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領主館別館、深都の住人の堕落?

(* ̄∇ ̄)ノ 領主館の深都の住人、女子会です。


 ウィラーイン領主館の別館。表向きはアプラース王子が滞在しているこの別館は、ローグシーの街に来た深都の住人が暮らす為の建物。

 その地下二階は深都の大使、アイジストゥラの私室。そこに領主館の深都の住人が集まり、ときには人に聞かせられない話をしたりもする。

 アイジストゥラが正体を見せて寛げる広さがある部屋で、半人半獣たちが用意したお菓子にツマミを食べつつ、ブランデーや蜂蜜酒も持ち込む酒宴。

 一見、幻想的とも見える伝承に語られる存在の奇妙な女子会が開かれている。



クイン

「アイジスねえ様の補佐で、あたいがする他の深都の仕事は減ってるけどさ」


アシェ

「空も飛べて人類領域も調べられるクインは、頼まれることもあるけれど。私は乳母にウィラーイン家の観察がメインになったし」


クイン

「これまでいろいろやってきたから、少し骨休めになるか? と言われたけど」


アシェ

「子育てってたいへんよね。いろんなことが予想外に次から次へとあって。骨休めにはなってないわよ」


カッセル

「いや、アシェもクインも仕事終わりで酒飲んでだらしないとこ見せること、増えてないか?」


アシェ

「クインはすぐに酔い潰れるから」


クイン

「アシェがうわばみなだけだ。だけどウィラーイン家のブランデーに舌が慣れると、安酒が飲めなくなりそうだ」


アシェ

「ほんと、人が手間隙かけて作ってるのは美味しいわね。そこに拘る繊細さと執念の職人は、芸術家なのかもしれないわ」


アイジス

「糖分のあるものを発酵させれば酒になる、と乱暴な作り方をしたものとは、別物だ」


アシェ

「私たちって魔法で強引にやりがちなところもあるから」


ユッキル

「この酒もウィラーイン伯爵領が魔獣深森を抑えているから、できると聞いた」


カッセル

「うむ、お菓子も手の込んだ作りのものは、見た目も可愛いし美味しいし」


ララティ

「青髪商会町の持ってきた南国のドライフルーツもなかなかいけるぴょん」


アイジス

「知恵と技術の産物が、こうして平穏なものだけなら良いのだがな……」


ララティ

「お酒が美味しいのは環境もあるぴょん」


クイン

「気候とか、風土とか?」


ララティ

「にゅふふ。フォーティスとカラァとジプソフィにブラッシングされながら呑むハチミツ酒は最高ぴょん」


アシェ

「ララティのお腹の毛が好きよね、あの子達」


クイン

「いや、あたいの毛皮も気にいってるぞ」


カッセル

「む、ソレガシの尻尾を触るのを喜んでいるぞ」


アイジス

「何を張り合っているんだ?」


アシェ

「たまに毛皮が羨ましくなるときもあるわね。でも、みんな毛皮が一段とふわふわになってない?」


カッセル

「お風呂にブラッシングで、毛並みのツヤが増したような」


ユッキル

「うむ、ふわふわつやっつやになっている」


アシェ

「クインも人にブラッシングされるのに慣れたみたいだしね」


クイン

「あいつら、ブラシの試作を何本作ったんだ? その度に試験させろって来るから」


ララティ

「そのあと、あの眼鏡が抜け毛をサンプル回収してたぴょん」


アシェ

「まったく、私たちがどんな暮らしをしてるか、深都に伝えられないわね。ローグシーに来たがるのが増えそう」


クイン

「特にハイアディだな」


ララティ

「ハイアディは領主館に来たら、レーンがアレしてくれた、レーンがこんなことしたがる、ってノロケ話ばっかりぴょん」


アイジス

「あのハイアディが、ずいぶんと明るくなったものだ」


アシェ

「あのレーン副隊長も、流石、ウィラーインの男ね。アイジスねえ様相手に堂々としてたものね」


クイン

「ちょっとカッコ良かったよな。ハイアディのことは私に任せて下さいって」


ユッキル

「うむ、ローグシーの街には動じないものが多い」


ララティ

「それでいて鈍くないのが侮れないぴょん」


カッセル

「しかしこう、平穏でお菓子も美味しくて」


ユッキル

「酒も旨くて、子供も可愛くて」


クイン

「側にいる人間は理解があって、正体も見せられるし」


アシェ

「なんだか、気が抜けちゃうわよね」


アイジス

「おまえらな……、ここにいる以上は、我々は深都の代表であるという心構えをだな」


ララティ

「側仕えの少年にお酌をさせて抱き枕にしてる深都の代表者がここにいるぴょん」


アイジス

「!」



 領主館別館にズシンという地響きがひとつ。別館が少しだけ揺れる。別館の二階にいるアプラース王子が驚いて顔を上げる。



アプラース王子

「なんだ? 今の揺れは?」


隠密ササメ

「地下から響いてきたみたいね」


アプラース王子

「何か解るか? ササメ?」


隠密ササメ

「すぐにおさまったから、地震では無いし。怒ったアイジスがララティにフライングボディプレスしたときも、こんな揺れだったわ」


アプラース王子

「そうか、じゃ、問題無いか」



 領主館別館は、今日も平穏であった。



ララティ

「あちは、死にましぇ〜ん!」

「あそぶの、大好きだから!!」


(* ̄∇ ̄)ノ アイジスのおしおき、巨大海ガメ落としです。ガ〇ラ?


タイトル、別荘の主人

ララティのセリフ、K様


m(_ _)m ありがとうございます。


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