表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/162

リス姉妹ローグシーの街にて

リス姉妹、仇討ち編は過去編ということで。

その後の双子はローグシーの街にフラりと来ちゃいました。


 夜のローグシーの街、路地に走り込み肩で息をする一人の少女。東方風の着物に身を包み、腰に毛皮を巻いた奇妙な服装の少女。

 最近ローグシーの街で噂の双子の旅芸人。歌と軽業と見た目の可愛らしさで話題に上る姉妹。

 その片割れが壁からそっと背後を伺い、小声で呟く。


「……まいたか?」


 追っ手はいないかと見回して、人気が無いことを確認しほっと安堵の息を吐く。


「まったく、なんだ? あの女? セッシャの動きについてくるとは、まさか本物のシノービ?」

「おいかけっこは終わりか? ふふふ」


 暗がりから聞こえた声に慌てて振り向く少女。その暗がりから一人の女が進み出る。


「何? セッシャが気配を追えぬだと? お前、何者だ?」

「双子の片割れ、セッシャと言うのはユッキルデシタントだったか?」

「貴様、何故セッシャの名を知っている?」

「なに、アイジスに頼まれてな、なんでも俺が捕まえることができたら、好きにしていいとアイジスから許可は貰っている」

「ぬぬ!? アイジストゥラ! まさか、セッシャを売ったのか!」

「……いや、お前達が逃げるからだろ?」

「それは、セッシャ達には、おっぱいいっぱい男を見定めるという使命が、」

「そうか」

「そうだ、だから、」

「観念しろ、娘リスちゃん」

「チーーーーッ!?」


◇◇◇◇◇


「チッ、ここにも罠? これが噂の蜘蛛の姫の糸の技かっ!」

「……よく見つけられますねー」

「ちいっ! しつこいっ! ソレガシに付いてくるとは!」

「身を隠すつもりなら、夜中の街中を屋根から屋根へと飛び移るのはやめて下さい」

「ではソレガシを追うのをやめろ!」

「……いいかげんアイジスが切れそうなんですよ。本気で暴れられたらローグシーの街が壊滅の危機なので、おとなしく捕まりなさい、カッセルダシタンテ」

「怒ったアイジスと会うのはごめんこうむる!」

「もういいです。ゼラちゃんやって下さい」

「しゅぴっ!!」

「チーーー!?」


◇◇◇◇◇◇


「「ちー……」」


 ここはウィラーイン家新領主館の大広間。そこに二人の女が糸でグルグル巻きにされて寝転がっている。東方風の着物を着て腰には毛の長い毛皮を巻きつけた奇妙な服装。最近、ローグシーの街で話題の旅芸人の双子の姉妹。


「さんざん手を焼かせて! このバカ双子が!」


 その二人を前に怒り心頭といった有り様の異形がいる。下半身は巨大な海亀、上半身はスラリとした長身の美女。すっかりウィラーイン家の食客となったアクーパーラのアイジストゥラ。


「何故、逃げた? カッセルダシタンテ、ユッキルデシタント?」

「それはアイジストゥラが追いかけるから」

「だったらもっと目立たぬようにコッソリしろ! 人化の魔法もへたっぴで尻尾も隠せないくせに!」

「ソレガシはちゃんと人に紛れていた。歌も好評でおひねりもいっぱいに」

「セッシャの軽業も子供達に大人気で、街の人は喜んでいた」

「目立ってるだろうが!!」


 その様子を眺めるのは、ゼラ、ハガク、クチバ、ルブセィラ。話をしようにもチョロチョロと逃げる双子を捕まえるため、ついに本気で捕獲作戦となった。ハガクとクチバが隠密隊と諜報部隊フクロウを率いて双子を追い詰め、ゼラの罠でついに双子を捕獲したのである。

 ハガクがアイジストゥラに、


「さて、捕まえたならば好きにして良いとのことだったが?」

「あぁ、ちょっとばかり思い知らせてくれ。まったく私の話も聞かずに好き勝手した挙げ句、騒動まで起こすとは」

「セッシャは何もしてないのだが?」

「ソレガシも身に覚えが無いのだが?」

「だったら人前で人ができないような軽業とか見世物にするんじゃ無いバカ双子! お前達ローグシーの街で噂になってるんだぞ!」

「それはソレガシの歌が良かったのだろう」

「それはセッシャの技の冴えに見惚れたからであろう」

「「人も修練すればこれぐらいできる筈」」


 縛られた双子の言うことに、アイジストゥラは額に手をあて深くため息を吐く。


「もう、好きにしてくれ」

「あぁ、流石アイジストゥラ、話が解る。クックック」


 ちょっとやらしい笑みを浮かべた隠密ハガクが身動きできない双子に近づく。


「さて、その腰の毛皮は尻尾だとアイジストゥラより聞いてますが、人化の魔法が苦手と。ふむ、まずはその毛から採取して、」


 ルブセイラ女史は採取用のピンセットにガラス瓶を構え、新たなサンプル採取にわくわくしながら。


「おお、これはもっふもふですね。では正体を出す為にこの尻尾をいじりたおすとしましょうか」


 フクロウのクチバはカッセルダシタンテの大きな尻尾を抱きつくように握りしめ。


「わー、ふっかふか。逆撫で逆撫で逆撫で逆撫でっ!」


 ゼラはユッキルデシタントの尻尾を執拗に逆撫でを繰り返す。


「「ちーーーーっ!?」


 双子の姉妹は下半身巨大リスの正体を現し、それでも執拗にいじり回され、息が切れぐったりとするまで弄ばれることになる。

 人間相手に深都の住人、ラタトスクの双子にとってはこれまでに無い屈辱のとき。

 しかし、ゼラの糸に縛られ、アイジストゥラの結界に囚われてはもはや抵抗もできない。


「さて、次は風呂だ。服を脱がすぞ娘リスちゃん」

「「ちーーーーーー!?」」



設定考案

K John・Smith様

加瀬優妃様


m(_ _)m ありがとうございます。


( ̄▽ ̄;) ローグシーの街がいよいよ人外魔境に?

(* ̄∇ ̄)ノ このあとリス姉妹はハハウエとアルケニー調査班とハガクの隠密隊のくノ一(ちょいとそっちの趣味アリ)とアルケニー監視部隊(ゼラちゃん見てハァハァする女騎士など)のおもちゃにされ、存分に可愛がられました。まる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ