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聖剣とはなんですか?13

「はぁ…いきましょう。」


素晴らしい見送りだ。俺達は、農村を後にした。


メアリーさんは、晴天の中でひとり曇った顔をしている。俺もメアリーさんの助けをしたいが追放Fランク冒険者が追加Aランク冒険者に助言するのは失礼だろう。

それほど彼女とは冒険者としての格に開きがある。


「…勇者さま。」


「俺か?」


王女様は、なぜか俺のそばから離れない。理由はわからないが、着飾るのを辞めた王女様は実に質素で話しやすい。


「勇者さま…今晩も、あのですね。…一緒に寝てくださいますか?」


「聖剣は?」


「聖剣とはなんですか?」


俺は、皮の腰巻きを外す…痛い。やっぱり痛くない!


「朝からイチャバカするな。この詐欺グループ。」


「まあ」


メアリーさんの纏め呼び。俺は個人で呼んで欲しかった。


「若いとは素晴らしい。俺は朝から頭が痛い。酒がぬけんガハハハ!」


味方オーク面さんは、まだ顔が赤い。そしてスル・メは王女様のオシリとの距離感のバランスを気にしていた。

そう言えば馬はどうしたのだろうか?

御者は裏切り者の仲間だったのは理解している。しかし馬はどうした。まさか、俺との再戦から逃げたな。


「馬は村に置いてきました。目立つでしょ。」


さすがメアリーさんだ。俺が質問する前に答えてくれた。


「でも徒歩なら街道に関所…関所が無理なら山越え。順調でもデラーズ領内へ10日。王国までなら3ヶ月以上かしら?」


何だ…走れ、痛い!痛くない。


まさか同時に両脛を殴打してくるなんて、痛みがないのはメアリーさんの優しさだとしても命中…スピードはかなりレベルが高い。


「うむ。聖剣に守られた街はどうするのだ。」


味方オーク面さんは、こちら側には行く目的が無くなったと言うが俺達には向かう理由があるのではと気を使っている。


確かにマグレシアンさんとの約束がある。あの人に聖剣とはどれ程だったか説明しなければならない。


「味方オーク面さん。俺はある約束の為に、聖剣に守られた街にいかなければなりません。でも、皆さんの事を優先します。理由は約束した人ならそう言うと思うからです。」


(カイロってマグレシアンさんについては真面目なのよね。自分でわかっているのかしら?)


「すまない。ありがとう。」


俺達は街道を進み。分岐点に到着した。朽ちた板に微かに残る「デラ」という文字。西に行けば聖剣に守られた街。このまま、北へ向かえばデラーズ領。マグレシアンさんに言われた聖剣を見るのは少し先延ばしになるだろう。


「このまま、向かえば関所ね…」


俺とメアリーさんは特に何かあるわけではない。役人に冒険者の証明証のプレートネックレスを提示して署名すれば、おそらく通過できる。問題は王女様達だろう。関所の警備隊達は王女様達を見たら、どう対処するのだろう。頭を下げるのか。彼奴等みたいに、襲いかかってくるのか。


これは…俺の偵察任務だ!


「ちょ、ちょっと!」


メアリーさんの静止を振り切った俺は加速した。俺の脚なら偵察して戻ってきてから対策を打てる。


ほら、もうついた。


数分後、俺は林の出口付近の雑木の裏から関所を確認した。石造りの見張り塔にオーク3体分程の塁壁。周りは木々に囲まれている。森を切り取り、魔物の侵入を防ぐ為の壁だろう。正面に見える人の列はデラーズ領内への入国審査待ちだろうか。


内部偵察もしたいから…俺も並ぼう。


「よし、通れ。」


(次の次だ。なんだか緊張するな…)


………え?


「おいお前、何者だ!」


この砦の兵士さん達は、全く話しが通じない人達だった。俺を見るなり首元に垂れさげた笛を吹き。何をしているのだと思っていたら…ぞろぞろ砦内から人が現れ、あっという間に囲まれてしまった。


「自分で何を言っているのか、わかっているのか!」


わかっているから話しを伝えているのに、なぜ通じないのだ。審査待ちの人達を放置して、俺に槍先を向けて怒鳴りちらす。俺だったら、審査を無視して素通りしてやるけどな。


「内部偵察だ。」


はぁ…何度目の内部偵察発言だ。内部偵察をする為に、この砦に来ましたと始めから話していたのに、どうしてこうも伝わらないものだろうか。


あ、誰か素通りしたぞ。不法入国だろ。俺を囲んでいないでしっかり仕事をするべきだ。


        ……………………


「メアリーさん。勇者さまは、突然どちらに向かわれたのでしょうか。」


王女様は、不安そうにカイロの行方をメアリーに聞いている。もしかしたら、私がお空の聖剣を見つける事ができないから、嫌気が差したのかもしれない。王女様は、そんな考えに支配されていた。


「たぶん…先の関所の様子見にいったのよ。」


メアリーはカイロから聞いた話しと知り合ってからの話しを簡単に3人に話した。あくまでもメアリー目線から見てきたカイロの話しを…


どこに泣き崩れ落ちる要素があったのだろうか。確かに詐欺被害には同情するが、同情するなら私にしてもらいたいとメアリーは3人を見ていた。


「皆…カイロに期待しても駄目よ。たぶん既にトラブルの渦中にいるから。」














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