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聖剣とはなんですか?1

「もちろん。最初に向かう場所は、聖剣に守られた街でしょ。」


メアリーの言葉に俺は頷いた。

街を出た俺は街道を北に向かい歩いている。マイク教官の手紙を読まなくて良いかとメアリーさんに訪ねたが、とりあえず「聖剣に守られた街」に到着してから考えようと言われた。


どちらにしても滞在できそうな規模の街は、その聖剣に守られた街なんだろう。確か馬車で数日の距離らしいから、俺なら走れば半日も必要ないな。


「え?走れば半日で到着できる。」


別に可怪しい事じゃないだろう。メアリーさんに俺は怒られた。貴方は常識がない。周りが見えない。自己中心的な新人。他にも色々言われたが、一番傷ついたのは、


「あんた…また詐欺られるよ。」だった。


それに、周りもゆっくり見ない奴が冒険者なんかするなと言われた。


この言葉も何故か俺の心に挿し込んだ。


「なによ。冒険者が冒険しなくてどうするのよ?」


急ぎすぎ。彼女はそういう言葉を俺に伝えたかったのだろう。


嘘文字化け恩恵の件で、余裕が持てない体質になっていたのだろうか。


魔石と金。俺の13年間はこの2つの言葉に支配されていた。


「少し前まで泣き喚いていたのに、メアリーさん。何だか前向きですね。」


「はあ?行っておきますけど。貴方も、泣いていましたから。28歳で。」


メアリーさんは覚悟を決めたそうだ。嘘をついたのに、教官が起点をきかせてくれた。それにギルド内での仕事が窮屈だったそうだ。もともと旅をしたくて冒険者になったのに、ランク等が絡んできたらギルドからの仕事が増えてしまった。


どこかで、描いた夢から離れていく今が嫌だったそうだ。


それに…「シルフィちゃんが、怖いけど貴方について行きたいってさ。」


杖を後ろにまわし、街道の小石を蹴り上げながら歩くメアリーさん。初めてあった時より幼く見えた。


それはつまり。俺に、この女性と良くわからない精霊を養えと言っているのか。


俺は銅貨3枚で生態系を破壊して、言葉巧みに追放された男だぞ。


正直、養うのは無理だ。


「すまん。無理だ。」


そう言い残し俺は走りだした。金が絡む女は…あの詐欺女神だけで沢山だ。


俺は走り出して一時間程で農村に到着した。このまま、

聖剣に守られた街に向かっても良いが腹が減ったし、徒歩なら今日中にメアリーさんが、追いつく事はないだろう。


休憩だ。


しかし、【A】ランク冒険者は甘くはなかった。


数十分後に背後から叫び声が聞こえた。


「おらぁぁぁ。ふざけんなよ。薬草殺し。」


俺は振り返りその姿をみて、あきらめた。杖にまたがり

ながら宙に浮き上がり、こちらをめがけ猛スピードで、迫ってくる女性。


メアリーさんだ。


一瞬。昔、山の麓の洞窟の最奥で遭遇した杖を持ちながら腐敗した皮膚で浮遊していた言葉を操る魔物。


確か…リッチプリンセスとか言っていた奴が数年ぶりに追いかけて来たと思った。


あいつはしつこかった。倒す事ができなかったのは俺が弱いからだけど山を3つ越えても追い駆けてきたからな。なぜか街の教会前にきたら「ひぇっ」とか言いながら逃げていった。あの時は、最初から街に逃げれば良かったと思った。


「あの会話から…はぁはぁ…いきなり逃げ出す奴がいるとは思わなかった!」


「よく…追いつきましたね。」


「はぁはぁ…1日に精霊憑依を2回も使わすな!」


なぜ怒るのだメアリーさんは。自分が勝手に使用しただけじゃないか。


「ちょっと…はぁはぁ…プレート貸しなさいよ。」


「はぁはぁ…バカね。だから詐欺られるのよ。」


メアリーさんは俺のプレートを自分の首にかけた。そして、貴方は傍から見たら無職の服無しよと指を差した。


証明証を奪われた男。また騙された男。28歳で冒険者になりながら2日で無職に見られる男。


「はぁはぁ…何よ。また泣いているの。貴方の方が泣き虫じゃない。」


俺は悔しかった。昨日今日、知り合った年下の女に、あれこれ言われるのが、どうしようもなく悔しかった。


だから、決めた。


次に股を開いたら、詐欺女神に教育された技を使用する。あれを使うとなぜか数日間くらいは詐欺女神も金や魔石を催促して来なかったからな。



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