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黒の聖獣警護隊、会話回

(* ̄∇ ̄)ノ 黒の聖獣警護隊のとある日常


 かつてはアルケニー監視部隊。ゼラが聖獣と認定されてからは、黒の聖獣警護隊と名前を変えたエルアーリュ王子直属の特殊部隊。

 アルケニーのゼラを監視する為に結成されたこの部隊は独自の権限を持つ。エルアーリュ王子の指示以外では動かず、しかし、隊長であるエクアド=ウィラーインの指揮のもと、独自の判断で動くことも許されている。

 これは聖獣ゼラと黒の聖獣警護隊がいるのが、王都より遠い辺境ウィラーイン領であり、この地での魔獣災害などは、王都からの指示を待っては遅くなるからである。

 アルケニーのゼラが聖獣と認定される前から、監視するべき対象であったゼラに対し崇拝に近い忠誠があったという。

 ローグシーの街で名を馳せたハンターに、エクアド隊長、カダール副隊長の先輩、後輩といった騎士。ローグシーの光の神々教会から出向した司祭。また王立魔獣研究院にて才女と呼ばれる魔獣研究者、ルブセィラ=カリアーニスとその助手達。

 精鋭と一流の魔術師が集う、王軍としては数少ない男女混合部隊である。


 この黒の聖獣警護隊が、彼らの宿舎にて酒宴するところを、少し覗いてみよう。


「今日もおつかれー」


「おつかれさーん」


「うし、今日は飲むぞー」


「街の酒場で泥酔する訳にはいかんからなー」


「そりゃ、ローグシーの街の酒場で、ゼラ様以外の深都の住人の話はできないし」


「何気にあたしら、秘密にしないといけないこと増えたからねー」


「だけど、街の人達はそこを聞きたがるんだよなー」


「ローグシーの街の住人にとっては、カラちゃんとジプちゃんがどんな暮らしをしてるか、気になるみたいだし」


「そりゃそうだろ。黒の聖獣の御子様だ」


「ローグシーには、メイモントとジャスパルから探りに来てるのもいるらしい」


「来ないほうがおかしいだろ。びー、されたら城が消えるぞ」


「他所から見たらおっかないか?」


「あたしらその辺、麻痺してるかもね」


「場合によっては、ゼラちゃんよりおっかない客人がいるものね」


「アシェとクインとアイジスと、正体を話しちゃいけないお客人のことがなあ」


「武術指南のカッセル先生とユッキル先生もな」


「グリーンラビット飼育試験場のララティもね」


「ララティは人に化けられないから、完全秘匿ですね。いないことにしないと」


「人に化けられるのは、街の住人も知ってはいるんだよな。正体は知らないけれど」


「アシェとクインとアイジスは街を見回ったりしてるし」


「あの三人、人に化けても美人だからローグシーの街でちょい目立つし」


「ちっちゃい先生ズは、旅芸人姿を知ってる人は多いからなあ」


「その正体を館の外には秘密にしなきゃいけない」


「あと、黒の聖獣警護隊って格が上がったから、俺たちだらしないとこ見せられないし」


「娼館に行く奴は気をつけろよー。口が軽くなりやすくなる場だからな」


「だから宿舎で飲み会になっちまうんじゃねーか」


「ほんとに特殊な特殊部隊だよ」


「ララティの毛皮って、いい匂いするよねー」


「あのお腹のとこにぽふって顔を埋めるとねー、幸せなのよー」


「そこはカッセルとユッキルの尻尾もいいぞ」


「あぁ、あれを枕にすると肩の力が抜けてくんだよな」


「あの三人はお菓子を上げると、けっこう気安く触らせてくれるんだよね」


「で、ユッキルに乗せてもらったけど、やっぱり馬より速い」


「ゼラちゃんと違って揺れはスゴイけどね」


「カラァの蜘蛛の背の毛がね、ふわっふわなの。で、触らせてもらったら、くすぐったあいって笑うとこが、もー、可愛いの」


「聖獣ゼラ様の愛し子、ジプソフィ様をこの胸に抱けるなんて……」


「神官さんもうちには慣れた?」


「馴れましたけれど、私が入ってからは治療班が活躍する機会がありませんね」


「教育班に研究班はいつも忙しないな」


「研究班と武装班は半分趣味でやってるようなもんじゃないか?」


「それを言ったらこの前やってた、カラァとジプソフィとフォーティスとのかくれんぼはなんだ?」


「屋根に登っちゃダメだろ」


「糸で登り下りされる鬼ごっこもダメだろ。何度か肝が冷えたぞ」


「アシェとクインが乳母やってくれて、助かったのかもね」


「フォーティス君がさ、たまにアシェのとぐろの中に入ったりしてんじゃん?」


「あれな、スゴイ守ってもらってる感あるよな」


「鉄壁の個人の砦だぞあれは」


「ちょっと中に入ってみたい」


「ちょっと絞められてもみたい」


「それと、混浴できる女隊員がウラヤマシ」


「男隊員は領主館の大浴場には入れんからなー」


「いや、男隊員用の解放日があるでしょ?」


「「聖獣一家と混浴はできないだろ!」」


「あんたらね、覗いた者がどうなったか知ってるでしょ?」


「あぁ、熱壺砂風呂で煮込まれてたな」


「ルミリア様の弟だけあって、あの人も勇者だよな」


「と、なると男でゼラ様と混浴したのって、エクアド隊長?」


「隊長は正式にウィラーイン家に入ったから、家族風呂、だろ」


「男がゼラ様と混浴するには、カダール様に一騎討ちで勝てないと」


「無茶言うな」


「カダール様に勝てる人ってー?」


「ハラード様に執事のグラフトさん」


「エクアド隊長とカダール副隊長は互角だってことだけど」


「前にエルアーリュ王子がカダール様に挑んで負けて泣いてたことがあったわね」


「領主館で見るエルアーリュ王子って、よく笑ってたり泣いてたりするような」


「俺、キリッとしてるとこしか知らなかったから驚いた」


「あとは、カッセル先生に頼んでみるか? 一本とれたら一緒にお風呂にって」


「お前も、命知らずだな」


「案外、お菓子で釣れるかもしれんぞ」


「まったく男どもは。そんなに混浴したいのか?」


「そりゃまあ。エクアド隊長とカダール副隊長がウラヤマシ」


「あー、でも一度はクインの背に乗って、空を飛んでみたいなー」


「わかる」


「ルミリア様だけだよね? 乗ったことあるの? クインに乗って空の旅したの?」


「クインは三人の子以外は背に乗せてくれないんだよね」


「アシェもね。お願いしたらちょっと触らせてくれたりはするんだけど」


「アイジスもな。あの三人はガードが固いよな」


「クインとアシェは、酒が入るとちょっとガードが甘くなる」


「そして、アシェはお酒を飲むと暑いと言ってすぐマッパになる」


「だからって、アシェとクインに酒を貢ぐ機会を伺うお前らはどうかしている」


「そして今宵の特別ゲストー」


「呼ばれて来たぴょん。お菓子食べ放題、ハチミツ酒飲み放題ってホントぴょん?」


「ほんとほんと、はーい、かけつけ一杯!」


「乾杯ぴょーん。ングング、ぷはー」




d( ̄  ̄;K

▽アイジスのかんにん袋(三時間後)

「……隠し芸の月兎抜刀牙で、うっかり警備隊宿舎が半壊? オイコラ、ララティ」


(σ≧▽≦)σ ありそう! そして逃げる酔っぱらウサギに追いかける怒りカメ!




 

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