第七話:創造主星に降り、光の領域へ
ダイチはついに自分が創った星に降り立ち、精霊達の創った自然を堪能します
再び目覚めたダイチの前に広がるのは、
まさしく命の星だった。 無数の生命が営み、
空が賑やかに羽ばたき、大地が脈動している。
だが今回はただ見下ろすだけではなかった。
「……俺も、歩いてみたい」
そう口にした時、ダイチの身体は静かに縮んでいった。
神として星を見守る視点ではなく、
地上に降り立つ“ひとりの存在”として。
星の風を肌で感じ、土の匂いを鼻で感じ、
命の鼓動を足元から感じる。
初めて踏みしめた自分の星は、
まさに彼の夢の結晶だった。
「ようこそ、創造主様」
最初に出迎えたのは光の精霊・ルミナだった。
彼女は柔らかな微笑みと共に、
ダイチを明るく照らす草原へと案内した。
「ここは私の守る光の大地。昼の時間帯を司り、
光合成を行う植物や昼行性の動物が数多く
暮らしております」
そこはまさに、光に祝福された聖域だった。
地表を覆う草は金色に揺れ、
微細な花びらは日光を浴びて宝石のように輝いている。
木々は葉の一枚一枚に柔らかな光の膜を宿し、
風に揺れるたびに鈴のような音を響かせていた。
天空には七色の羽を持つ聖鳥“虹翼鳥”が
優雅に旋回し、地上では銀の角を持つ聖獣
“陽鹿”が群れをなして歩んでいた。
“光羽蝶”たちが花の間を飛び交い、
小さな草食獣たちが優雅に草を食んでいた。
陽の光は優しく、決して強すぎることなく、
生命を包み込んでいた。 陽の光は優しく、
決して強すぎることなく、生命を包み込んでいた。
「この光は……暖かい。優しいな」
「ええ。強すぎれば焼き尽くし、弱すぎれば育まない。
だから私はいつも、世界の呼吸と命の声を感じながら、
光の調和を保っています」
ダイチは草原に腰を下ろし、
両手で土と草をすくい上げる。
「こうして触れてみると、創ったつもりでも……
知らないことばかりだ」
「それは自然なことです。創造と調和は、
常に新しい形を生むもの。私たち精霊も、
日々この世界から学んでいるのです」
空を舞う“煌光龍”が、陽の光を受けて黄金に輝きながら
空を旋回する。 彼の存在はこの領域の象徴であり、
光に祝福された命の管理者でもあった。
「煌光龍は、あなた様の光の意思を最も強く受け継いだ
存在です。彼の羽ばたきは、草花を目覚めさせ、
動物たちに朝の訪れを告げるのです」
ダイチは空を仰ぎながら、心の底から湧き上がる
感情を押さえられなかった。
「……ありがとう、ルミナ。君がいてくれて、
本当によかった」
「わたくしたちは皆、あなた様の夢から生まれました。
けれどそれは、あなた様の孤独の中からではなく
愛と希望からです」
その言葉に、ダイチの目に涙が浮かんだ。
太陽のような笑顔でルミナが言う。
「この光が、いつまでも命を照らしますように」
ダイチは静かに頷いた。 彼の旅は、
始まったばかりだった。
次回水の精霊と海中探索を楽しみます