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番外編(1) 冴木流星の気持ち

本日2話目の更新です。流星視点のお話、今回もよろしくお願いします!



いつもの昼休み、加奈と昴がいないことをいいことに俺たちはいつも思ってることを言い合う。


「あいつらさっさと付き合えばいいのにな」


「見てるこっちの方がもどかしいぜ」


昴とは小学校からの幼馴染、加奈と響は中学校から一緒で仲良くなった。


昴は昔からよく言えば大人しくて優しい、悪く言えば優柔不断で冴えないってところか。


だけど、顔は悪くないし人のことを思って行動できる。そんな優しい昴は俺の自慢の幼馴染であり親友だ。


響はお調子者、加奈も美人で可愛いと言われながらもお高く止まることもなく、どちらも大切な友達だが、年数が長い分昴に対する思い入れが強い。


「なあ、流星、昴のやつ加奈のどこが気に入らねーんだろうなぁ?」


いや、響。おそらく昴は加奈の気持ちに気づいていない。


そう言いそうになるも話がややこしくなりそうなので俺は濁すことにした。


「昴、まだ好きな人できたことがないって言ってたし、自分の気持ちがわかんねえだろ」


「あー、昴そういうところがあるからなぁ」


気づけば俺たちの会話に伊吹も加わる。


「加奈も加奈で中々告白しねーしなぁ」


「中学から好きなんだからさっさと告っちまえばいいのによー」


「まあ中学の時はそれほど関わりもなかったし、加奈もそれができたら苦労しないさ」


「ほんと、昴はいいよなぁ。あいつが付き合わねえなら俺が付き合いたいぐらいだよ」


「全く、響はいっつもそんなこと言ってるな」


「なあ、俺に提案があるんだけど」


伊吹からの提案、中々珍しいなと思った。


「今週、俺たち部活ねえんだ。みんなで行きたい場所があるんだ」


「どこに行きたいんだ?」


ニヤついた顔で伊吹はこう続ける。


「響が大好きな場所だよ」


…………


当日の俺たちの作戦はこうだった。


ランジェリーショップへ行き、罰ゲームを装い、昴をじゃんけんに負けさせてブラジャー類を買いに行かせる。

そして、その買ったものを昴の好みだと言い、加奈にKINEのチャットに送る。そうしてお互いを無理

やりにでも意識させようというものだった。


伊吹の作戦は少々強引ながらも、高校生の欲を利用した見事のものだと思った。昴は良くも悪くも断れない性格だ。だから俺がついていてやらないと、と思う

反面、こういう時にはその性格が役に立ってしまう。


そして、ことは見事に運び、何があったか知らないが予想以上に際どいやつを昴は買ってきて、それを加奈のチャットへと送った。


加奈は物が物だと言うのもあり、かなり動揺。加奈が何を履いてるかまでは流石に俺たちも知らなかったが、どうやらそれとはかけ離れていたらしく、加奈は昴に一緒に買いに行こうと誘っていた。


加奈は学校のアイドルと言われるだけあってとても

可愛い。そして性格も悪くない。


加奈になら安心して昴を任せられる。


いつから俺はこんなに昴に対して過保護になって

しまったのかなと我ながら苦笑いだ。


あいつには小学校からの返して返しきれない恩が

ある。


だから俺が手助けできることはしてやりたい。




だが......


良かれと思って俺たちが決行したこの作戦が、

昴の純粋だった心を、引き返すことのできない泥沼へと落としていくキッカケになってしまうとは、俺、

そして響も伊吹も知る由もなかった。


ここまでご覧いただきありがとうございます!

番外編その2ら明日投稿します!よろしければブクマ、感想、評価お願いします!

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