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また夢の中で  作者: 利根川渡
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津波に襲われるが助かる

 津波に襲われる夢を見た。なぜか海辺の町に滞在していて、そこに地震が起こるとか、台風が来るというような感じの自然災害が起こり、僕は危険だとわかっていながら海の様子を見に行く。

 海にはたくさんの人が来ていて、海は昨日見た海とは様子が違っていた。遥か遠くまで潮が引いたようになっていて、黒い砂浜が延々と続いているのだ。僕は危険だと感じていながら沖の方向に歩き出した。なぜか死ぬようなことはないと確信しているのだ。

 海辺へ来ている人々もみんなが沖の方向を目指して歩いている。まるで何かの巨大な生き物に吸い寄せられて、その生き物のエサになるために沖に向かって歩いているようだ。

 すると沖の方から高い山のようなものが近づいて来る。「津波が来たぞー」という声が聞こえる。沖に向かって歩いていた人々は一斉に波打ち際のあった方向に戻ろうとしている。

 波打ち際から向こうは登り坂になっていて、少し登った所に大きな岩がある。あの岩の向こう側に隠れれば、津波は頭上を越えて行くだろうと思う。しかし一度通り過ぎた津波がもう一度沖の方まで戻るまでにはどのくらい時間がかかるのだろう、その間に息は持つのだろうかと思う。そう思いながら坂道を登りながらも、実は津波は僕の頭上を越えて、僕を溺れさせるほどではないだろうと楽観しているような気持ちもどこかにある。

 いよいよ津波が近づいて来て、僕も目指していた岩のところまでたどり着いた。津波は僕の足首のあたりを濡らしたが、津波が到達したのはそこまでで、僕は津波に呑まれることはなく津波も沖の方に戻って行った。

 僕は近くにあった公民館のような建物に避難した。そこには大勢の人が避難していて、青年団の団長のような人が僕に「大丈夫か?」と聞く。なんでこの人はこの土地に来たばかりの僕のことを知っているのだろうと不思議になる。

 何か食べようと思い、そのあたりに用意されていた食材を調理する。調理しながら宿に残して来た母は僕のことを心配しているだろうなと思う。携帯電話も持たずに出てきたし、そもそも宿の電話番号を知らない。こういう時母は「あんたはいつもそうなんだから」と説教のようなことを言う。でも僕はおそらく大丈夫だろうと思っていたし実際に大丈夫だった。そんなことを心配してたら、一歩も前には進めないよと思う。しかし沖には何があったんだろうか。

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