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...恋ノ詩...  作者:
6/16

vol.6 恋に落ちる空模様。


外は濃紺を通り越して、夜の海の色になっていた。

先輩の部屋の窓から眺める空の色は、今まで見た空とは凄く違って見えた。

………私、(イニシエ)の少女漫画の主人公してない?

って、こんな事考えてる自分が居るって事は、私、先輩好きなのっっ!?

え?だって、初対面だよ!?(厳密に言うと違うけど)

全然知らない人だよ!?(本当が学校の先輩だけど)

えー…有り得ない………。


「うわ、外真っ暗じゃん。送ってくわ。マナ、家何処?」


先輩は立ち上がって、制服の上にジャケットを羽織った。

うわ…かっけぇ…。

ヤバいなー…これは惚れたな。


「マナ?戻って来ーい?」

「………えっ?」

「あははっ。お前、ほんと面白ぇなぁ。どっか旅立ってたぞ?」

「ち…違いますよっ!!!」

「そんなに否定しなくても良いじゃん。怪しいな〜?」

「別に何でもないですってば!!」

「…何かあるなんて、思ってないけど?」


ぅ〜…。

しまったぁ…。

墓穴掘ったぁ…。

先輩に見惚れてた………何て、口が裂けても言える訳無いでしょうがっ!!


「マナー?そろそろ帰るぞ?」

「あ、はいっ」

「あぁ、敬語使わなくて良いよ。これからずっと一緒に居るしな」

「はい…じゃなくて、うん」

「マナ、天然?可愛いな〜っ。食いたくなる」


笑いながら、先輩は私を部屋の外へ出した。

…てか、先輩んちって広いんだよね。

3階建てだし、エレベーターついてるし…。

金持ちだ…。


「食うの!?」

「そうそう!!その反応!!俺に食って欲しいの?」

「そ……っんな訳無いじゃないですか!!!!」

「また敬語になってるし〜。冗談だって。食わねぇよ。俺、そんな軽く見える?」

「うん」


やっばぁい…。

即答しちゃったよ…。

先輩の足が止まっている。

瞳は、大きく見開かれて私を見つめていた。


「即答っすか…」

「ぁ…ごめんなさぃ…」

「あ〜あ〜、マナは俺ん事そういう風に思ってんだ?疵付いたー」

「ごめんなさい…っ」


私から視線を外していた先輩が、私と瞳を合わせた。

優しい瞳。

その表情からは、“怒り”の色は見えなかった。


「…冗談。そんな気にしてないから。ごめんな?からかったりして」

「ぁ…いえっ。私こそ…」

「俺も言われ慣れてるし。別になぁ、見た目で何言われても良いけど?中身見ない奴は嫌い」

「そうなんですか…」

「また敬語だし…。マナ!!俺の名前は?」

「え?ハルカ…」

「これから、俺の事は悠って呼ぶ事。敬語使ったら………マナの事食うから」

「え…」

「約束なー」


先輩は笑って、私の手を握った。


「遅いし、単車で送るわ。ちゃんと掴まっとけよ?」

「判…った」



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