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第三話.最強の帰還 ーー魔王の仲間ーー




 夜月は、エルティカイン、エレナ、セレナ、三人の紹介を始める。


「彼は、エルティカイン・エスタリア・ハイスフィシアだ。異世界で初めて仲間になった奴で天聖国エスタリアっていう国の第三王子だ。聖剣に選ばれた勇者で、向こうでは”祈りの聖剣”と呼ばれている」


「「「王子様っ!?」」」


 朱里達は、示し合わせたように全く同じ反応をした。実際、驚いてはいないのだろう。だって、一回驚いただけで、その後は普通にしているから。


 エルティカイン達は、夜月との会話で夜月の家族は面白く、優しく、温かいなぁと思っていた。また、夜月は、彼女らに全幅の信頼を寄せていることも分かった。そして、そんな夜月が全幅の信頼を寄せる人達と自分達も話をしてみたいと、自分が話せる機会を待っていた。


 そして、エルティカインが最初に自己紹介をした。


「初めまして、アカリさん、アオカさん、ユウリさん。エルティカインと申します。これから、こちらにお世話になると思うので、こちらにいる間はよろしくお願いします」


「よろしくね、エル君」


「よろしく、エルティカインさん」


「こちらこそ、よろしくね」


 白銀の髪に淡い金色の眼をし、現実離れした、まさに物語の勇者のような格好をした美丈夫から挨拶を受けても、朱里達はお遊びの一環で驚いたものの、その後は平常運転だった。相手は一国の王子だというのに、その対応はフランクだ。朱里達は、エルティカインの気遣わなくて良いという雰囲気を察しているのだろう。それを見た夜月は、少し口角を上げて、次の紹介に移った。その表情は少しはみんなを驚かしてやるといった思いが見て取れた。


 次に、夜月はエレナを紹介する。


「彼女は、エレナ。元破界神で、今はその魂を持ったホムンクルスだ」


「「「かっ、神様!?」」」


 これには朱里達は素直に驚いた。この地球に、神という偶像は存在しても神そのものは存在するかどうかすら分からないのだから。


「アカリさん、アオカさん、ユウリさん。初めまして、エレナと申します。私は、アムル……えっとヨヅキを一人の男性として慕っているわ。これからよろしくお願いします」


「まぁ! よろしくね、エレナちゃん」


「よろしく、エレナさん」


「よろしくね、エレナちゃん」


 エレナは、金色の髪に金色の眼をしており、その女性をも魅了する体を惜し気もなく晒し出した妖艶な黒いドレスを着ている。最初は、流石の朱里達もエレナの美しさに頬を赤く染めていた。が、後半の少女のように顔を赤らめて夜月への想いを伝えているのを見て、あぁ、この子は純粋なんだなぁ。と思いながら自己紹介を聞いていた。


 エレナのその言葉に、優凛はエレナのことをじっと見つめた。そして、薄く頷いた。元々、優凛はそっち方面には寛容だ。エレナは優凛に認められている。


 エレナは、とんでもないことを言っている自覚はあった。でも、この気持ちを偽ることなんてしたくはなかった。だが、蓋を開けてみれば、普通に言葉を返してくれたので、エレナのことを少しは認めてくれたのだろう。このことが、エレナはたまらなく嬉しかった。こうして、エレナの自己紹介は終わった。


 そして、最後にセレナの紹介をする。


「彼女は、セレナ。元創世神で、エレナと同じ様に、今はその魂を持ったホムンクルスだ」


「「「こっちも神様っ!?」」」


 エレナの時の反応よりは驚きが薄かった。彼女の、その美貌から薄々感じ取っていたのだろう。


「ご紹介に預かりましたセレナと申します。これからはこちらにお世話になるということなので、アカリさん、アオカさん、ユウリさん、これからよろしくお願い致します」


「こちらこそ、よろしくね、セレナちゃん」


「よろしく、セレナさん」


「よろしくね、セレナちゃん」


 セレナは、白銀の髪に白銀の眼をしている。こちらは、その体を隠すようなきっちりとした純白のドレスを纏っていた。また、その容姿もエレナと同様に隔絶した美貌を誇っている。だというのに、朱里達はあいも変わらず平常運転だ。この人達の底が知れない。


「これで紹介は終わったな。質問があれば聞いてもいいぞ?」


 夜月がそう言えば、朱里達は身を乗り出す勢いで質問を始めた。


「さっき、エレナちゃんが夜君のことをアムルって言いかけてたけど、どういうことなの?」


 朱里は、先程、エレナが口に出したアムルという名前が気になるようだ。


「あー、それですか。それは、向こうの世界でのヨヅキの名前なの。向こうでは、界滅の魔王アムル・アヴィオレイアとして恐れられているのよ」


「魔王!!」


「魔王とは……かっこいいな!」


「魔王なんてかっこいいわね~」


 エレナから魔王という言葉が出た時点で、朱里達のテンションが爆上がりだ。そして、優凛がアムルという名のことについて本人に聞いた。


「なぁ、夜月。アムル・アヴィオレイアという名前はどこから出てきたんだ?」


「あぁ、日本では本当の名前を知られると呪われるという噂もあるだろ? 最初期は俺も弱かったからな。その場の思いつきで偽名を名乗って、そのままにしてる。支障もないからな」


「なるほどな」


 そして、次の興味は一国の王子であるエルティカインに向かった。


「エル君は王子なんでしょう? 実際、王子ってどうなの?」


「そう……ですね。実際、面倒臭いですね。まぁ、俺が体を動かす方が好きということもありますけど、やっぱり王族なんで。政治方面は腹の化かし合いですからね」


「あ~、やっぱりそうなんだ。大変だねぇ」


「まぁ、もう、国は抜けて来たんですけどね」


「「「…………え!?」」」


 急にぶっ込んで来た。そう、エルティカインはこの機に乗じて、王子という席を捨てて来たのだ。ただ、政治が面倒臭いという理由だけで。王子を辞めるのに、これほど、しょうもない理由も無いだろう。


「すごいな。まさか、そんな理由で王子を辞めるとは。まさに勇者だな」


「エル君、ここではゆっくり暮らそうね」


「はは、ありがとうございます」


 その暖かい言葉に、思わず笑みをこぼす。そんな言葉は、向こうでは言われたことはなかった。それ故に、その言葉の暖かさが身に染みたのだ。そして、その優しさが夜月と似ており、そのことにも笑ってしまった。あぁ、この二人は真に親子なんだなと。







お読み頂きありがとうございます。

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