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夏と冬

作者: いちねん

夏が来ました。

いつもと同じ夏と思っていました。

いつもとは違う夏でした。


夏が来ました。

あなたが眠ったと聞かされました。

涙がポロリと零れました。


夏が来ました。

懐かしい景色がまだありました。

久しいあなたは痩せていました。


優しい声でした。

親に叱られる私を慰めてくれました。

美味しいものを食べるとよく笑いました。


あなたが初めて眠った人でした。

泣きました、泣きました、昔の様に泣きました。

けれどあなたの声は聞こえませんでした。

夏が終わりました。


冬が来ました。

指先がかじかむそんな冬でした。

今度はあなたが眠ったと聞かされました。


冬が来ました。

震えが止まりませんでした。

寒さとは少し違いました。


冬が来ました。

家に入ると少し寒く感じました。

夏にあった時より痩せていました。


大きな手でした。

竹とんぼを作ってくれた固くて大きな掌でした。

よく泣く私を撫でてくれたあたたかい掌でした。


あなたが二人目に眠った人でした。

泣きました、泣きました、昔の様に泣きました。

けれどあなたは撫でてくれませんでした。

冬が終わりました。


眠った貴女、眠った貴方

ただひたすらに愛していました。

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