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シグルビーの葛藤

(* ̄∇ ̄)ノ 黒の聖獣警護隊、隊員のシグルビーの悩み?


 黒の聖獣警護隊、隊員シグルビー。


 アルケニー監視部隊時代から所属する、歴戦の古参の一人。

 中央出身である彼女は複雑な経歴で、このエルアーリュ王子直轄の特殊部隊にスカウトされた。

 隊員シグルビーは、仲間を守る為に前に出ることを躊躇しない。やや自身の命を軽んじるところはあるが、度胸のある優秀なハンターである。


 右目だけが赤いというオッドアイ。そこからシングルルビーのアダ名がつき、略してシグルビーと呼ばれている。本名は隊長格しか知らない。

 このシグルビーは過去の経験から、ある分野について詳しく、蜘蛛の姫ゼラの秘密の相談役でもある。ゼラにとっては先生とも言える。


「あのね、シグルビー」


 辺りを窺い人がいないことを確認して、ゼラが小声でたずねる。


「また教えて欲しいんだけど」


「今度はなんだい?」


 ゼラに応えながらシグルビーは少し悩む。ちょっとゼラにいろいろと教え過ぎたのではないか、と。


(ゼラちゃんがカダール副隊長を気持ち良くさせたい、というのはわかるんだけどよ)


 シグルビーは過去、少女の頃に中央で娼婦だったことがある。人の男と女の夜のことを知らないゼラは、このシグルビーから夜のムニャムニャテクニックを口伝で教えられ、実践している。


(ゼラちゃんはカダール副隊長にしてあげたいっていう攻め派、一方でカダール副隊長もゼラちゃんを幸せにしたいって攻め派、なんだよな)


 シグルビーが夜間警備でゼラとカダールの寝室を監視したときを思い出す。

 二人の寝室の中で、寝台はカーテンに覆われ隠されている。いかなカダールとはいえ、ムニャムニャを見られるのは恥ずかしく、直接見えないようにとの苦肉の策がこのカーテンである。


 しかし、ゼラはというと裸を見られることを恥ずかしいとは思わない。ムニャムニャを見られることにも抵抗は無い。

 ムニャムニャをするときもカダールのことが良く見えるようにと、魔法の明かりをつけて寝室を明るくする。そのためカーテンには二人のムニャムニャがシルエットで写し出されてしまう。


(……ゼラちゃんとカダール副隊長の、激しい攻めあいになってた。攻守交代とか教えた方がいいんだろうか?)


 そのゼラに、口での仕方や胸で挟んだりなど、もろもろ教えた張本人がこのシグルビーである。その手のことに詳しいシグルビーは、恥ずかしげも無く聞いてくるゼラにいろいろと教えてしまう。シグルビーとしては、


(こんなんがゼラちゃんの役に立って、それでゼラちゃんが幸せなら、いっか)


 という軽い気持ちだった。一方でシグルビーが教えたことで、ゼラとカダールの仲が深くなのるのを身近で見ることで、シグルビーの男性不信が和らいできたことを、本人も不思議に感じている。


(まあ、男の中には、黒蜘蛛の騎士カダール副隊長みたいな、勇者もいるってことがわかったから、なんだろうけどよ)


 男を気持ち良くさせられるテクニックを知っているシグルビーのことを、ゼラは尊敬し、今も先生に教えを乞う弟子のようにシグルビーに尋ねる。


「ね、シグルビー、焦らす、っていうのは?」


「焦らすのは、ちょいと高度なテクニックだ。相手の気分を高めるためにするんだ」


「ンー? 例えば?」


「例えば、太ももの内側をペロペロしつつ、肝心なとこに行くと見せかけて、おへそに移動したりとか」


「ン? 気持ち良くさせてあげないの?」


「その部分をくすぐる心理的なテクニックというか、焦らすことでより昂るというか」


 こうしてゼラはカダールの知らないところでスキルがレベルアップしていく。カダールとの実戦でも技の冴えは磨かれていった。興味を持ったことには学習熱心となるゼラのテクニックは、かなりのものとなっている。


「それでね、シグルビー」


「他にはなんだ?」


「カラァとジプには、こういうのはいつ頃から教えたらいいの?」


「あの子達に教えるのは、まだまだ早いんじゃないか?」


「でも、カラァとジプに好きな人ができたら、知っておいた方がいいよね?」


「それは、そうかもだけど。子供にはまだまだ早い」


「そうなの?」


「親がしてるとこも、子供に見せちゃダメだ。子供にとっては、親がしてるとこ目にするのはショッキングなことだから。場合によってはトラウマにもなる」


「ンー、わかった。気をつける」


「子供が大きくなって、自分から興味が湧いて尋ねてきたときは、少しずつ教えるのもいいかもしれないけれど……」


 シグルビーはなんとか説明しながら心の中で頭を抱える。


(あたいは子供のための性教育なんざ知らねえぞ? こんなのどう説明すりゃいいんだ? これはあとでルミリア様に聞いてみないと)


 特殊な特殊部隊、黒の聖獣警護隊の隊員には前例の無い悩みが多くある。



隊員シグルビー

「あー、ゼラちゃん。隠すとこは隠すといいぞ」


ゼラ

「どうして? 裸の方が楽なんだけど?」


隊員シグルビー

「いつもは隠しておいて、たまに見せるからこそ有り難みがある、というもので。カダール副隊長も、自分にしかゼラは見せない、というのがあると喜ぶんじゃないかなー?」


ゼラ

「カダールが喜ぶの? わかった、エプロンつける」


( ̄▽ ̄;) ということがあったり。

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