理、それは失礼に値する言葉よ。


まぁ、否定はしないけれど。


だって面倒事嫌って起こさないようにしたり他人のことは気にしないようにしてたもの。


相談されれば乗ったけれど。


「庄ちゃんに聞いたら早いですよねって言いたいところですけど今回ばかりはそうとも行きませんしね」


「だよね」


庄吾は今まで一緒にいて変なところで意地というかプライドが高い。


しかもそのことに関するといつもは働かない頭がフル回転する。


このタイプはあまり好きではない。


私の場合は周りから徐々に攻めていくため前置きが少し長い。


でも庄吾の場合は悠理みたいにまっすぐ来る。しかも臨機応変という最悪な形で。


周りが固まっていないと私の積み上げてきたものが壊れて話し合いに負ける。


どうしよう。





「ただいま」


「おかえり」


桜が咲く前は言っても返ってこなかったのに今返事が返ってくるという何気ないことにちょっと安心を覚えている。


「今日は遅かったな。外でも出かけてたか?」


最近増えた同じような二言目。


なんで私が学校外に行くことを拒んでいるんだろう。


そしてその目。


私はここにいるのに。


どうしてそんな目をするの?


知りたい、知りたい。


庄吾が私に対して思っていること知りたい。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ