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その日は一時間ごとに授業があった。休み時間の合間に立川優斗と話をした。
彼も僕と同じように野球をやっていたらしい。僕らは中学時代の野球の話で盛り上がった。
「なんで、辞めたんだよ?」と彼は僕に聞いた。
「練習はきついし、一番はそれほど野球が好きじゃなかった」
「でもそれで、友達と疎遠になったんだろ?」
「まぁね」
今は昼休みで、購買でパンを買った僕らは外のベンチに座って、話をしていた。
「俺は野球部に入るつもりだよ。圭介は何部に入るの?」
「今のところ文芸部に入ろうと思っている」
グラウンドでは多くの生徒がサッカーをしたり、キャッチボールをしたりしていた。僕らはパンを食べながらそんな様子を眺めていた。
「文芸部か。詳しくは知らないな」
優斗は僕にそう言って、紙パックの紅茶を飲んだ。
午後の授業は体育だった。僕らは体操着に着替えて、校庭に集まった。
体育の先生はなかなか怖い感じの人だった。初日だったが、僕らはグラウンドを走らされた。
先生の合図があるまで、ランニングは続いた。遅い人は怒鳴られていた。
中学時代もそうだったが、なかなか体育の先生は怖いものだ。午前中に受けた歴史の先生なんかはとても温厚そうな人だったけれど。