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魔法闘女 マジカルゼラ!!

勢いで登場、お約束?的な魔法少女なスピンアウト。

( ̄▽ ̄;) まさかのハイリュウが参戦しました。



♪愛する人に出会った、その手は暖かかった

温もり求めて、森から見つめて

いつか人になれるのかしら?

人になって会えるのかしら?


夜空の星に手を伸ばす

それは届かない願いかもしれない


だけど、


ゼラ、ゼラ、力の限り

ゼラ、ゼラ、愛を求めて

あなたのためならドラゴンだって


「めっさつ! びー!」


森の奥から帰ってきた

私は蜘蛛の子

ゼラ♪ ゼラ♪ マジカルゼラ~♪


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 魔法闘女マジカルゼラ

 ~遅れてやって来たミニスカサンタ~


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「ふえー、何? あの骸骨ー!」


 街の中を下半身蜘蛛のアルケニーが必死に走る。その手には大事そうに箱を持って。

 ゼラは箱を落とさないようにしながらも、全速力で走る。ゼラの速度に普通の人間はついていけない。しかし、その背後にぴったりとくっつくように走る豪華なローブの男は引き離せない。

 ローブの中の顔は骨の顔。どこからどう見てもアンデッドだ。


「待てぇ! マジカルゼラー!」

「骸骨がー! 骸骨がしつこいー!」

「骸骨では無い! ハイリュウじゃ! いいかげん覚えろ! 魔獣王のタイトルを賭けてワシと勝負じゃ! マジカルゼラ!」

「もー! 女の子をしつこくつけ回すのは、ストーカーって言うのよ!」

「お! ま! え! が! 他人をストーカーとか言えるのか!?」

「ゼラはストーカーじゃ無いもん! カダールが好きなだけだもん!」

「それで何年もつけ回すのをストーカーって言うんじゃ! いいからワシと勝負しろ!」

「ヤだー! 気持ち悪いー!」


 ゼラは目に涙を浮かべて逃げる。その後を豪華なローブの骸骨、ハイリュウがアスリートのように良いフォームで走って追いかける。


「ええい! 何故、ワシに勝った者がこんな腑抜けた姿に!」

「腑抜けて無いもん! カダールは可愛いって言ってくれたもん!」

「その男がお前を腑抜けにしたのか? ならば先にその男から始末して!」


 前を走るゼラがピタリと止まる。振り向いてハイリュウを睨む。


「カダールを始末する? そんなのさせない! らいっ!」


 左手に箱を抱えたまま、右手をハイリュウに向けるゼラ。その手から雷の鞭が伸びてハイリュウを打つ。ハイリュウは両手を交差させて雷の鞭を受け止める。


「このハイリュウに魔法は効かんぞ! ようやくやる気になったか! 魔獣王のタイトルを賭けて、いざ尋常に!?」


 ハイリュウが身を守る為に上げた腕を下ろすと、そこにはハイリュウに飛びかかるゼラの姿。豪快な飛び後ろ回し蹴りのモーションの途中。


「お、お前、変身前に攻撃とか! お約束をだ!」

「知らない! 飛んでけ!」


 ゼラの下半身は大きな黒い蜘蛛。そして人を越えた怪力。何より脚の数は七本で左の脚だけでも四本ある。勢い良く蜘蛛の四本の爪が鋭くハイリュウを襲う。

 これこそアルケニー式格闘術、イナズマローリングソバット四連。


「おおおおお!?」


 変身する前に、変身して真の力を発揮できないまま、ハイリュウは蹴られる。四本の脚のうち二本まではガードしたものの、残る二本が胴体に突き刺さる。ハイリュウはそのままの姿勢で身体をくの字に曲げて、悲鳴を上げて街の上空を高らかに飛んでいき、厚い雪雲の中に消えていく。


「憶えてろよー! こんちくしょう!」

「もう来ないでっ!」


 邪魔者をやっと排除したゼラは慌てて家へと帰る。


「遅くなっちゃう! カダールが帰る前にじゅんびしないと!」


 特別な日には特別な祝い事を、そのためにゼラは準備してきたのだ。


 カダールが二人の家へと戻る。ゼラが街に来てからいろいろと騒動があり、カダールは仕事が増えて最近は帰るのが遅くなりがちだ。それでもゼラが安心して街に住めるようにカダールは頑張っている。


「ただいま、ゼラ……?」

「お帰りなさいっ! カダールっ!」


 カダールを出迎えたゼラは、片手にケーキ、片手にシャンパンを持っている。そして見慣れない姿。

 赤いふわふわもこもこのファンシーな服。スカートの裾は短い。いわゆるミニスカサンタの姿だ。


「ゼラ、その格好は?」

「メリークリスマスっ! どう? カダール、可愛い?」


 カダールは思わず鼻を押さえる。いつも可愛いゼラがいつもと違う格好。これはこれでいい。服のサイズが合わないのか、胸のポムンがこぼれそうに。何よりカダールのためにわざわざ用意したミニスカサンタの可愛らしさに鼻血が出そうに。たまらない。

 何この可愛い生き物? ゼラ可愛い!

 我慢できなくなってカダールはゼラをぎゅっと抱き締める。


「可愛いよゼラ」

「うふふー」

「でも、言っておかないといけないことがある」

「何?」

「クリスマスはもう終わっているんだ……」

「え?」


 人の風習に疎いゼラはクリスマスを教えてもらったものの、その日がいつなのか解っていなかったのだ。

 まぁ、それでもミニスカサンタに日頃の疲れも吹っ飛んで元気になったカダールと、朝までムニャムニャしちゃうのだが。


 闘え! 魔法闘女マジカルゼラ!

 やっちゃえ! 黒蜘蛛の騎士カダール!

 諦めるな! 挑戦者ハイリュウ!



挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)




魔法闘女マジカルゼラ


設定、K John・Smith様

イラスト、別荘の主カセユキ様


m(_ _)m ありがとうございます。

( ̄▽ ̄;) エンディングの『あるけに音頭』は、そのうち、また。


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