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死刑宣告
一通の手紙。
それは私の人生を変えた。
何十にも重ねたいつ見ても見苦しい着物。
私の後輩から『がんばってください』そう言われながらやってくれたメイク。
私には似合わない赤の口紅がそれを語る。
突然やってきた家からの手紙。
それは死刑宣告されたのも同じ。
“3月11日にて際脇ホテルにて見合いを行う。10時までに正装にて合流”
完全に業務連絡と化した手紙はありえない内容。
見合い?この歳に?
ありえない。いや、思わなかったわけではない。その可能性は頭の中にあった。
だが、この学校に在学中はそんなものは来ないと思っていた。
早く見積もって卒業後。遅くとも大学卒業と踏んでいたのに・・・・・・・・・・・
私は野澤澪。野澤グループの一人娘。
そして元次期後継者。
元の意味は・・・・・・・・・・・今はいっか。この話は厄介だから。
私は今日、婚約する。
会ったこともない人に。
これはホムペの作品の改正、連載にしたものです。もし、気が向きましたらそちらのほうもみてください。