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夏祭りの夜に  作者: Eigen
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 放課後になってもまだ雨は降っていた。

 文芸部の部室で僕は小説を書いていた。部屋には僕しかいない。

 なんだかこうして過ごしているのがとても居心地がよかった。僕は文芸部に所属しているのが、とても自分に合っている気がした。

 しばらくして、早井先輩と小梨先輩が部屋に入ってきた。小梨先輩はこの高校の二年生の男子生徒で、とても読書家である。

「今日は佐々木しか来てないのか」

 小梨先輩はそう言って机に座った。

「どう? 文芸部には馴染めた?」

 早井先輩はペットボトルのジュースを飲みながら僕に言った。

「馴染めました。とても居心地がいいです」

「それはよかったな」

 小梨先輩はそう言って笑った。

 それからしばらく三人で小説を書いていた。吹奏楽部の演奏が響いている。今日は雨が降っているからグラウンドから声は聞こえない。

 結局その日は玲奈は部室に来なかった。何か用事があったのだろうか。

 外が暗くなる頃に僕は部室を後にした。

「じゃあ、また来週」

 早井先輩は僕にそう言った。

 僕は部室を出て、廊下を歩いた。窓の外の雨はもう止んでいた。

 下駄箱に着いた時、玲奈の姿があった。そして隣にはバスケットボールの服を着ている一人の男子生徒の姿があった。僕より背が高くて、顔はかっこよかった。

「あ、圭介」

 玲奈は僕に気づいた。

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