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転生して優しい世界を創る  作者: MASK
第4章:光の勇者水の精霊編
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第三十八話:精霊に求められし勇者達

ついに闇の精霊ノクスを解放するために選ばれし者の旅が始まります。

精霊達が見つけたふさわしい器の持ち主は

辺境の村で生まれ育った、ごく普通の青年。

その名はアレン。

特別な家柄でもなく、剣の腕前も村の

護衛程度に毛が生えたくらい。

だが彼は幼いころから瘴気の魔物に怯える人々のために

木剣を振り、倒れる仲間を必死に支え起こす優しさを

持っていた。

その心の奥底には、見えぬ「器の印」が眠っていた。


ある夜、アレンは不思議な夢を見る。

暗闇の丘に立つ自分の前に、

七柱の精霊が姿を現していた。


 火の精霊「エンリオ」

 水の精霊「シエラ」

 風の精霊「フロウ」

 雷の精霊「ライゼ」

 土の精霊「グラン」

 光の精霊「ルミナ」

 無の精霊「ネアン」

 

「な、なんだ……ここは……? 夢……なのか?」

困惑するアレンに、ルミナが一歩前へ進み出た。


「アレン。あなたは選ばれた者。

我ら七柱の精霊が見定めた、“器”です」


「俺が……? 器? ちょっと待ってくれ。

俺はただの村人だ。剣だって大したことないし、

村の外に出たことだってほとんどないんだ! 

俺なんかじゃ、そんな大役は……」


必死に否定するアレンを、精霊達は次々と説得していった。エンリオは力強く、シエラは静かに、ライゼは鋭く、

グランは重みをもって言葉を投げかけた。


最後にルミナが告げた。

「アレン。怖れてもいい。それでもなお進む者にしか

“光”は授けられません。あなたの心はすでに、

人々を照らす力を秘めています。

そして他の精霊に認められし仲間を探すのです」


アレンは唇を噛み、やがて深く息を吐いた。

「……俺は怖い。けど、やる。俺にしかできないなら……

この命を懸ける!」


 その瞬間、ルミナの光が彼を包み、

胸の奥に刻まれた印が輝いた。

こうしてアレンは「光の精霊ルミナの加護」を

得たのだった。


だが、精霊達の導きはアレンひとりだけに終わらなかった。

数日後。アレンの幼馴染で薬師見習いの少女、

リサもまた夢を見ていた。彼女の前に現れたのは、

水の精霊シエラ。


「リサ。あなたは癒しと流れの象徴。人々を潤し、

仲間を守る力を持っている。アレンと共に歩みなさい」


「わ、私が……? 私は薬師見習いで、

戦えもしないのに……」


不安げに呟くリサに、シエラは優しく微笑んだ。

「だからこそ、あなたに水を託します。

癒しと浄化の流れは、あなたを通して仲間へ届くでしょう」


 その瞬間、リサの胸にひんやりとした

青い光が宿り、「水の精霊シエラの加護」が与えられた。



吟遊詩人の青年カイルの夢には、風の精霊フロウが現れた。

「カイル。あなたの歌は人の心を揺らす風。

その声と魔法で仲間を導き、時に励ますのです」


カイルは苦笑して肩をすくめた。

「俺が……? 戦士でもないのに? 

俺なんか役に立たないだろう?」


フロウは柔らかに笑った。

「風は形を持たない。だが誰もがその存在を感じる。

あなたもそう。形なき力が仲間を救うのです」


そう告げると、カイルの胸に風の印が刻まれ、

「風の精霊フロウの加護」が与えられた。



最後に、元傭兵のブラムの夢には、

土の精霊グランが立った。

「ブラム。おぬしは幾度も血を浴び、

大地のように踏みとどまってきた。

今度はアレンを守る盾となれ」


ブラムは鼻で笑った。

「俺なんかが? もう戦うのは嫌だ。

誰かを守れる保証なんて……」


 だがグランは厳しくも温かい声で告げる。

「保証などない。だが、お前が立つだけで道は開ける。

大地は揺るがず、人々を支える。それが土の力だ」


胸に重みが走り、ブラムは呻いた。

次の瞬間、彼の胸には土色の印が刻まれ、

「土の精霊グランの加護」が与えられた。


それぞれが夢の中で加護を授かり、

互いに同じ“導き”を受けたことを知る。

やがてアレンは仲間に語った。


「精霊達は俺に“器”の使命を与えた。

でも俺ひとりじゃできない。だから……一緒に来てほしい」


リサは頷き、決意を秘めた目で答えた。

「私も同じような夢を見たよ、アレン。

だから一緒に行く。私の癒しが少しでも役立つなら」


カイルは笑ってリュートを鳴らした。

「どうやら私の歌も必要らしい。

なら、この旅は楽しく盛り上げてやるさ」


ブラムは無言で大盾を背負い直し、短く答えた。

「仕方ねえな。……背中は任せとけ」


 アレンは拳を握りしめた。

「ありがとう……俺たちなら、きっとやれる!」


こうして「光・水・風・土」の加護を持つ四人が集い、

精霊が認めし器、アレンの旅路は本格的に始まった。

八柱の精霊に導かれた小さな一行は、

闇の領域を目指し歩き出す。

闇の領域を目指す旅が始まります

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