第1話
別のでわりと真面目に書いているので、その対極のつもりで書いた。
更新はすごく遅くなる予定。
ごめんなさい。
春を運ぶにはまだ少し冷たい風が僕の上を吹き抜けていった。
夕焼けの空に浮かんだ雲は、まるで今の僕の浮わついた気持ちを代弁しているかのようだった。
今の状況は、これまでの人生で最高なシチュエーション。
放課後。
屋上。
女の子。
下駄箱に入っていたこの手紙。
もう心臓がひっくり返りそうなくらい鼓動しているし、正直止まるんじゃないかと心配になるくらい働き続けている。
これが青春!
青い春と書いて青春!
意味なんて知らない。
でもなんかいいじゃない!
期待は膨らむ一方。僕は、いや、俺は(言い換えた意味はない)! 絶対にこのチャンスをモノにしたい次第であります!
だが…。
耳にした言葉は、僕の淡い期待など、一瞬で何処かへ消し飛ばしてしまうものだった。
「私は、あんたが、すごく気に食わないっ!!」
「へ?」
状況を理解しようにも、突拍子過ぎてスペックの低い僕の脳味噌はあっという間にフリーズしてしまったのだ。
「決闘しろ!」
「ど、どうして?!」
「問答無用!」
女の子が僕に向かって走ってくる。長い髪をフワリと揺らし彼女は跳んだ。
最初に見たのは白い布。次にそこから伸びた綺麗な足、そしてどこを踏んだのか分からない靴の裏。
最後に見たのはやっぱり白いぬ―――。
飛び蹴りを顔面に受けたことを知ったのは、飛んだ意識が戻ってからのことだった。