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夏祭りの夜に  作者: Eigen
8/10

8

 季節は春から夏へ移り変わろうとしていた。教室の窓の外には雨が降っている。

 休み時間になると、廊下の外に玲奈が待っていた。

「圭介。昼休み部室で待ってる」

 玲奈はそう言って微笑んだ。

 文芸部に入ってから僕らは親しくなった。初めの頃は少し冷たかったが、徐々に仲良くなってきた。

 昼休みになると、僕は部室に行った。

 玲奈は手作りのお弁当を食べている。僕は弁当屋で買った海苔弁当を手に持っていた。

「毎日同じ弁当で飽きないの?」

「飽きないよ。海苔弁当はおいしいんだ」

 僕と玲奈はテーブルに向き合って座り、弁当を食べた。僕はなんだかこの日常に満足していた。

 ふと中学生の頃のことを思い出した。あの頃はなんだか憂鬱だったなと思う。

 窓の外では雷が鳴り始めた。雨粒が窓に打ち付ける。外は昼間なのに暗くなっていた。

「今日も雨だね」

 玲奈はそう言って、ペットボトルのお茶を飲んだ。

「もうじき梅雨も終わると思うんだけどね」

「ねえ、文化祭で短編集を出すんだって」

「へえ」

「なんだか楽しみだな。私たち結構小説を書いてきたじゃない」

「今年は文学賞に送るの?」

「今、書いてるとこ。夏に一本送ろうと思ってね」

 玲奈と話をしているうちにあっという間に昼休みは終わった。

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