私と不良の家(3)
あの後泣いている私を見たメイドさんたちが二手に分かれて、私を心配して部屋でいろいろ(お茶とか)してくれて一緒に居てくれた人たちと庄吾を攻める人たちになった。
庄吾は何も悪くないんだけどなぁ。
ちょっと悪いことしたみたい。
「お加減はどうですか?」
トントン
軽くドアを叩かれた後入ってきたのは竹井さんだった。
「大丈夫です。みなさん心配しすぎですよ。
目にごみが入っただけなのに」
「いらして下さったお客様第一として働いてますので」
なんか変な言い草。
見ただけで分かる。
ここで働いている全員が庄吾第一と思ってる。
「竹井さんはここのナイトみたいですね」
笑って半分冗談で言ってみた。
「まぁ、そうですね。ここを守るの私の使命ですから。
澪様は澪様だけのナイトがいらっしゃいますか?」
まさかこんな風に返されるとは思ってなかった。
私はむしろあの場所では・・・・・・・・
「私がナイトなの。あの学園のたった5人しか居ないナイトのうちの一人。
あ、いや、姫が居るから4人か」
ふふっと笑って答えると答えが違うのか一瞬ゆがんだ表情を見せた。
「そうではなくてですね・・・・・・・」
差し当たりのない言葉を捜しているのか苦笑いを浮かべている。
もしかして私のナイトって彼氏のこと?
「それし私、全然モテないんですよ?
バレンタインも後輩たちからもらってますし」
そのことを言うと驚いた表情を見せた。
そういえば庄吾もそのことを言うと驚いてたっけ。
何で驚くのかなぁ。
私、結構容姿は平凡なのに。
トントン
控え目に叩かれた音で分かる。
庄吾だ。
「俺だけど入ってもいいか?」
「うん、いいよ」
キーッとゆっくりと扉が開き庄吾が中に入ってきた。
「あ、竹井居たのか」
「すぐに退出いたします。
澪様、お食事ができましたらお呼びいたします」
「ありがとうございます」
一礼すると出て行ってしまった。
「あ、のさ。落ち着いたか?」
「大丈夫。ここの人たち、いい人ばかりね。
偽った心配なんて見えなかったもの」
「まぁ澪のこと気に入ったみたいだしな」
「ほんと?!それなら嬉しいな」
お茶のおいしい淹れ方ほんの少し教えて貰ったけどすごく分かりやすかったし、まだお花の育て方聞いてないんだよね。
お婆様は温室でしか育てないから分からないし。
ここだと気楽に話せる人がいっぱい居るみたいだからたくさん話したいなぁ。
勝手にここの侵略(?)計画に花を咲かせている私だった。
「澪、自分の世界に行かないでくれ」