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七瀬真凛さんとの出会い

ここからオリジナルの話に入っていきます。

よろしくお願いします!


♦︎♦︎♦︎3ヶ月前♦︎♦︎♦︎



「おーい、昴。じゃん負けで決まったんだからさっさと買ってこいよ!」


「今更恥ずかしがんなって!たかがブラジャーだろ?誰かが付けること考えるから恥ずかしくなるんだよ!」


「そうそう、あれはただの売り物、さ!そういうわけで買ってこい」



負けた奴が女性物の下着売り場に行き、彼女の下着を買いに行くという名目を作り、ブラジャーを買う。


もちろん僕に彼女はいないし、好きな人も

いなかったけど、負けたものは仕方ないか......


馬鹿らしいと言えば馬鹿らしいし、高校生らしいと

言えば高校生らしい。


高校生にとって、いや男性にとってはランジェリーショップというのはどこか恥ずかしいものがある。様々な柄という柄が男を惑わし、魅了する。


小さい頃にやってはダメよと言われたことが何故か

やってしまいたくなるのと同じで、このランジェリーショップというのも入るのが恥ずかしい、理由はないけど入ってはダメなんだというその気持ちが逆に僕

たちの好奇心を程よく刺激する。


馬鹿らしいと思いながら、みんな密かに自分が負けないかと祈ってるのではないかと思った。


もちろん、好きな人も彼女もいない僕はブラジャー自体に興味はないものの、どこかその空間に入るのが

恥ずかしくも、そして少しばかり入ってみたいという感情が頭をよぎっていた。


「わ、わかった!いけばいいんだろ、いけば」


しかし、高校生のこの頃というのは自分で言うのも

何だけど難しいお年頃だと思う。


入ることに興味があってもみんなにからかわれる、

周りからのそういう目が嫌なのだ。


だから、僕はつい語気を強めながらもそこへと足を踏み入れた。


そして、そこにはノーマルの物から派手なもの、高校生の僕には刺激が強いものまでが置かれていた。


彼女へのプレゼントという名目だけど、童貞の僕には同い年の女の子が何を付けているかなんて想像がつかない。


でも、長居はダメだ。販売員さんに話しかけられでもしたら、僕の心臓は持たない......


だから、どうか僕には話しかけることもここにいることに触れることもしないで下さい。


そんな僕の心の声は虚しくも届かず、


「なにかお探しものですかー?」


俯いて売り場を歩いていた僕に親しげに声がかかる。


や、やばい、販売員さんに話しかけられた......


僕の心拍数は跳ね上がり、一人でワタワタと焦っているのだけど御構い無しに販売員さんは言葉を続ける。


「えー!もしかして彼女さんへのプレゼントですか~?だったら~こっちよりもいいものがありますよ~」


その距離感を考えず、グイグイくる販売員に何を返せばいいか分からなかったが、とりあえず失礼のない

ように顔をあげよう。


いくら高校生だとは言え、販売員さんは僕が罰ゲームでここに来たことなんて知らないし、お客さんだと

思って接客をしてくれてるんだ。


そうだ、きっと相手はただのおばさんだと言い聞かせ、僕は顔を上げた。


そこには厚かましいおばさんの顔などなく、その手には際どいTバックを持った女神と言っても過言では

ない女性が目の前には立っていた。


「あ、いやそれは流石に......」


「あー、まあ高校生には早いかな~?でも~私くらいの年齢なら似合ったりー?ほらほら~どう?」


そう言って自分の腰あたりにTバックを当てる販売員の女性、ネームプレートには七瀬と書かれていた。


「じ、自分の腰に当てないでくださいよ!

じょ、女性がそういうことするのはダメですよ!」


僕よりは年上で、大人で、そしてそれでいて

可愛らしい彼女のその言葉に僕の顔は真っ赤になったのだろう。


七瀬という苗字らしいお姉さんはクスクス笑いながら、


「そんなに真っ赤になって可愛い~!私もう30なのにまだそう言ってもらえるのね」


顔を上げ彼女を見たとき、そして彼女のその言葉を

聞いた僕は心の中で何かが芽吹いた。


そんな気がした。


高校生の僕にその笑顔は眩しく、そして魅力的で、

この空間がよりそれを加速させた。


僕は一目惚れという名の恋、すなわち彼女に

ノックアウトしてしまったのだった。



ここまでご覧いただきありがとうございました!

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