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見合い(2)
ススッ
私のお茶を啜る音が反響する。
ここにいるのは私一人。
あの人は会議があると言って出て行ってしまった。
分かりやすい嘘。
だからこの場には必然的に霧崎家の人間しかいないはずなのだが。
私の婚約者、キリザキショウゴが来ていない、らしい。
おかげで2時間ほど待たされている。
彼らの話によると私の婚約者は現在彼らが所有する別荘で住んでおり、そこから学校に通っているらしい。
それからそこは指定場所とされたホテルから遠いのでここに変わって貰ったことも。
その話から推測すると婚約者は大学生、しかも交通が不便な所。国公立大学だと思う。
まぁ、40超えたおっさんじゃないだけましか。
出来ればこのまま来なければわたし的にバンバンザイなんだが。
ガラッ
突然扉が開いた。
切り上げるのか?そう期待しつつ扉のほうを向いた。
そして目を疑った。
そこにいるのは・・・・・・・・・・・・完全に不良と呼ばれるであろう人物がいた。