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牢屋

「………く……いで。」


大丈夫だ。俺は聖剣にくわしいから。

牢屋の鍵はスル・メが管理しているが、それは扉に媚びを売る者の所業だ。


俺に鍵は必要ない。


森エルフの娘を抱えながら俺は牢屋の檻を手でひん曲げる。そして中に入り、優しく檻を元の位置に曲げ直した。これで俺達は檻の中の狩人だ。


森エルフの娘は檻の中で怯えて逃げようとした。振り返り檻を掴み必死に俺が曲げたようにできないか檻に力を入れている。


しかし、彼女の檻を掴む手は突然自身を守る為に力を入れる事になった。


理由は俺が彼女の腰に手を当てたためだ。


1枚仕立ての服。スカートの裾がゆっくりとあがりだし丈が短くなるにつれて彼女の脚が現れだした。


何を怯えているのだ。彼女の脚は俺の手で広げられた。しかし太ももは何かに怯えるように内側に入りたがる。


彼女は膝を地面につき俺に背中を見せながら腰を突き上げた。そして顔は見えないが泣いているようだ。


確かに背後からの聖剣攻撃は卑怯だったかもしれない。

俺は彼女に謝り抱え上げた。そして牢屋の壁を背にした俺の腰付近に股開きをさせて乗せた。


抵抗はしないが怯える彼女。俺の上で股開きをしている彼女に対して俺は非礼を詫び、彼女の股開きの稼働域を最大限まで広げた。両膝裏から腕を通し彼女の背中で腕組みをした。


「………しい。」


聞き取れない彼女の言葉。それは、俺への試練。その試練を打ち破る。それが己の進む聖剣道。


稼働域全開の股開きの彼女は俺の首に手を回し膨らみを押し付けてくる。


わかっている。俺が膨らみを全て吸い取り萎ませる。

それが君と俺との、牢屋聖剣物語だろ。


「牢屋を多目的で使うな!」


メアリーさんの怒りの精霊術の風の刃は、それはそれは見事に牢屋の檻を斬り刻んだ。



          ………………


翌朝…


見張り塔の最上部で初夏を知らせる暖かな日差しと優しい風が吹いている中、メアリーさん、姫様。そして二人の後ろで怯えている森エルフの娘…の前で俺は正座をしている。なぜか隣りではスル・メも正座をしていた。

デデさんは未だ回復はせず寝込んでいる。そして砦内を行来する通行人達は露店で足をとめていた。


スル・メ…お前は何をしたのだ。


「女性3人に淫らな行為を迫った罪を問うのよ!」


朝から元気なメアリーさんは俺に罪を認めさせるために迫りくる。


「私は馬小屋の片隅で両手を押さえつけられ迫られている。あの時は同情もしたが、他の者にも迫るとは…」


「私は屋根の上で、お星さまになぞられて股開きを致しました。」


「…………が………………で…………じた。」


3人互いに思う事は有るだろうが、俺にも理由があるのだ。


「全ては聖剣の斬れ味を維持するためだ。」


足蹴にするのか。痛くもない。しかし、なぜか自分より幼い容姿の女性達に踏みつけられると、聖剣を抜きたくなるのだが…


今はまだ、時ではない。………我慢のみ。


「はぁはぁ…今度から迫る女性は一人にしなさいよ!」


メアリーさん。貴女は何を言っているのだ。それは俺にとって罰にもならない罰なのだが…


「…ひ、一晩一人なら許されますか。」


「許すわよ!」



そして、スル・メ。お前は何の罪でそこに正座をしているのだ。


横領罪。スル・メに告げられた罪状。彼は夜な夜な魔石闇市の利益を初めだけメアリーさんに全額渡していたが味をしめたスル・メは次第に金の魔性に魅せられて、金を牢屋に隠していた。偶々、俺の聖剣物語が昨晩、牢屋で始まり、その際に発覚したらしい。


「おいらは命令されたんだ。」


商人モードのスル・メは罪を認めない。自分は何も悪くない。必死の形相で3人に訴えている。


「全ては、カイロ兄貴が仕組んだんでい。」


よくもぬけぬけと、俺の名前をだせるな。でも、お前の認識は甘いぞスル・メ。ほら見ろメアリーさんを。あの顔はな、俺にそんな知識があるわけないだろうと言う顔だ。


「俺は無実なんだ…」


横領した金は全て没収。そしてスル・メはメアリーさんの指示で動く雇われ商人に格下げとなった。


姫様が統治者。メアリーさんは管理職。デデさんは、情報収集と軍事取締り。横領のスル・メは見習い商人と見習い騎士。名ばかりの下僕。


そして俺は外で魔石集め…


やはり俺の立場には変化がないと思っていたのだが、メアリーさんの言葉に思わず、でかい声を出してしまった。


「この森エルフの子、貴方が面倒見なさいよ。」


やはり言葉自体は理解しているのだろう。森エルフの娘はメアリーさんの言葉を聞くと嬉しそうに俺の側によってきた。


「勝手に聖剣抜いたら…許さないわよ。」


やはりメアリーさんは先輩冒険者だ。俺が、目指す目標の人だ。初めて…初めて俺の聖剣に理解を示してくれた。


「でも、メアリーさん。俺は魔物倒しが仕事だ。流石に彼女を連れて行くのは…」


森エルフの娘は俺の言葉に私も戦えると言わんばかりに腕を振り回し戦えるアピールを見せてくる。


メアリーさんはわからない事だらけだから意味不明な貴方が適任なのだと説明してくれた。


「おい、横領罪。内ポケットから出せよ。」


メアリーさんの言葉で、スル・メの最後の隠し財産が接収された。地に手をつき項垂れるスル・メ。


さすがの俺も、かける言葉が見つからなかった。








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