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不良と私  作者: 秋元愛羅
本編
29/72

不良と澪の(祖父母の)家 (4)




えっと緊急事態です。


一刻も早くここから退出する方法を考え出したいです。


「ふん、若造にしてはこの庭のすばらしさが分かるのか」


「すばらしさというか・・・・・」


落ち着くから来ただけなんだけど。






澪の祖父、源次郎さんは涼んでいる俺を見つけそのまま去っていくのかと思いきやそのまま隣に座った。


で、現在どうやってここから離れるか模索中。


初めから俺はいい印象じゃなかったみたいだし何か言われると思うと怖い。


・・・・・・俺は何を言われることを怖がってるんだ?


家?俺?それとも・・・・・・






「お前さんとこも大変そうじゃな、霧崎庄吾よ」


「え?」


は、初めて名前呼ばれたよな。


「実の両親とは10歳のときから別居し、小、中ともに親代わりとしてきたのは使用人だったそうだな」


・・・・なんでそれを。


「詳しく見るとそれから両親に会ったのは澪と会う見合いの前以外ないとのこと」


「それがどうしたんですか」


自分でもびっくりするほど低い声が出た。


「庄吾よ、霧崎家の駒をやめる勇気はあるか」


は?この人は何を言った。


駒をやめる勇気はあるか?


普通、澪の婚約者やめろとか自分の家帰れとかだろ。


なんで・・・・・・・・・・





源次郎さんはゆっくりとこっちを向いた。


「境遇はお前さんと澪はよう似とる。


ただあの子の境遇はわしたちの判断の誤りからじゃ。


だからもう判断を誤ってならぬ」


「なら普通は」


「最後まで聞け若造。


だがお前さんの境遇を知ってお前さんだけは貶めようとは思わんのだ。


むしろ残り短い老いぼれ当主の最後の仕事として片付けたいとさえ思う。


じゃがここでお前さんに澪の婚約者を辞めてしまったのならば助けにくい。


ならどうするか」


「・・・・・・俺自身も行動をする、ですか?」


「もちろん澪も協力を依頼する。きっと力になるだろう」


「澪にも・・・・・ですか」


「あの子は野澤家の歴史の中で最も繁栄させることのできる経営者の技術を持っているからな」


ズキッとした。何故か。分かっていることなのに。


俺は・・・・・・澪や、あいつと違って落ちこぼれということなんて分かってるのに。









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