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サクラコライン

作者: まくお

子どもの頃はオリンピックに出れると思っていた。しかしそれは無理らしい。

私、姫乃桜子は大学四年生だ。小学生の頃から続けている陸上短距離を辞める事にした。最後の大会は100mの全国大会だ。

参加標準記録を突破して地方大会で三位になったため、なんとか全国大会に出れるようになった。だが表彰台に登る事は多分無理だ。しかし自分ではそれを認めたくない…

今日はその思いで練習に取り組んでいる。

「桜子!もう一本いこう!」

「はい!」

私は丹生谷監督の指示でもう一本走った。正直体は疲れ切っているが必死で走った。

「よし!桜子!あとは流して終わりだよ!」

「はい!」

丹生谷監督がいたから私はこの大学を選んだ。四年間指導してもらって感謝している。ちなみに監督にも陸上辞める事は伝えてある。






練習が終わって家まで帰ってきた。もう外は真っ暗だ。

寝っ転がってスマホを見ていると丹生谷から電話がかかってきた。丹生谷といっても監督ではない。監督の息子の丹生谷翔也だ。コイツは大学で野球をやっている。プロ入りも噂される、すごい選手だ。私は電話に出る。

「ニブどうしたの?」

「桜子、母さんから聞いたんだが、陸上辞めるのか?」

「辞めるよ。私はニブと違ってプロになれる実力はないのよ」

「残念だ…しかし桜子が決めた事なら仕方ない…大会の日は応援に行くからな!」

「ニブも忙しいでしょ?別に来なくてもいいよ」

「いや…絶対行くよ!」

「そう…わかった頑張るね!」

私はそう言って電話を切った。

丹生谷翔也とは、高校の時に出会った。何度か告白されたが全部断った。友達には

「丹生谷くん将来有望なのにもったいない!」

と言われたが、私は陸上に専念したかったので断った。

断った事は今でも後悔してない。友人としては今でも付き合いがあるが、多分今告白されても断るだろう。





そして大会の日がきた。ここまで精一杯調整して調子を整えてきた。少しでも上位に入れるように頑張る…いや必ず上位に入ってやる!

そして私は予選と準決勝をなんとか突破して決勝まで残る事が出来た!

決勝の時がきた。私はふと観客席を見る。

そこに丹生谷翔也の姿があった。本当に応援に来てくれたんだ!

ついにレースが始まる。私はクラウチングスタートの姿勢を取る、スタートを告げるピストルが鳴った!

私はスタートダッシュに成功した。前には一人!これはいける!しかし中盤から一人、二人と抜かれていく…

そして私の後ろには誰もいなくなった…私は8位だった。

結果には不満だが、私の心はスッキリしていた。

レースが終わって観客席の近くに行った時ニブが、

「桜子!やり切ったんだな!結婚しよう!」

と声をかけてきた。私は

「うん!いいよ!」

と返した。ロッカールームに戻ってから

「あれ?私プロポーズされた?」

と気づいた。でもまあいいや。やり切った。もう悔いはない!

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