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...恋ノ詩...  作者:
9/16

vol.9 隠者あるいは揺れる想い。

「用事済んだんだったら、帰ってよ?僕、そろそろ塾だから」

「そっか…。じゃ、悠帰るかー?」

「あ、あぁ…だな…」


2人は重い腰を上げて、貴の家を後にした。


「後少しだよ…愛…」


2人を見送った後、貴は妖しく呟いた。




「つーか、マジでお前何しに来たの?」


帰り道、聖が悠に尋ねた。

悠は面倒くさそうに聖を見ると、口を開いた。


「別に。聖こそ何してたんだよ?」

「俺?俺はゲーム借りに行ってたんだよ」

「で、ゲームは?」

「っ!忘れた…」

「お前、ほんとバカな」

「悠に言われたくねーよっ」


2人はそんな事を言いながら家への道を歩いていた。

聖は、貴が愛から受け取っていたノートの事は忘れていた。

しかし、悠は聖と軽口を叩き合いながらもあのノートの事を考えていた。


俺、マナが詩なんて書いてるの知らなかったな…。

漠然と、マナの事は俺が1番知ってるって思ってたの、間違いだったのかもな…。


貴に言われた一言が、心に重く残っていた。

「僕、悠より愛の事知ってる自信あるから」。

自分の知らないマナが、そこには描かれているような気がした。


「悠?入んねーの?」


聖に声を掛けられ、悠は我に返った。

いつの間にか、自宅の前に居た。

どれだけマナの事を考えていたのだろう…。


「あ、(ワリ)ぃ…」


聖は素直に謝る悠を不思議に思いながらも、後を追って家に入った。

真っ白な月が出ていた。


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