vol.16 恋の詩。
「あ〜あ。あんなトコでキスしてるー」
「貴。あんま、見んなよ」
「…聖は良かったの?」
「あ?」
「好きだったんでしょ?愛の事」
「あー…好きは好きだけどぉ。恋愛の好きじゃねぇし」
「それでも、失恋は失恋じゃん」
「失恋を連呼すんなっ。疵付くわ」
「あはは、ごめんごめん」
聖は、あの後すぐに貴の家へ向かったのだ。
そして、丁度悠が愛に追い付いたのが、貴の部屋から見える道。
今、2人は最高の場所で、リアルなドラマのワンシーンを見ている。
その表情はとても穏やかで。
聖も貴も、2人を心から祝福しているようだった。
「けど、まさかこんなに早く付き合うとはねー…」
貴は窓から離れて呟いた。
「つーか、俺まで世話焼くとはな…」
聖も同じように呟く。
「愛、可愛いじゃん。好きになんない方が可笑しい」
「え?じゃあ、貴も…?」
「さぁねぇ…」
貴はふっと笑って、また窓の方を見た。
「何だよ、その意味深な笑みっ」
「うわっ!?暴力反対ーっ」
貴の勉強机の上に、愛から借りたノートがあった。
キミの為 詩を作ろう
キミの為 詩を送ろう
僕がキミに出来る事
僕の気持ちをこの詩に
キミの笑顔へ届けよう
僕からキミへ…恋の詩
...Fine...
最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。
更新が不定期で、読みづらかった事と思います。
訳の判らない所が多々あると思いますが、良ければ感想など宜しくお願い致します。