自分にも他人にも厳しい姫
やはりメンヘラの姫と付き合うのは大変だった。心が病みそうだった。
もっとサバサバした強い姫を探そうと僕は心に決めた。
そんな時、ストロング王国のタフ姫がサバサバしていて強い精神を持った姫との情報を入手した。そこで僕はストロング王国へ行くことにした。
タフ姫は剣をたしなんでいると聞いたので、手合わせをお願いした。
僕は剣に自信があった。僕の国では2番の実力を持っていた。もちろん1番は兄だった。
タフ姫の剣の腕は確かだった。しかし、僕の方が数段上だったので、あっさりとタフ姫に勝つことができた。そして、タフ姫は自分より強い僕に惚れた。僕も、美人でサバサバした性格の姫を気に行った。
ただタフ姫は努力家で負けず嫌いだった。
付き合うと同時に2人で山に修行に入った。僕に負けた事が相当悔しかったらしく、勝つまで修行を続けると言い出した。
運動不足だったし、剣の腕も鈍ったから丁度いいとその時の僕は思っていた。
しかし、山での修行は過酷だった。山を登ったり下りたりを繰り返し、筋トレと剣の練習。これが一日中続いた。
食事も自給自足だった。イノシシや鹿を捕まえたり、山菜やきのこをとってバーベキューをした。最初のうちはこれもこれで楽しいかなと思っていたが、毎日だとだんだん飽きてきた。
毎日続くトレーニングで筋肉痛もひどかった。僕はこの生活がいつまで続くのだろうと不安になっていた。
「タフ姫、たまには息抜きに山を下りて街に出てみないか?」
僕はタフ姫に尋ねた。
「1日さぼったら、取り戻すのに3日かかります。それはできません。」
直ぐに僕の提案は却下された。
こんな生活を1か月続けたが、僕はもうすっかり飽きていた。
試合をして僕が負ければタフ姫は満足して山を下りてくれるのではと僕は考えた。
「そろそろタフ姫のトレーニングの成果を見せてよ。僕と手合わせしないか。」
「いいわね。やりましょう。」
僕はできるだけ自然にタフ姫に負けた。
すると、姫は僕への興味をなくし、僕はあっさりと振られてしまった。
仕方なく、僕はこの国を去った。