ハイアディの地下湖 その1
(* ̄∇ ̄)ノ ハイアディの地下湖へ、お宅訪問。
「どうぞ、ルミリア様、ルブセィラ様」
あ、来たみたい。レーンが階段を下りて私のいる地下室に来る。その後ろにルミリアとルブセィラを連れて。二人とも私の作った地下の秘密の寝床を見たいって。
私は暗いところでも夜目が効くけど、人にもよく見えるように地下室に魔法の明かりを灯す。
この地下室はレーンの家の地下室。もともと倉庫になっていたところ。ここの床を一部抜いて、その下に穴を掘って私の寝床を作ったの。
以前に約束してて、ルミリアとルブセィラが調べたいって。何も問題無ければここに私がいてもいいってことだから、緊張しちゃう。
大丈夫なんじゃないかな? と、思うのだけど。
「ハイアディも明かりの魔法が使えるのね」
「はい、これくらいなら」
ルミリアは今日はドレスじゃ無い。お忍びということでルミリアもルブセィラも街の人のような服を着ている。
眼鏡の女がルブセィラ、私は初めて会う。
「アルケニー監視部隊、研究班班長をしております、ルブセィラと申します」
「ハイアンディプスです。よろしくです。ハイアディと呼んでください」
私も人に挨拶するのにちょっと慣れたかな? ルブセィラ、眼鏡の女はニコリと微笑んで私を見る。
「私は魔獣研究を生業としていまして、深都の住人にはとても興味があります。ですが、ハイアディに無礼なことをするつもりはありません。これから仲良くしていただければ、嬉しく思います」
ルブセィラが丁寧に挨拶する。あれ? クインとアシェから聞いたのとちょっと違う? クインからは、
『あの眼鏡は深都の住人の身体に興味津々だから、ハイアディは気をつけろよ。嫌なことされたら、ちゃんと嫌って言えばやめてくれるから。一番気をつけなきゃいけないのは、赤髭のオッサンだけど』
領主館で二番目に気をつける人間なのが、この眼鏡だって言ってた。アシェは、
『眼鏡賢者は深都のことを訊ねようとしてくるわ。うっかり口を滑らせないように気をつけるのよ。でも、深都の住人の身体を真剣に心配して考えてくれるのも、あの眼鏡賢者なのよね。ゼラの出産のときも、カラァとジプソフィの子育ても、眼鏡賢者に助けられているし。研究者だけあって知識もあるから、ハイアディが人のことで聞きたいことがあれば、眼鏡賢者に聞いてみるといいわ』
と、言ってたっけ。気をつけるとこもあるけれど、クインとアシェはこのルブセィラのこと信用してるみたいだった。
人の研究者、魔獣の専門家。うん、なんだか他の人とも私を見る目がちょっと違う?
ルミリアとルブセィラはレーンの家の地下室を見て、巨大壺に目を止める。人がすっぽりと入ってしまえそうな大きな壺。ルミリアが巨大壺を指さして、レーンに訊ねる。
「これがハイアディを隠して運んだっていう壺?」
「はい、ルミリア様。もともとローグシーの街壁の外に捨てられていたもので、底が抜けています。守備隊で回収したものの、修理して何かに利用するか、それとも処分するかと迷い、そのままになっていたものです」
うん。レーンがこの壺の中に私を隠して、レーンとレーンの部下さんが、荷車でレーンの家に運んでくれたの。この壺は、レーンが私を助ける為に使った、レーンから私への初めての贈り物。二人の出会いの思い出の品なの。ちょっと磨いてみたら茶色の光沢も出て素敵。私が入るとちょっと狭くて窮屈だけど、そこがいいのよね。私、狭いとこに入ると落ち着くから。
この巨大壺に入るとレーンと初めて会ったことを思い出して。動けないまま猫にかじられそうになった私を、レーンが水をかけて助けてくれたのよね。
ルブセィラが巨大壺をマジマジと見る。
「こんな大きな壺、いったい何の為に?」
「以前に商人が水系の魔術師と共に、移送に使おうとしたようです。南のジャスパルから海産物を生きたまま運ぼうというもので、この壺に海の大きな魚を入れてローグシーまで運ぼうとしたようです。ですが、運ぶのに手間がかかる上に、魚を生きたままローグシーまで運搬するのは難しかったようです。成功しても高値をつける物好きがいないと赤字になったようですね」
「移送に手間がかかる上に、海の魚を生きたままとなれば、水系の魔術師の負担も大きいでしょうね」
この壺、それで捨てられてたんだ。ローグシーは海から遠いからね。私も大きなエビとかカニとか食べたいけど、ローグシーじゃ手に入らないのよね。
この前、久しぶりに食べた川のカニは美味しかったけど。
設定考案
K John・Smith様
加瀬優妃様
m(_ _)m ありがとうございます
(* ̄∇ ̄)ノ 時期的にはアイジスがローグシーに来る前で、ゼラの結婚式の前、になるかな?




