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とある実業家の詩集、34ページより
親愛なるツェレッサへ。
長らく手紙を寄越さなかったことについては、どうか大目に見てほしい。
こちらも随分と忙しくなってしまってね。筆を執る時間もうまく取れない状態なのだ。
セルの生産はうまく進んでいる。君に貰ったアイデアも、うまいこと利用させてもらったよ。
今の私があるのは、ひとえに君の多大なる助力があったからにほかならない。
どれだけ感謝してもしきれないよ。何を贈っても、きっとこの恩には報いることはできない。
ああ、そうだ。折角だし、白夜の写真でも同封しておこうか。
北は寒いが、こんな美しい夜が見られるなら、と思ってしまう。
それほどに美しい景色なんだ。誇張じゃあないさ。ひとまず見てくれよ。
そろそろ仕事が再開しそうだ。
毎度こんなに短い手紙で申し訳ない。
また何かあったら連絡することにしよう。
それではまた。
君の未来永劫の発展を祈って。
我が唯一無二の故郷 ツェレッサへ。