魔王に秘密がばれちゃった!?
今回は短いのですが、次回こそは長めのお話を書き上げます。
文字を学び始めて一か月が経過した。
ルドルフはドイツ語を学び始めてからミリアにつきっきりで教えてもらい、たった一か月で最初に読み聞かせをしてもらった冒険談の物語をゆっくりとたどたどしいながらも一人で読むことが出来るようになった。
「・・・でした。おしまい。」
「ルドルフ様素晴らしいです!たった一か月でこれほどの物語を読めるようになるなんてルドルフ様は天才です!」
「そんなことないよ。ミリアの教え方が上手だっただけさ。」
「いえいえ、そんなことありません!私は一歳になるころには読めるようになったらいいなと思いながら教えていたのに、一か月でそれも一歳未満の赤ちゃんが読めるようになるなんて信じられません!」
ルドルフはミリアに褒められたので気を良くし、甘えるような声とともに一つのおねだりをした。
「じゃあ、一つだけおねだりしていい?俺、魔法を使ってみたい!だから魔法が使えるようになる本を読んでみたいな~。」
ミリアは一瞬悩みながらも、ルドルフの甘えるような上目使いと一歳未満なのにこれほどまでの知能を持っていることから大丈夫だろうという安心感から即座にOKを出してしまった。
「それではルドルフ様、明日ルドルフ様が起きたころには魔導書を持ってきますので少々お待ちください。それとルドルフ様には内緒にしていましたがドアの隙間から魔王様と魔王妃様がこちらを覗いており、ルドルフ様の朗読に感激の涙を流してご自身のお部屋へとお戻られになられましたよ。」
ミリアの最初の発言に体全体を使って喜びを表現していたが、途中の魔王様たちがのぞいていたという事実にルドルフは驚きを隠せなかった。
「ナ、ナンダッテー、そんな馬鹿な。ミリア!どうして俺に教えてくれなかったんだ!それに、父上と母上には内緒でといったではないか!」
「私もそのことを知ったのはつい最近で、たまたま魔王妃様が来られた時に一生懸命勉強をしているルドルフ様と教えている私を見てたいそう驚かれたそうです。そして昨日の夜、私は呼び出しを受けて魔王様の政務室に行くとお二方から明日ルドルフ様の部屋を覗くから開けておけと命令されたのです。魔王様の命令には逆らうことはできませんでした。」
「そ、そうか。なら仕方ないな。しかし、それでは魔導書のことも知られて禁止させられてしまうではないあろうか。」
「あ、やっぱりご自分でもそういった自覚はあったのですね。ただ、魔導書のところはお戻りになられていたため魔王様、魔王妃様両名には内緒にできたと思います。一歳の盛大な誕生日の時にお二人をびっくりさせられるように頑張りましょう!」
「ん。なんか最初のところの発言が気になるがまあ良しとしよう。そうだな、父上と母上を一歳の誕生日に驚かしてやるとするか。」
ルドルフは両親にもう少し秘密にしておきたかったことをばれてしまったが、魔法で両親をびっくりさせようと決心したと同時に、ミリアに今回のお仕置きとして何かいい手はないかと考えることにした。
(ミリアへのお仕置きとしてはどうしよ様かな?一番手っ取り早いのがメイド長にちくることなんだけどそれもなんかお面白くないしな。あっ、そうだ!ミリアに俺の文字を覚える練習とか言って、簡単な言葉だけでこの国の歴史や大きな戦争とか、種族とかについてわかりやすく簡潔に作るように命令しよう。そうすればひいひい言いながら一応のお仕置きになるだろうし、俺の勉強にもなるから一石二鳥じゃん!さっそく命令しよう。)
「ミリア!今回父上と母上に二人の秘密をばらしたとしてお前にお仕置きをする!」
「えっ!何でですか!?確かにばれてしまいましたが私の責任ですか!?」
ミリアは急にルドルフにお仕置きと言われびっくりしながらも反論した。これがいけなかった。
「そうかお前の主人である俺にそんなことを言うのか。そうかそうか、なら心置きなくお仕置きが出来るな!一か月以内に簡単な言葉だけでこの国の歴史や大きな戦争とか、種族とかについてわかりやすく簡潔に作り俺に提出すること!羊皮紙とインクはこの城にある奴ならある程度使うことを許そう。もしできなければ、今回のことをメイド長にちくるからな!」
ルドルフはどんどん涙目になっていくミリアを満面の笑みを浮べながら命令した。
「ひええええん!そんな無茶なことできるわけありませんよ~ルドルフ様~!それに、その命令って私の自由時間をすべて調べものと書き物に捧げろっていうことですよね!そんな~、でもメイド長に怒られるのも嫌ですし頑張ります・・・。」
ミリアは涙目になりながらメイド長に怒られるぐらいだったらとへこたれながらもルドルフのお仕置き命令をこなそうと決めた。
やっとこさここまでこぎつけました。
次回からはやっと書いてみたかった魔法のお話しになるのでほんのちょこっとだけお楽しみにしていてください。
感想お待ちしております。