女優アイシー、ゼラのダンスの先生に
(* ̄∇ ̄)ノ 本編ではチョコっとしか出てない、女優アイシーの出番です。
女優アイシー
ミュージカル『蜘蛛の姫の恩返し』の主演女優。もとは旅回りの劇団の女優であり、ローグシーの街で、領主夫人ルミリアが急遽作成したミュージカルにアイシーのいる劇団が選ばれた。
当時、ルミリアとしては街の住民に、早期にアルケニーのゼラについて説明し、街の人達がゼラを受け入れやすい下地を作る為に行ったもの。
それがミュージカル『蜘蛛の姫の恩返し』
同じタイトルの絵本とストーリーはほぼ同じ。
ローグシーの街の演芸場ではこのミュージカルは好評。
その後はゼラの活躍とも合わせて、ミュージカル蜘蛛の姫の恩返しもまた人気に。
ルミリアの描いた絵本に合わせて、その後、ミュージカル『蜘蛛の姫の恩返し』は第三章まで作られた。関連グッズも売り出され、こちらも売れ行き好調。
また、スピルードル王国、王都の歌劇場でも公演された。
ミュージカル『蜘蛛の姫の恩返し』は、主演女優アイシーにとっての出世作であり、今では女優アイシーは王都でも人気の女優である。
童顔で小柄と実年齢の分かり難い女性。もとは明るい茶色の髪は蜘蛛の姫の恩返しの公演中では、ゼラと同じ色の黒色に染めていた。
「その女優アイシーが領主館に来る」
カダールはアイジスを筆頭に現在、ローグシーの街にいる深都の住人達に説明する。
「女優アイシーはかつて、蜘蛛の姫を演じるにはどうすればいいか分からない、モデルに合わせて、と、旧領主館に乗り込んで来たことがある。それ以来、ゼラとは友人だ。しかし、この女優アイシーは深都の住人のことは知らないし、また、教えない方が良いだろう」
「なるほど、では、その女優のアイシーという人物が来る間は、我々は姿を見せないようにするべきか」
「正体を見せないようにして、人に化けていてもらいたい。アシェはメイドか使用人のふりをして、クインは黒の聖獣警護隊の一員のふりをする、などでどうだろう?」
「カッセルとユッキルも警護隊関係者のふりをして、ララティは奥に引っ込ませて姿を見せないように。ハイアディは領主館に来ないようにすればいいか」
「それで頼む」
秘密の多い領主館、女優アイシーが訪れる間はこうして深都の住人のことを隠すことに。
領主館に来た女優アイシーは、久しぶりに会ったゼラと抱き合い、双子の娘、カラァとジプソフィを目を細めて抱き上げたり。
最初のミュージカルの練習中に抜け出して、旧領主館の倉庫の中で、目の色を変えてゼラを質問攻めにしたことを話題にされる。
この一件でアイシーとゼラが仲良くなったのだが。ゼラとアイシーのお喋りが一段落したところで、
「私が、ゼラちゃんに踊りを教えるの?」
「ウン、教えて、アイシー」
ゼラのお願いに首を傾げる女優アイシー。カダールが説明する。
「ゼラが教会から聖獣として認定されたことは知っているな?」
「それはもう。スピルードル王国で知らない人は、いないんじゃないですか?」
「それでゼラは聖獣として、教会で出張治療院をしたり、巡礼に来た者に祝福したりなどすることになった。祝福の儀礼などは大神官ノルデンがゼラに教えたり、ときにはゼラに相応しいものを考えたりなどしてくれている」
「聖獣ゼラちゃん。そう、聖獣認定されるとそういうこともしなきゃいけないのですね」
「中には聖獣ゼラから有り難いお言葉を賜りたい、なんていうのもいる。だが、ゼラも人語を憶えてきたが、堅苦しい言い回しを長く騙るのは苦手なんだ。だったら歌でも歌うか、と教会でゼラが歌ってみたところ予想以上に好評だった」
「ゼラちゃん、歌が上手なの?」
女優アイシーがゼラに尋ねると、ゼラは、
「ワカンナイ。前に孤児院視察とかしたときに、子供に教えてもらったのとか、あと、教会で神官さんに教えてもらったのを歌ったときは、みんな喜んでくれたから。ンー、上手なほう?」
「ゼラの歌はいいぞ。心が和む。それで小難しい教会の説教をゼラが憶えて話すよりは、歌とか踊りの方がゼラに合ってる。それでアイシーがゼラに踊りを教えてくれると有り難い、という話になった」
「私がゼラちゃんに踊りを? それも教会で、となると奉納の舞い、とかになりますか?」
「蜘蛛の七本足でダンスを踊ったことがあるのは、アイシーしかいない」
「私の場合、下半身の蜘蛛の着ぐるみに入ってる人が頑張ってステップ踏んだわけなんですけど」
「ゼラはアイシーの踊りを見て、やってみたいと言っている」
「ウン、だからアイシー、ゼラに教えて」
「ゼラちゃんだったらどんな風に踊るんだろう? って考えてできた振り付けだから、蜘蛛の姫の恩返しミュージカルのあの踊りって、ゼラちゃんの為の踊り、でもあるのかも。分かりました。私で良ければ」
「ありがとう、アイシー」
女優アイシーはゼラに持ち上げられて、ムギュッと抱き締められる。女優アイシーもまたゼラを抱き絞める。
二人を見るエクアドがボソリと言う。
「ゼラとアイシー、肌の色は違うが何やら姉妹のようだ」
「エクアド、アイシーは母上が選んだ女優だ。母上がアイシーを見て、ピンと来た、と言っていた」
女優アイシーはゼラと頬をくっつけて思う。
(ゼラちゃんのおかげで、私の人生、変わったなあ)
小柄で童顔の女優アイシー。旅回りの劇団の中ではヒロイン担当というよりは、女の子役とか男の子役、というのが多かった。女優アイシーがいた劇団の看板女優とは、アイシーでは無く、別の背の高い女優だった。
(私が選ばれたのは、下半身は着ぐるみ担当の人で、担ぐのは軽い人がいい、なんて理由かもしれないけど。蜘蛛の姫ミュージカルが当たって、劇団も有名になって。夢だった王都の歌劇場で主演ができて、いろんな劇団からオファーも来るようになって)
蜘蛛の姫ミュージカルをやってなければ、ずっと旅回りの劇団で、女の子役か男の子役ばかりだったかもしれない。
(ゼラちゃんが来てくれたから、今の私がいる。うん、だからこれは私から蜘蛛の姫への恩返し。教会で神官も巡礼者も、ため息出して動けなくなるくらいの、素敵な奉納の舞いをゼラちゃんに)
ちょっと気合いの入った女優アイシーの踊りの修練は、ややスパルタ気味ではあったが、ゼラは喜んで女優アイシーと一緒に踊りを踊った。
後に女優アイシーは、蜘蛛の御子先生衆の一人として名を連ねる。カラァとジプソフィとフォーティスの歌と踊りの先生とは、王都の歌劇場でも名を馳せた、女優アイシーである。
設定考案
K John・Smith様
加瀬優妃様
m(_ _)m ありがとうございます。
(* ̄∇ ̄)ノ 料理長エモクスと共に、本編で出番のほとんど無い、後のカラァとジプソフィの先生の一人です。
蜘蛛の御子先生衆、今のところ
学問 ルブセィラ女史
礼儀作法 ルミリア
芸術 赤髭
料理 エモクス料理長
歌とダンス 女優アイシー
軽業 カッセル&ユッキル
お笑い? ララティ?
格闘 拳骨メイド
武術 いっぱい




