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プロローグ
フリーターは少女とともに
この物語の主人公はただのフリーターである。
裕太は普段、特にやることもなくブラブラとしている。
今日は出勤日でないため家でただ時間を潰していた。
「あー暇だ」
そんな誰に聞かれるでもない独り言を言って過ごすのみ。
この男には別に能力がないわけではないのだ。
一応これでも国内トップと言われる大学をトップの成績で卒業するだけの学力、一つの物事に一日中取り組むことのできる集中力の持ち主だ。
しかし今はそのどちらを使うこともなく怠惰以外に言葉の見つからない生活を送っている。
彼の友は、といえばきっと今の時間もせっせと世のため人のため働いていることだろう。
休日はそんな一日を過ごしている彼にも転機がやってきた。