魅惑なメッセージ
本日2話目です。今回も開いていただきありがとうございます!
よろしくお願いします!
『真田くん、販売員の七瀬真凛です。今まで揶揄ったりしてごめんね、人の気持ち考えて動くの私苦手で、、私が悪いんだから気まずいとかそんなこと気にしなくていいからね!』
なんで七瀬さんからKINEがきてるんだ?
驚きと喜びの両方が重なり合い、僕自身分からない感情が心の中に渦巻いていた。
『今日は急に帰ってしまってすみません。体調があまり良くなくてあんな態度になってしまいました。僕の方こそすみません』
とりあえずこんな感じでいいかな?
好きな人にKINEを送るという初めての行為にメッセージを消したり、また打ってみたりと同じ行動を何回も繰り返す。
結局最終的には、
『今日は急にあんな態度をとってしまってすみません。七瀬さんの揶揄い?は別に嫌じゃないですよ!ちょっと他のことで考え事をしてただけなので気にしないでください』
よし、文面もおかしくないはずだしフォローもいれた。これで送信っと!
よほど気にしてくれていたのかすぐに既読がついた。
『本当に~?高校生って悩める時期だよね~そうだ!お姉さんが話聞いてあげようか?♪』
楽しげなスタンプと共にそんなメッセージが送られてくる。
正直、すごく魅力的な話だ。下着を買う口実以外に彼女と会える。
だけど、あの天海さんという人が言っていたこと、すなわち七瀬さんに旦那さんがおられるということが気になった。
僕はこのまま七瀬さんを好きでいていいのだろうか?
彼女には彼女の家庭がある。
僕の気持ちは届かせたくても届いてはいけない想いだ。
悩む僕に再びメッセージが届く。
『話聞くよーって言っても男の子がランジェリーショップって恥ずかしいよね。もし良かったらなんだけど今までのお詫びも込めてご飯行かない?私美味しいお店知ってるんだ~♪その時に悩みも聞くよ!』
人の気も知らないけどなんでこの人はこうもポンポンと話を進めていくんだ。
『僕は大丈夫ですけど、七瀬さんは大丈夫なんですか?』
この大丈夫には旦那さんがいるのに男と会っても大丈夫なんですか?を込めたつもりだったのに......
『んー?何がー?』
何1つとして伝わってない。
なに?これ確信犯なの?
『だから、家の用事とかないんですかー?』
『家の用事って高校生じゃないんだから♪真田くん面白いね♪私一応社会人なんだしそんなこと気にしなくていいよー!それとも私とは行きたくない?』
この文面と悲しげなスタンプを一緒に送られては僕はもうどうすることもできない。
そうだ、七瀬さんの口から直接聞いたわけでもないし、それに片想いなら問題ない。
きっと天海さんが言ったことは事実だろうし、これが都合のいい言い訳でしかないことは僕自身が一番分かっていたけど、
『七瀬さんとご飯行きたいです』
馬鹿みたいに素直な文面を送ってしまっていた自分がそこにはいた。
『素直でよろしい♪また連絡するね♪』
僕は七瀬さんとの約束に浮かれてしまったのか、1番謝らないといけないであろう、可愛さんへの返事をせずに1日を終えようとしていた。
天海さんの一言により、強制的にシャットダウンしそうになった僕の初恋は何故か強制ログインという形でまた立ち上がろうとしていたのだった。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
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