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鎧鍛冶師の妹のアーキィの至福の日

(* ̄∇ ̄)ノ かつてゼラの胸型でケーキを作り怒られた鎧鍛冶師妹の主役回です。


 私の名前はアーキィ。この度、聖獣警護隊、武装班に編制されました鎧鍛治師です。

 私と姉さんのミューギルはローグシーの街で鎧鍛冶師をしておりました。変わった注文も受けつけると、街では腕の立つ鎧鍛治師と評判でした。


 姉妹で鎧鍛治師なので女性のお客様の専門というところですね。眼福です。

 私の姉が金属加工を得意とし、私は鎧下など布地を扱うのを得意としています。これまでハンターにウィラーイン領兵団の女性のオーダーメードの鎧に鎧下を作ってきました。


 蜘蛛の姫ゼラ様のブレストプレートの注文を受け、私と姉さんで特注鎧に鎧下を作ったのが切っ掛けで、こうしてゼラ様のお側にお仕えできることになるとは。至福です。


 そして今、私は楽園にいます。夢のようです。湯煙の中にゼラ様の褐色の裸身が、その至高の褐色の双丘が。


「ン? アーキィ、どうしたの?」

「はう、いろいろスゴイです」


 私は今、ゼラ様と混浴しています。ウィラーイン伯爵家の領主館にある大浴場は、ルミリア伯爵夫人がゼラ様と家族風呂できるようにと作った、とても広い大浴場です。

 浴槽の奥の方はゼラ様が肩まで浸かれるようにと深く作られ、子供は足がつかない程の深さ。星入りの大理石でところどころキラキラと輝く大浴場を使えるのは、聖獣警護隊の女性隊員の役得でもあります。


 今はこうしてゼラ様と聖獣警護隊員のシグルビーに数名の隊員と、領主館の大浴場で、ゼラ様とお風呂に入っています。ほおう。

 ゼラ様が人に髪を洗ってもらうのが好き、ということで、シグルビーが一緒に入ることが多いのですが、希望者も多いのです。

 今回、やっと私の順番が来ました。待ち望んでいたゼラ様とのお風呂です。みなぎってきますね。


「ン? スゴイ?」

「はい、スゴイですう……」


 今、ゼラ様が私と同じ湯船に浸かり、私の目の前で可愛らしくキョトンと首を傾げています。ゼラ様の下半身は大きな黒蜘蛛で、私が座って入れる浴場だとゼラ様を見上げることになります。

 そして全裸のゼラ様の破壊力はスゴイのです。聖獣ゼラ様、なんと立派なお胸。こうしてやや見上げる高さで、下乳から見上げる褐色の双丘はまさに神話の造形美。はふう。


「おい、アーキィ」

「なんですか? シグルビー?」

「目付きが危ない」

「それはもう仕方無いじゃないですか、敬愛するゼラ様と一緒にお風呂なんですから」

「アーキィはゼラの装備品作るのに、ゼラのサイズを測ったりしてるだろうに」

「あれは仕事ですから。仕事の為にわき上がるものを抑えているんです。鎧職人の腕前を見込まれて武装班に入ったのだから、プロの技術者としての仕事をしなければならないのです」

「……あれで、抑えていたのか」


 なんで呆れたように諦めたように言うのですか? シグルビー?

 

「聖獣警護隊の女騎士とか、ソッチの気があるのもいるけれど、アーキィもか?」

「いえ、私は仕事柄、女性の裸を見ることもあるのですが、私がこんな気持ちになったのはゼラ様が初めてです」

「そうなのか? てっきり趣味と実益を兼ねてるのかと」

「如何に女性の身体美を損ねないように、とこれまで鎧と鎧下の改造や新規開発をしてきました。私の作ったサポーター付き戦闘用ブラジャーに、鎧下衣服(ギャンベソン)は戦う女性たちに好評です」

「確かに、動きやすくてあれはいいものだけどさ」

「ですが、ゼラ様のお胸のサイズは別格。あの大きさで垂れることも無く重力に逆らうかのよう完璧な造形美! 私がこれまで計測してきた中でも断トツの大きさでありながら、見てくださいあのツンとした張りとまろやかさを!」


 ゼラ様は、そお? と言ってその褐色の双丘を下からポムンと持ち上げます。はあう。

 シグルビーは私に、


「アーキィの姉さんのミューギルから聞いたけど、アーキィはちっパイにコンプレックスがあって大きな胸に拘るようになったって」

「そういうのもあるかもですが、私は女性のお胸の形を守るべく工夫して仕事しているだけなのですが。せっかくの天からの授かりものなので大事にしないと」

「それが、ゼラちゃんの巨乳で弾けて何か開眼してしまったと。はあ」

「そして仕事とプライベートは分けるもの。つまり今のこのときは、失礼にならない程度にガン見しておさわりしても良いのです。鼻血が出そうですね!」

「そういうところが表に出るから、カダール副隊長に警戒されるんだろうに」

「しかし、カダール副隊長も器の大きい男ですよね。男の隊員でもカダール様に勝てたらゼラ様と混浴してもいい、なんて」

「自分の妻の胸を他の男が見てもいい、触ってもいい、なんていう旦那は珍しいよな」

「ゼラ様はカダール様一筋で浮気の心配なんてありませんからね。そして有り余るゼラ様の愛をお裾分けしてもいい、なんて実に男前です」


 しかし、カダール副隊長はあの至高のお胸を好きなときに好きなようにしているのですか。羨ましい。いえ、それもカダール様だからこそ、でしょうか。


「カダール様は嫉妬とかしないんですか?」

「してたらこうしてあたしらが混浴とか、アーキィとの混浴を許すとか、してないんじゃないか? あと、カダール副隊長にしてみれば、ゼラちゃんが他の人達と仲良くなれば、っていうのもあるんだろ」

「そうなんですか?」


 私とシグルビーの話を聞いてたゼラさんが、


「えっとね、前にゼラが自分の身体が人とどう違うのか心配になって、女性隊員に見せてってお願いしたことがあるの。シグルビーと胸を見せあって触らせてもらったことあって」

「あー、そんなこともあったな。でもゼラちゃんもそれで人の女の裸を見て触って、納得したんだろ?」

「ウン、上半身は同じ」


 いえ、かなり違うと思うのですが。見た目はほっそりとした少女のようなのに、お胸は極大。首も腰も細いのに、軽く小首を傾げる姿に肌を伝うお湯の雫の色気とかとんでもないと思うのですが。


「ン、アーキィ、湯加減はどう?」

「最高です!」


 目の前に揺れるポムンにのぼせそうです。たまりません。ゼラ様のお胸は究極の巨乳です。理想を越えた芸術品です。

 とても双子の御子を生んだとは思えないプロポーション。そして母乳が出るようになってさらに一回り大きくなったお胸様が私の目の前に。もはや眼福極まりました。

 プルン、では足りないですね、擬音で言うなら、ドプルンッ! ですか。

 褐色の肌に薄桃色の頂点が映えています。お湯を弾く玉の肌。


 このおっぱいから出る母乳で、カラァ様とジプソフィ様はすくすくと育っています。そう、おっぱいとはただのセクシーアピールの為にあるのではありません。子を育てる命の泉なのです。

 なのでゼラ様の至高の双丘とは、聖獣ゼラ様の慈悲と慈愛が詰まった聖なる命の乳。触れるだけでも心安らぎ穏やか幸せに包まれる幸福の泉。

 思わず手を伸ばしてしまいます。


「ウン?」


 はあ、癒される。むに。この柔らかさ、それでいて手に余るしっかりとした手応え。存在感が違います。ゼラ様のおっぱいは、ただのおっぱいとは格が違うのです。むにむに、むにに。


「おい、アーキィ」


 は? シグルビーに注意されて我に帰ります。


「す、すいませんゼラ様、つい、」


 ゼラ様はニコリとあどけなく微笑みます。聖女の笑み。


「アーキィもゼラのおっぱい、好き?」

「大好物です!」

「そう?」


 ゼラ様の手が伸びて私の頭を抱えます。え?


「むぎゅっ」


 ほおおおおお! ゼラ様のお胸様に私は! 今! 顔を埋めて! はああああ! スゴイです。ポムンです。ふくよか過ぎます。なんだかいい匂いがします。手足から力が抜けていきます。あぁ、いろいろ讃えたいのに語彙力が足りません。天国です、楽園です。褐色の雲の上です。ゼラ様が私を幼子のように抱っこして、ゼラ様のおっぱいに、いえ、これはただのおっぱいではありません。ゼラ様の御ぉっぱい様に埋もれて、ふほおーーーー!



(* ̄∇ ̄)ノ 後日談をK John・Smith様が書いてくれました。


◇◇◇◇◇

アシェ

「邪神崇拝の集団が近くに出たそうね」


カダール

「そうだ。夜中にローグシーの郊外で女を磔にして騒いだ奴らがいたらしい」


アシェ

「らしい? はっきりしないわね。赤毛の英雄は現場を調べたのでしょう?」


カダール

「それがなにもなかった。目撃したのは道に迷った中央の商人だが、街に駆け込んだときはパニックを起こしていた。邪神教徒だ、生贄の儀式だ、と騒いでいたらしい。護衛のハンターたちがその場所を案内できたし、話を聞いた将官が、すぐに伝令を飛ばして街道の要所をおさえてくれたのだが……」


アシェ

「歯切れが悪いわね」


カダール

「うむ、話では少なくとも20人は集まっていたという荒地には、人がいた痕跡は無かった。おかしな人間や荷は検問にも引っかからなかった。

 黒い覆面と黒いマントの一団、荷馬車、丸太の磔台、いくつもの篝火、取り囲まれて磔にされていたという女も、どこからも見つかっていない」


アシェ

「その商人、夢でも見たのかしら」


カダール

「いや。何かあったのは確かだ。痕跡が無さすぎる。足跡や轍や篝火の痕跡だけじゃない。あって当然の獣の足跡や落ち葉の類まで無くなっていた。

 証拠隠滅を優先して、証拠隠滅をした違和感をごまかす工作までできなかったんだ」


アシェ

「それ、どうやってわかったの?」


カダール

「同行したフクロウのクノイチの報告だ。相手は一流の腕のそれなりの人数の諜報のプロが関わっているという。今、クチバが現場に向かっている」


アシェ

「ここのシノービも感心するプロに守られた正体不明の一味………、いやな感じがするわね。でも、磔にされていた女も消えていたのよね? そいつら結局、夜中に何していたのかしら?」


カダール

「それが護衛のハンターたちの話だと、磔の女はずーっと、にへらにへら笑っていたそうだ。


アシェ

「………クスリを嗅がされていた、とかじゃなくて?」


カダール

「わからん、だが、すごく近寄りたくない雰囲気を撒き散らしていたそうだ。目鼻がマスクで隠れていたが、集まっていた連中より笑顔のハリツケ女が不気味だったと」


アシェ

「夜中に、人気のない荒地で磔にされて、覆面の男たちに取り囲まれながら、通りかかった人間がおののくくらいおかしな気配を振りまいて、笑っていた? ……その女、人間かしら?」


 カダールとアシェが話し合っているころ、聖獣警護隊武装班、工作室では。


聖獣警護隊、隊員

「アーキィさんが風邪をひいた?」


武装班、鎧鍛冶師ミューギル

「すまないね、明日の打ち合わせは私がかわりに出る。ルブセィラさんに頼まれた蒸留器なんかは仕上げも終わっている。仕事に穴は開けないよ」


聖獣警護隊、隊員

「それはいいんですが。なんで急に具合を悪くしたのでしょう。ゼラさんに診てもらいましょうか?」


武装班、鎧鍛冶師ミューギル

「そいつは逆効果だ」


聖獣警護隊、隊員

「え?」


 ローグシー最大の闇組織と呼ばれる謎の集団『黒の聖徒会』

 ゼラ姫との入浴・抱擁を体験したうらやましい副会長を、幹部総出で吊るし上げるような、おとな気ない連中は、超過勤務の王国諜報部隊、クチバの隠密隊の超一流の仕事によって厳重に存在を秘匿されていた。


「うぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ♡」


 なお、アーキィが休みにされたのは、陶然としたまんま、まだ帰ってきていないからだった。

(アーキィは風邪ひかない)


◇◇◇◇◇

m(_ _)m

K様、ありがとうございます。

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