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吸血鬼が憩える保健室  作者: 坂持


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炬燵に狂う超絶美人

 翌日の昼食は、作った和風応接スペース――長いから和室と呼ぼう。


 和室で昼食を食べる。


「イライラしてきたなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」

「なっちゃんどぉしたのぉ⁉」


 ここが保健室ということを忘れてしまっていた。


「すいません……。このちゃぶ台……炬燵にできないって考えたら……イライラしてきて……」

「炬燵好きすぎない……?」

「まさか学校で炬燵に入れるとは思わないじゃないですか! 無理だったけど‼」


 ちゃぶ台返しがしたくなってきた……やらないけど‼


 ご飯を口にかき込んで、怒りも一緒に飲み込む。


「なっちゃん……なにしてるのぉ」


 そして昼食を終え、ちゃぶ台の下に潜り込んでいると、不知火先生の少し引いた声が聞こえる。


「後付けで炬燵つけられないかな――と」

「諦めてなかったんだぁ」

「まだ炬燵が必要な時期じゃないですから……今のうちにやっておかないと」

「夏もまだ来てないよぉ!」

「――よっこらせ」


 確認の結果――つけられる場所が無い!


「ちくしょう!」


 力強くちゃぶ台を叩く。


 私の怒りを込めた一撃に軽くちゃぶ台が浮いてしまう。


「てかそもそも炬燵布団付けられないじゃん!」


 天板と脚が熱烈カップルのちゃぶ台に二回目の衝撃を与える。もうこうなったら新しく買うしかない。いや、待てよ……?


 これは元々部活から譲って貰った物だ。部活の物――つまり、部費で買った物だ。


「部活って作れるのかな……」

「急にどぉしたのぉ……?」


 とりあえず、先生に私の考えていたことを話す。


「――超絶美人な私にかかれば、部活なんてすぐ作れると思うんですよ」

「顧問はぁ?」

「そりゃあ不知火先生ですよ」

「だよねぇ……」


 ガックリと肩を落とす先生。無理強いはできないけど、先生が顧問になってくれるのならかなり助かる。


「難しかったら無理にお願いはしませんけど……?」

「うぅーん、それはいいんだけどぉ。部員はどぉするのぉ? 三人必要だとおもうんだけどぉ」

「それは……佳と先輩……?」

「目を逸らされて言われてもぉ……」


 私が誘える人はあの二人しかいない。先輩は入ってもらっても半年もせずに引退だろうけど、大事なのは炬燵を購入すること。炬燵の購入さえできれば、部活なんて一瞬で無くなってもいい。全ては炬燵のため。


 なんの部活をするのかはまだ決めていないけど、なにかいい感じの部活を思いつけばいいんだけどね……。


                 △


「なっちゃんどーしたのー?」


 授業に復帰して、授業中にも関わらず後ろを向く佳に私は一枚の紙を渡す。


「なぁにこれぇ……ぶかつどーしんせーしょ……?」


 佳に渡したのは部活動申請書という、新たに部活動を立ち上げるにあたって必要な書類だった。


 部活動の名前、目的、活動内容、顧問、部員を書く欄がある。超絶美人で天才的な頭脳を持つ、学年一位の私はもう既に完成間近の状態までこの用紙を書いている。後は部員の欄に佳と先輩が名前を書いてくれれば完成だ。


「ねーなっちゃん――」


 後ろを向いているから喋っているのはバレバレだろうに、一応声を潜めて佳は言った。


「しょーがつゆーぎ部ってなに……?」

「正月遊戯部のことだけど」

「うち……なっちゃんのことがわかんない……」

「えぇ……」


 見たら一発で分かる名前のはずなんだけどな、正月遊戯部。


 正月の遊戯、羽子板とか凧揚げとか、私がしたいのは福笑いとかすごろくとか、部屋でできる遊び、つまり‼ 炬燵に入りながらできるもの‼


 そう、全ては堂々と炬燵を部費で購入するため‼


 だから……佳‼


「えぇ……そんな期待して目でみられてもー……」


 そしてなんと、佳は授業中なのに前を向いたのだった。


                 △


 佳と同じ部活をすると、間違いなく私の身が持たない。だから活動場所は保健室――の和室。許可が下りるか分からないけど、そこは成績優秀超絶美人の私と永海先輩の二人で頼めばなんとかなると思う。


「――ってことで、先輩にも力を貸して欲しくて……」

「ん。いいよ」

「いいだぁ……」

「これで炬燵が……‼」


 炬燵があれば、今みたいにベッドじゃなくて炬燵に運んでもらえばいいんだ! やっぱり私は天才だ。


 先輩に名前を書いてもらって、残るは佳のみ。先生もなんだかんだで承諾してくれたしね。


 私は期待を込めて、最後方でなんか冷たい目を向けてくる佳を見る。


「むぅー……」

「佳、お願い」


 ほらほら、先輩も入ってくれることだし、佳も断る理由が無くなったよ!


 なんかこれを理由にするのは嫌だけど、炬燵のためだから仕方ない。お願い、佳……‼


「でもー……」

「なにか理由があるとか?」

「無いけどー……意味ふめーの部活だしー」

「正月遊戯の楽しさを教えてあげる必要があるみたいだね」

「なんか……なっちゃんの迫力が凄い……」

「そのために、まずは部活を作りたい」


 そうしないと、炬燵に入って正月遊戯をすることができない!


「分かったよぉ~」

「よっしゃあ‼ ――もう駄目だー、ちょっと休憩……」


 ちょっと休憩、夢中になってたけど、やっぱり佳はいるだけで陽が凄い。とりあえず、少し休んでから書類を提出しに行こう。

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