表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
...恋ノ詩...  作者:
15/16

vol.15 叶う想い。届く想い。

「愛…何処だよっ」


悠は必死に愛を捜した。

もしかしたら、この道じゃないかもしれない…。

そんな不安も抱きながらも、悠は誰も見当たらない道を走った。


「居た…っ」


愛の小さな後姿を見つけ、悠は重い足を必死に動かして愛の元へ駆けた。

愛しい人を、この手で掴む為に…。


「愛…っ」


空耳?

私は後ろを振り返った。

誰かに呼ばれたような気がしたから。

遠くから、誰かが走ってくる。

その姿が大きくなるにつれ、私は嬉しさとそれ以上の罪悪感でいっぱいになった。

ハルカ…。


「っはぁ…っはぁ…」


全力で走って来てくれたんだろう。

ハルカは暫らく大きく息を吸ったり吐いたりしていた。

けど…何でハルカが此処に居るんだろう…。


「愛…っ俺…黙ってた…事が…」

「ハルカ…大丈夫…?」

「ん…大、丈夫…っはぁ…」

「何処かで休もう?近くに公園あるから…」


そう言い掛けた私を、ハルカは抱き締めた。

今、自分がどういう状況にあるのか。

把握するまでに、時間が掛かった。


「ハル…カ…?」

「俺…女が居たんだ…」

「………………っっ」


耳を塞ぎたかった。

けど、悠の腕がそれを許さない。

「嫌だっ」その気持ちが、水滴となって頬を伝った。


「けど…っ。別れて来た。今日…。愛…お前が…好きだから…」

「え?」


自分の耳を疑った。

ハルカが…私を好き…?

嘘でしょう…?


「お前が…聖を好きでも…これだけ言いたかった…。さっきは…凄ぇ聖に嫉妬して…」

「私も…っ」

「え?」

「私も…ハルカが好き…」

「え…ほんとに…?だって、さっき…」

「違うのっ。あれは…慰めてもらってただけなの…」

「マジで…?」

「うん…。私が好きなのは…ハルカだよ…っ」

「愛…」

「………んっ………」


ハルカの口唇が、私の口唇に触れた。

さっきまでは哀しかった涙が、今は嬉しさでいっぱいになってる。

ハルカ…大好きだよ…。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ