遊具の先に。
眩しい空に駆け上がるような、無邪気な君。
足元が揺れようが、手元が滑ろうが気にしない。
だんだん見晴らしは遠くへと、手の届かない距離を理解させる。
それでもいいのかな。
遮るものがない頂上に行けるのなら、私はここで見守るだけ。
涼しい風に気が付いて、あの夏が嘘のよう。
月と太陽は君の回りをぐるぐる回り、君の影を伸ばしたり縮めたり。
誰もいなくなったとしても、駆け回る君の影が記憶の栞になるさ。
見守るだけの私に、涼しい風が通り過ぎる。
時々季節は人生の果てを連想させて、喜びと寂しさを撹拌する。
それでもいいのだろう。
誰もいなくなった公園を独り占めする君。
遊具のてっぺんに立って、何処かを見つめる君の横顔。
きっと、これでいいのだろう。
凛々しさを連想するにはまだ早いよ。
引き摺るように、涼しい風が枯れた草を靡かせる。
もう、いいのだろう。
君の横顔が夕日の悪戯で見えなくなる。
もう、帰ろうか?
戸惑いを忘れて、動けなくならない前に。




